「正直、肩の荷が下りたような気持ちがする」とワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)はレース後に語った。2日連続で逃げ、山岳賞ジャージを獲得したマテなど、ブエルタ3日目を終えた選手たちのコメントを紹介します。



ステージ優勝&マイヨロホ ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)

マイヨロホで勝利を飾ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

レース直後インタビュー

忍耐強く勝利を待ち続けた結果だ。最後に手を掲げて(勝利して)から随分時間が経った。本当に気持ちがいい勝利だよ。

今日は昨日と逆のこと(グローブスの背後から飛び出す)をしようと思っていた。しかし自分の力を使って先に仕掛け、残り200mの手前からのスプリントはグローブスを驚かせただろう。最後は若干登りだったものの、十分なスピードで完璧なスプリントができたよ。

―勝てる自信があったか?

そうだね。昨日の時点で脚の状態はよく、気温が高かったことも良い影響になったのだろう。チームは強く、終始レースをコントロールすることができた。彼らは僕を完璧な位置まで導いてくれ、それが勝利できるという自信につながった。

(明日は山岳ステージなので)楽しいことはもう終わり。明日は総合リーダーであるセップ(クス)とキアン(アイデブルックス)のために力を尽くす。明日はとても厳しい山岳が待っているので、総合勢の戦いとなるだろう。マイヨロホをキープすることは難しくなるだろうから、あと一日だけこのジャージを楽しみたい。

マイヨロホをキープしたワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

表彰式後インタビュー

正直、肩の荷が下りたような気持ちだよ。皆知っているように、ここまで戻ってくる道のりは大変だった。調子こそ良かったが勝利を掴めずにいた。この勝利がとても嬉しいし、傲慢な表現になるかもしれないが”本来の自分”に戻ってくることができた。プレッシャーというよりも、僕の勝利への期待に背中を押されていた。むしろ自分でプレッシャーをかけ、それが勝利につながった。

正直、今大会のコースは勝利が狙える最初の3ステージしか見ていない。山岳ステージでは総合リーダーをサポートし、マイヨロホを着て走る明日のステージを楽しみたい。

マイヨモンターニャ(山岳賞)ルイス・マテ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)

マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)に袖を通したルイス・マテ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) photo:CorVos

現役最後のブエルタということもあり、特別な思いを持ちながら走っている。これほど素晴らしい選手キャリアになるとは思っておらず、ここまでの一瞬一瞬を噛み締めながら走ることができている。今日の目標はマイヨモンターニャを狙うことだった。チームも協力してくれ、ステージではジョン・アベラストゥリが3位と健闘した。

引退を発表してからこれほどの大舞台を走れる選手はそう多くないので、この後も楽しみながら走りたい。

エドアルド・アッフィニ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク)

ファンアールトと勝利を喜ぶエドアルド・アッフィニ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

今日の僕の役割はワウト(ファンアールト)を集団の先頭付近に位置取りさせること。しかし終盤にポジションを下げてしまい、脚を使って番手を上げなければならなかった。ラスト2kmでカンペナールツが良いアタックを見せ、集団は一瞬混沌とした。単純にリードアウトについていえば、良いものではなかった。だが重要なのは勝つことで、ワウトが望む位置に彼を運ぶことはできたよ。

プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)のレース前インタビュー

チームメイトに囲まれ、プロトンで走るプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

いまだ腰に痛みは感じる。そのため今後レースで身体がどういった反応を示すのかは分からない。でもいまのところは良い状態にあるので、楽観的に考えているよ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos