2024/08/16(金) - 18:22
明日8月17日(土)、今年最後のグランツールであるブエルタ・ア・エスパーニャが開幕する。連覇の懸かるクスに挑むのは、元チームメイトのログリッチ。またAイェーツとアルメイダを擁するUAEなど、マイヨロホを巡る争いをプレビューします。
マイヨロホとはブエルタ・ア・エスパーニャ最高の栄誉を表す赤色ジャージ。2010年にA.S.O.がブエルタ主催者Unipublicに資本参入したことを受け、ツール・ド・フランス主催者の黄色いマイヨジョーヌとの混同を避けるため、金色のマイヨオロからスペインのナショナルカラーである赤色に変更された。
ツールのマイヨジョーヌ、ジロのマリアローザにあたる個人総合成績のリーダージャージであり、毎日のステージ成績を積算し、その最も少ない選手が翌日のステージでマイヨロホを着る。つまり最終日を終えた時点でマイヨロホを着ている選手が、ブエルタ総合優勝の栄冠に輝く。ちなみにジャージスポンサーは、今年も2013年より継続する世界大手のスーパーマーケットチェーン「カルフール」だ。
フィニッシュの他にレースに展開を与えるボーナスタイムは今年も健在。ブエルタでは個人TTを除く各ステージの上位3名(1位:10秒、2位:6秒、3位:4秒)と中間スプリント&山岳頂上の通過上位3名(1位:6秒、2位:4秒、3位:2秒)にボーナスタイムが与えられるため、山頂フィニッシュで活躍する選手が加速度的に総合リードを広げることになる。
熱きマイヨロホ争いが繰り広げられるであろうステージは、初日のチームタイムトライアル(12km)からスタート。第1週目は第4ステージに早くも1級山岳の山頂フィニッシュが登場し、第9ステージも厳しい山岳が設定。クイーンステージ(最難関ステージ)は超級山岳バルグランデ・パハーレス・スキー場を登る第15ステージ(第2週目の最終日)。そして第3週目は2連続山頂フィニッシュの後、第21ステージの個人TT(24.6km)で締めくくられる。
ログリッチにクス、Aイェーツなど群雄割拠なマイヨロホ争い
マイヨロホの候補筆頭に挙げられるのは前回総合優勝者のセップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)。しかしそれを遥かに上回る注目が、過去3連覇(2019〜21年)を達成したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)に注がれている。
ツール・ド・フランスで腰骨を骨折したログリッチはパリ五輪を回避し、治療とトレーニングに専念してブエルタの舞台に戻ってきた。後述するライバルたちにタイムトライアルの得意な選手がいないため、総距離36.6km(=12+24.6km)の個人TTはログリッチに有利。またチームにはダニエル・マルティネス(コロンビア)とアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)と強力なサブエースが揃っているため、回復具合に問題がなければ総合争いの中心となることは間違いない。
一方、新型コロナウイルスからの回復が間に合わずツールを回避したクスは、前哨戦のブエルタ・ア・ブルゴスで総合優勝するなど調子は上々。チームにはワウト・ファンアールト(ベルギー)やステフェン・クライスヴァイク(オランダ)などツールと遜色ない強力メンバーが揃い、21歳の若手クライマーであるキアン・アイデブルックス(ベルギー)も総合争い候補に挙がる。
山岳でのチーム力ではUAEチームエミレーツが頭一つ抜けている。ツールでタデイ・ポガチャル(スロベニア)の王座奪還に尽力したアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)とジョアン・アルメイダ(ポルトガル)をはじめ、パヴェル・シヴァコフ(ロシア)にイサーク・デルトロ(メキシコ)と強力。個人TTではブランドン・マクナルティ(アメリカ)がログリッチのライバルとなり得る。
地元スペインからはツールのリベンジ狙うカルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ)とエンリク・マス(モビスター)が出場し、ティラノサウルスがアイキャッチなスペシャルジャージを纏うミケル・ランダ(スーダル・クイックステップ)は単独エースとして臨む。
他にはベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)やマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)、テイオ・ゲイガンハート(イギリス、リドル・トレック)、リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)、また今季調子の上がらないダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)の復調にも期待したい。
マイヨロホとはブエルタ・ア・エスパーニャ最高の栄誉を表す赤色ジャージ。2010年にA.S.O.がブエルタ主催者Unipublicに資本参入したことを受け、ツール・ド・フランス主催者の黄色いマイヨジョーヌとの混同を避けるため、金色のマイヨオロからスペインのナショナルカラーである赤色に変更された。
ツールのマイヨジョーヌ、ジロのマリアローザにあたる個人総合成績のリーダージャージであり、毎日のステージ成績を積算し、その最も少ない選手が翌日のステージでマイヨロホを着る。つまり最終日を終えた時点でマイヨロホを着ている選手が、ブエルタ総合優勝の栄冠に輝く。ちなみにジャージスポンサーは、今年も2013年より継続する世界大手のスーパーマーケットチェーン「カルフール」だ。
フィニッシュの他にレースに展開を与えるボーナスタイムは今年も健在。ブエルタでは個人TTを除く各ステージの上位3名(1位:10秒、2位:6秒、3位:4秒)と中間スプリント&山岳頂上の通過上位3名(1位:6秒、2位:4秒、3位:2秒)にボーナスタイムが与えられるため、山頂フィニッシュで活躍する選手が加速度的に総合リードを広げることになる。
熱きマイヨロホ争いが繰り広げられるであろうステージは、初日のチームタイムトライアル(12km)からスタート。第1週目は第4ステージに早くも1級山岳の山頂フィニッシュが登場し、第9ステージも厳しい山岳が設定。クイーンステージ(最難関ステージ)は超級山岳バルグランデ・パハーレス・スキー場を登る第15ステージ(第2週目の最終日)。そして第3週目は2連続山頂フィニッシュの後、第21ステージの個人TT(24.6km)で締めくくられる。
ログリッチにクス、Aイェーツなど群雄割拠なマイヨロホ争い
マイヨロホの候補筆頭に挙げられるのは前回総合優勝者のセップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)。しかしそれを遥かに上回る注目が、過去3連覇(2019〜21年)を達成したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)に注がれている。
ツール・ド・フランスで腰骨を骨折したログリッチはパリ五輪を回避し、治療とトレーニングに専念してブエルタの舞台に戻ってきた。後述するライバルたちにタイムトライアルの得意な選手がいないため、総距離36.6km(=12+24.6km)の個人TTはログリッチに有利。またチームにはダニエル・マルティネス(コロンビア)とアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)と強力なサブエースが揃っているため、回復具合に問題がなければ総合争いの中心となることは間違いない。
一方、新型コロナウイルスからの回復が間に合わずツールを回避したクスは、前哨戦のブエルタ・ア・ブルゴスで総合優勝するなど調子は上々。チームにはワウト・ファンアールト(ベルギー)やステフェン・クライスヴァイク(オランダ)などツールと遜色ない強力メンバーが揃い、21歳の若手クライマーであるキアン・アイデブルックス(ベルギー)も総合争い候補に挙がる。
山岳でのチーム力ではUAEチームエミレーツが頭一つ抜けている。ツールでタデイ・ポガチャル(スロベニア)の王座奪還に尽力したアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)とジョアン・アルメイダ(ポルトガル)をはじめ、パヴェル・シヴァコフ(ロシア)にイサーク・デルトロ(メキシコ)と強力。個人TTではブランドン・マクナルティ(アメリカ)がログリッチのライバルとなり得る。
地元スペインからはツールのリベンジ狙うカルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ)とエンリク・マス(モビスター)が出場し、ティラノサウルスがアイキャッチなスペシャルジャージを纏うミケル・ランダ(スーダル・クイックステップ)は単独エースとして臨む。
他にはベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)やマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)、テイオ・ゲイガンハート(イギリス、リドル・トレック)、リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)、また今季調子の上がらないダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)の復調にも期待したい。
ブエルタ・ア・エスパーニャ歴代総合優勝者
2023年 | セップ・クス(アメリカ) |
2022年 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー) |
2021年 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア) |
2020年 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア) |
2019年 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア) |
2018年 | サイモン・イェーツ(イギリス) |
2017年 | クリストファー・フルーム(イギリス) |
2016年 | ナイロ・キンタナ(コロンビア) |
2015年 | ファビオ・アル(イタリア) |
2014年 | アルベルト・コンタドール(スペイン) |
2013年 | クリストファー・ホーナー(アメリカ) |
2012年 | アルベルト・コンタドール(スペイン) |
2011年 | クリストファー・フルーム(イギリス) |
2010年 | ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア) |
2009年 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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