2024/08/18(日) - 13:15
ラストに2つの2級山岳を駆け上がったツール・ド・フランス・ファム第7ステージで、マイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を着るジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)が逃げ切り勝利。フォレリングはニエウィアドマとのタイム差を1分15秒まで縮めている。
8月17日(土)第7ステージ
シャンパニョル〜グラン・ボルナン 166.4km(山岳/山頂フィニッシュ)
ツール・ド・フランス・ファム・アヴェク・ズイフト(UCIワールドツアー)の第7ステージは山岳2連戦の初日。レマン湖近くの街シャンパニョルからグラン・ボルナンに向かうコースは今大会最長距離となる166.4kmで、最初の山頂フィニッシュだ。
コース前半に1級山岳を越え、4級、3級と低難易度の山岳をクリア。ラストは2級山岳コル・ド・サン・ジャン・ド・シクスト(距離5.4km/平均5.1%)と、2級山岳グラン・ボルナン(距離7km/平均5.1%)を連続して登坂する。逃げ切りに適しているのはもちろん、総合順位がシャフルされても不思議ではない難易度だ。
129名が出走したこの日は、スタート後わずか6kmでアニヤ・ロウ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル)を中心とする落車が発生する。これによりロウとパリ五輪のTTで銀メダリストに輝いたアンナ・ヘンダーソン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)を含む3名がリタイア。不穏な雰囲気のなか逃げを目指したアタックが決まらず、2時間に渡りひと塊のままレースは進んだ。
最初の1級山岳ではマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を着るジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)を、プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が抑えて先頭通過。2位通過で山岳ポイントを8点加算したヘキエーレは下りで飛び出し、チームメイトのジュリー・ファンデフェルデ(ベルギー)やマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)を含む6名で逃げ集団を形成した。
4級山岳はヘキエーレが先頭で通過し、ファンデフェルデが長時間牽引した逃げは5分のリードを得る。続く中間スプリントでは狙い通りフォスがトップ通過で25点をゲットし、序盤でシャーロッテ・コール(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)がリタイアしたため、フォスは着用するマイヨヴェール(ポイント賞)をほぼ手中に収めた。
プロトンではSDワークス・プロタイムやキャニオン・スラム、フェニックス・ドゥクーニンクを中心にペースを上げ、逃げとのタイムギャップを縮めていく。レース後半では第5ステージで落車し、マイヨジョーヌを失ったデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)のためにロレーナ・ウィーベス(オランダ)が集団先頭で牽引するシーンも。しかし順調にローテーションを回す逃げのペースは落ちることなく、残り15km地点で3分22秒差をキープした。
最後から2つ目の2級山岳に入り、一人また一人と逃げから選手が遅れていく。そしてフィニッシュまで残り13kmでファンデフェルデが役割を終え、ヘキエーレが単独先頭に立った。
ヘキエーレは2級山岳を通過し、最後の2級山岳グラン・ボルナン(距離7km/平均5.1%)に突入する。プロトンではFDJスエズの作るハイペースに人数が絞られるなか、残り6.9kmでフォレリングがライバルたちの脚色を伺うようにアタック。しかしマイヨジョーヌのカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)らを引き離すことはできなかった。
残り3km地点を過ぎてヘキエーレとプロトンとの差は1分54秒。パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)やフォレリングが散発的にアタックしたため集団のペースは上がらず、マイヨアポワを纏ったヘキエーレが涙を流しながらフィニッシュした。
「嬉しすぎて言葉がない。夢の中にいるような気分。本当にクレイジーだよ。チームメイトはもちろん、一緒に逃げたジュリー(ファンデフェルデ)に感謝したい。彼女のおかげで最後の山岳に向けて脚を溜めることができた。この勝利は彼女のものでもある」と、フィニッシュ直後に倒れ込みながら喜んだヘキエーレは語った。
ヘキエーレはベルギー出身の28歳で、総合優勝を除けばこれがプロ初勝利。今シーズンはボルタ・ア・カタルーニャ・フェミナとジロ・デ・イタリア・ウィメンで山岳賞に輝いたピュアクライマーだ。
終盤にプロトンを飛び出したマエヴァ・スクィバン(フランス、アルケアB&Bホテルズ)が2位に入り、プロトンでは残り1kmでニエウィアドマがアタック。フォレリング以外を振り落とすことに成功し、フィニッシュ手前でフォレリングがスプリントで先着して3位に入った。
ボーナスタイム-4秒を獲得したフォレリングは、ニエウィアドマとのタイム差を4秒短縮することに成功(1分15差)。翌日の最終日は、超級山岳ラルプデュエズ(距離13.8km/平均8.1%)を駆け上がる山頂フィニッシュが待ち受ける。
8月17日(土)第7ステージ
シャンパニョル〜グラン・ボルナン 166.4km(山岳/山頂フィニッシュ)
ツール・ド・フランス・ファム・アヴェク・ズイフト(UCIワールドツアー)の第7ステージは山岳2連戦の初日。レマン湖近くの街シャンパニョルからグラン・ボルナンに向かうコースは今大会最長距離となる166.4kmで、最初の山頂フィニッシュだ。
コース前半に1級山岳を越え、4級、3級と低難易度の山岳をクリア。ラストは2級山岳コル・ド・サン・ジャン・ド・シクスト(距離5.4km/平均5.1%)と、2級山岳グラン・ボルナン(距離7km/平均5.1%)を連続して登坂する。逃げ切りに適しているのはもちろん、総合順位がシャフルされても不思議ではない難易度だ。
129名が出走したこの日は、スタート後わずか6kmでアニヤ・ロウ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル)を中心とする落車が発生する。これによりロウとパリ五輪のTTで銀メダリストに輝いたアンナ・ヘンダーソン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)を含む3名がリタイア。不穏な雰囲気のなか逃げを目指したアタックが決まらず、2時間に渡りひと塊のままレースは進んだ。
最初の1級山岳ではマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を着るジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)を、プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が抑えて先頭通過。2位通過で山岳ポイントを8点加算したヘキエーレは下りで飛び出し、チームメイトのジュリー・ファンデフェルデ(ベルギー)やマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)を含む6名で逃げ集団を形成した。
4級山岳はヘキエーレが先頭で通過し、ファンデフェルデが長時間牽引した逃げは5分のリードを得る。続く中間スプリントでは狙い通りフォスがトップ通過で25点をゲットし、序盤でシャーロッテ・コール(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)がリタイアしたため、フォスは着用するマイヨヴェール(ポイント賞)をほぼ手中に収めた。
プロトンではSDワークス・プロタイムやキャニオン・スラム、フェニックス・ドゥクーニンクを中心にペースを上げ、逃げとのタイムギャップを縮めていく。レース後半では第5ステージで落車し、マイヨジョーヌを失ったデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)のためにロレーナ・ウィーベス(オランダ)が集団先頭で牽引するシーンも。しかし順調にローテーションを回す逃げのペースは落ちることなく、残り15km地点で3分22秒差をキープした。
最後から2つ目の2級山岳に入り、一人また一人と逃げから選手が遅れていく。そしてフィニッシュまで残り13kmでファンデフェルデが役割を終え、ヘキエーレが単独先頭に立った。
ヘキエーレは2級山岳を通過し、最後の2級山岳グラン・ボルナン(距離7km/平均5.1%)に突入する。プロトンではFDJスエズの作るハイペースに人数が絞られるなか、残り6.9kmでフォレリングがライバルたちの脚色を伺うようにアタック。しかしマイヨジョーヌのカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)らを引き離すことはできなかった。
残り3km地点を過ぎてヘキエーレとプロトンとの差は1分54秒。パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)やフォレリングが散発的にアタックしたため集団のペースは上がらず、マイヨアポワを纏ったヘキエーレが涙を流しながらフィニッシュした。
「嬉しすぎて言葉がない。夢の中にいるような気分。本当にクレイジーだよ。チームメイトはもちろん、一緒に逃げたジュリー(ファンデフェルデ)に感謝したい。彼女のおかげで最後の山岳に向けて脚を溜めることができた。この勝利は彼女のものでもある」と、フィニッシュ直後に倒れ込みながら喜んだヘキエーレは語った。
ヘキエーレはベルギー出身の28歳で、総合優勝を除けばこれがプロ初勝利。今シーズンはボルタ・ア・カタルーニャ・フェミナとジロ・デ・イタリア・ウィメンで山岳賞に輝いたピュアクライマーだ。
終盤にプロトンを飛び出したマエヴァ・スクィバン(フランス、アルケアB&Bホテルズ)が2位に入り、プロトンでは残り1kmでニエウィアドマがアタック。フォレリング以外を振り落とすことに成功し、フィニッシュ手前でフォレリングがスプリントで先着して3位に入った。
ボーナスタイム-4秒を獲得したフォレリングは、ニエウィアドマとのタイム差を4秒短縮することに成功(1分15差)。翌日の最終日は、超級山岳ラルプデュエズ(距離13.8km/平均8.1%)を駆け上がる山頂フィニッシュが待ち受ける。
ツール・ド・フランス・ファム2024第7ステージ
1位 | ジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル) | 4:26:58 |
2位 | マエヴァ・スクィバン(フランス、アルケアB&Bホテルズ) | +1:15 |
3位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +1:23 |
4位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
5位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ) | +1:27 |
6位 | タリタ・デヨンフ(オランダ、ロット・デスティニー) | +1:28 |
7位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
8位 | ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | |
9位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
10位 | ガイア・レアリーニ(イタリア、リドル・トレック) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | 20:00:52 |
2位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +0:27 |
3位 | セドリーヌ・ケルバオル(フランス、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | +0:37 |
4位 | ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +1:01 |
5位 | タリタ・デヨンフ(オランダ、ロット・デスティニー) | +1:09 |
6位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック) | +1:12 |
7位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +1:13 |
8位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +1:15 |
9位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ) | +1:25 |
10位 | ジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル) | +1:27 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | 170pts |
2位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | 86pts |
3位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 85pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | ジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル) | 41pts |
2位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | 25pts |
3位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | 14pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | 20:01:19 |
2位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック) | +0:45 |
3位 | マリオン・ビュネル(フランス、サンミッシェル・マヴィック・オーベル93) | +5:48 |
チーム総合成績
1位 | リドル・トレック | 60:06:38 |
2位 | AGインシュランス・スーダル | +6:28 |
3位 | FDJスエズ | +9:27 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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