2024/08/16(金) - 08:40
終盤の落車でフォレリングが総合首位から陥落したツール・ド・フランス・ファム第5ステージ。カタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム)が小集団スプリントを制し、惜しくも敗れたニエウィアドマがマイヨジョーヌに袖を通した。
8月15日(木)第5ステージ
バストーニュ〜アンネヴィル 152.5km(平坦)
全8ステージで行われるツール・ド・フランス・ファム・アヴェク・ズイフト(UCIワールドツアー)も後半戦に突入した。第5ステージの舞台はベルギー・バストーニュを出発し、フランスのアンネヴィルに至る152.5km。分類は平坦ステージだが低難易度のカテゴリー山岳など無数のアップダウンが設定されているため、ピュアスプリンターには厳しいレイアウトだ。
雨に見舞われた前日から一転、晴天に恵まれたレースは137名がスタートを切る。序盤は集団が逃げを許さず、約25km進んだ地点でルース・アドヘースツ(オランダ、FDJスエズ)がようやく飛び出す。しかしスピードスケートから自転車選手に転向したアドヘースツはすぐに捉えられると、残り81km地点で再び仕掛け単独逃げに成功した。
第3ステージの個人タイムトライアルで長時間ホットシートに座り、区間3位に
入ったアドヘースツには遅れてジュリー・ファンデフェルデ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)とフェム・ファンエンペル(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が合流。その後もマーイケ・コルエ(オランダ、アルケアB&Bホテルズ)など散発的にプロトンを飛び出す選手が現れたものの、いずれも先頭に追いつくことはできず、残り40km地点を過ぎても逃げは2分46秒のリードを保った。
初日から2連勝したシャーロッテ・コール(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が遅れたプロトンは、SDワークス・プロタイムが先頭に人数を固める。その後モビスターやリドル・トレックがペースを作り、この日最後のカテゴリー山岳である4級(残り15km地点)で逃げとの差は20秒。ヨーロッパ王者のミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ)などSDワークスが再び先頭で牽引を始め、スプリントに向け徐々にスピードを増していくなかプロトンで集団落車が発生した。
ラウンドアバウトを抜けた残り6.3km地点で行った大規模落車には、マイヨジョーヌを着るデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)が巻き込まれる。すぐさま立ち上がったフォレリングは腰に手を当て、ゆっくりとバイクに跨り走り出す。一方、ファイファー・ジョルジ(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)とマグドレーヌ・ヴァリエール(カナダ、EFオータリー・キャノンデール)は身体を打ちつけレースを去った。
プロトンが混沌と化すなか、レース先頭ではアドヘースツが最後まで粘る。しかし落車によって形成されたカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)ら7名の集団が残り3kmでアドヘースツをキャッチ。その1分35秒後方でタイムロスを最小限にしようと試みるフォレリングには、ブレーデウォルツがジョインして力を貸した。
フラムルージュ(残り1km)の手前に登場した短い登りでニエウィアドマが仕掛ける。これにより先頭はニエウィアドマとクリステン・フォークナー(アメリカ、EFオータリー・キャノンデール)、リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)、カタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム)の4名に絞られ、勝負はスプリントに持ち込まれた。
リッパートが先にスプリントを開始し、フォークナーが遅れるなかニエウィアドマとヴァシュが追従する。最後まで踏み込めなかったリッパートが遅れるなか、ニエウィアドマとヴァシュが横並びでスプリント。そして第5ステージの勝者はハンガリー王者ジャージを着るヴァシュが輝いた。
「本当に信じられない。今日はレースを通して調子が悪く、自分が勝つことなど考えていなかった。そんな中ロレーナ(ウィーベス)が”自分を信じれば大丈夫”と励ましてくれ、それが力になった。無線が故障していたのでフォレリングが遅れたことは知らず、マイヨジョーヌを失ったので複雑な気持ちだ」とヴァシュは心の内を語った。
ロードと平行してシクロクロスやマウンテンバイクも走るヴァシュは22歳のクライマー。今年6月のハンガリー選手権で5連覇を達成後、臨んだパリ五輪ロードレースではメダル争いに敗れ、4位という悔しさをツール・ファムで晴らした。
1分47秒遅れでフィニッシュしたフォレリングは総合9位(1分19秒遅れ)に後退し、手放したマイヨジョーヌは前日に3位、この日は2位と勝利に迫ったニエウィアドマが着用した。翌日の丘陵ステージを挟み、第7、8ステージの山岳&山頂フィニッシュ。そこでフォレリングがどう巻き返すかが注目される。
8月15日(木)第5ステージ
バストーニュ〜アンネヴィル 152.5km(平坦)
全8ステージで行われるツール・ド・フランス・ファム・アヴェク・ズイフト(UCIワールドツアー)も後半戦に突入した。第5ステージの舞台はベルギー・バストーニュを出発し、フランスのアンネヴィルに至る152.5km。分類は平坦ステージだが低難易度のカテゴリー山岳など無数のアップダウンが設定されているため、ピュアスプリンターには厳しいレイアウトだ。
雨に見舞われた前日から一転、晴天に恵まれたレースは137名がスタートを切る。序盤は集団が逃げを許さず、約25km進んだ地点でルース・アドヘースツ(オランダ、FDJスエズ)がようやく飛び出す。しかしスピードスケートから自転車選手に転向したアドヘースツはすぐに捉えられると、残り81km地点で再び仕掛け単独逃げに成功した。
第3ステージの個人タイムトライアルで長時間ホットシートに座り、区間3位に
入ったアドヘースツには遅れてジュリー・ファンデフェルデ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)とフェム・ファンエンペル(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が合流。その後もマーイケ・コルエ(オランダ、アルケアB&Bホテルズ)など散発的にプロトンを飛び出す選手が現れたものの、いずれも先頭に追いつくことはできず、残り40km地点を過ぎても逃げは2分46秒のリードを保った。
初日から2連勝したシャーロッテ・コール(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が遅れたプロトンは、SDワークス・プロタイムが先頭に人数を固める。その後モビスターやリドル・トレックがペースを作り、この日最後のカテゴリー山岳である4級(残り15km地点)で逃げとの差は20秒。ヨーロッパ王者のミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ)などSDワークスが再び先頭で牽引を始め、スプリントに向け徐々にスピードを増していくなかプロトンで集団落車が発生した。
ラウンドアバウトを抜けた残り6.3km地点で行った大規模落車には、マイヨジョーヌを着るデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)が巻き込まれる。すぐさま立ち上がったフォレリングは腰に手を当て、ゆっくりとバイクに跨り走り出す。一方、ファイファー・ジョルジ(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)とマグドレーヌ・ヴァリエール(カナダ、EFオータリー・キャノンデール)は身体を打ちつけレースを去った。
プロトンが混沌と化すなか、レース先頭ではアドヘースツが最後まで粘る。しかし落車によって形成されたカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)ら7名の集団が残り3kmでアドヘースツをキャッチ。その1分35秒後方でタイムロスを最小限にしようと試みるフォレリングには、ブレーデウォルツがジョインして力を貸した。
フラムルージュ(残り1km)の手前に登場した短い登りでニエウィアドマが仕掛ける。これにより先頭はニエウィアドマとクリステン・フォークナー(アメリカ、EFオータリー・キャノンデール)、リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)、カタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム)の4名に絞られ、勝負はスプリントに持ち込まれた。
リッパートが先にスプリントを開始し、フォークナーが遅れるなかニエウィアドマとヴァシュが追従する。最後まで踏み込めなかったリッパートが遅れるなか、ニエウィアドマとヴァシュが横並びでスプリント。そして第5ステージの勝者はハンガリー王者ジャージを着るヴァシュが輝いた。
「本当に信じられない。今日はレースを通して調子が悪く、自分が勝つことなど考えていなかった。そんな中ロレーナ(ウィーベス)が”自分を信じれば大丈夫”と励ましてくれ、それが力になった。無線が故障していたのでフォレリングが遅れたことは知らず、マイヨジョーヌを失ったので複雑な気持ちだ」とヴァシュは心の内を語った。
ロードと平行してシクロクロスやマウンテンバイクも走るヴァシュは22歳のクライマー。今年6月のハンガリー選手権で5連覇を達成後、臨んだパリ五輪ロードレースではメダル争いに敗れ、4位という悔しさをツール・ファムで晴らした。
1分47秒遅れでフィニッシュしたフォレリングは総合9位(1分19秒遅れ)に後退し、手放したマイヨジョーヌは前日に3位、この日は2位と勝利に迫ったニエウィアドマが着用した。翌日の丘陵ステージを挟み、第7、8ステージの山岳&山頂フィニッシュ。そこでフォレリングがどう巻き返すかが注目される。
ツール・ド・フランス・ファム2024第5ステージ
1位 | カタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム) | 3:46:51 |
2位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
3位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) | |
4位 | クリステン・フォークナー(アメリカ、EFオータリー・キャノンデール) | |
5位 | エマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター) | +0:08 |
6位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、リドル・トレック) | +0:11 |
7位 | セドリーヌ・ケルバオル(フランス、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | |
8位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:28 |
9位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
10位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ) | |
50位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +1:47 |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | 11:27:29 |
2位 | クリステン・フォークナー(アメリカ、EFオータリー・キャノンデール) | +0:19 |
3位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +0:22 |
4位 | セドリーヌ・ケルバオル(フランス、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | +0:47 |
5位 | ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +0:56 |
6位 | タリタ・デヨンフ(オランダ、ロット・デスティニー) | +1:04 |
7位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック) | +1:07 |
8位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +1:08 |
9位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +1:19 |
10位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) | +1:20 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | シャーロッテ・コール(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | 120pts |
2位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | 95pts |
3位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 79pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | 12pts |
2位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ) | 11pts |
3位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | 8pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | 11:27:51 |
2位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック) | +0:45 |
3位 | マリオン・ビュネル(フランス、サンミッシェル・マヴィック・オーベル93) | +3:39 |
チーム総合成績
1位 | リドル・トレック | 34:26:01 |
2位 | モビスター | +1:50 |
3位 | AGインシュランス・スーダル | +2:28 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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