2024/08/11(日) - 08:54
パリ五輪のロードレース種目が終わり、ブエルタ・ア・エスパーニャ開幕を控えるスペインでドノスティア・サンセバスチャン・クラシコアが開催。一騎打ちスプリントでマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)がアラフィリップを退け、初優勝を飾った。
パリ2024オリンピックのロードレースが終了後、最初のワールドツアーとなったドノスティア・サンセバスチャン・クラシコア。毎年ブエルタ・ア・エスパーニャの開幕直前に行われるスペイン・バスク地方最大のワンデーレースであり、7つのカテゴリー山岳が設定された獲得標高差4,000mのクライマーズレースだ。
昨年より6km距離が伸びたコースは、その名の通りビスケー湾に面した港湾都市サンセバスティアン(バスク語ではドノスティア)をスタート/フィニッシュする236km。多少のコース変更はあるものの、終盤に登場する2級山岳ハイスキベル(距離7.9km/平均 5.6%)と1級山岳エルラティス(距離3.8km/平均10.6%)は変わらず。そして今年は最後に最大勾配27%の2級ピロテギ(距離2km/平均11.7%)を駆け上がり、下りと平坦路を経てフィニッシュする。
昨年大会連覇を達成し、パリ五輪でタイムトライアル&ロードを制したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は不在。しかし過去の優勝者であるニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)とジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)が揃い、ツール・ド・フランスで総合2位に入ったヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)が3年振りに出場。また五輪を終えた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)は3年連続でスタートラインに並んだ。
アクチュアルスタートの直後からアルペシン・ドゥクーニンクが積極的に逃げを狙い、ワレン・バルギル(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)やサイモン・カー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)を含む10名が逃げを打つ。それを見送ったメイン集団はブエルタ連覇を狙うセップ・クス(アメリカ)を擁するヴィスマ・リースアバイクを中心にコントロール。ハイペースが維持されたため、逃げ集団は3分前後のリードしか得ることができなかった。
残り68.4kmから始まる2級山岳ハイスキベル(距離7.9km/平均 5.6%)に入ると、逃げ集団からカーが飛び出し単独先頭に立つ。コフィディスと2025年から3年契約を結んだカーはハイスキベルをクリアし、50秒差で1級山岳エルラティス(距離3.8km/平均10.6%)に突入。しかし頂上まで2.2km地点(残り43km)で集団に捉まり、その直前にセルヒオ・イギータ(コロンビア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)とアラフィリップが飛び出した。
しかし2名は脚を緩め、入れ替わるようにパヴェル・シヴァコフ(ロシア、UAEチームエミレーツ)が先頭へ。追うプロトンの人数は18名に絞られ、その中にはアラフィリップはもちろんパウレスや激坂が得意なマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)の姿も。追走集団の先頭では、マキシム・ファンヒルス(ベルギー)がエースのロット・デスティニーがペースを作った。
UAEに移籍初年でこの後ブエルタに臨むシヴァコフは、残り9.6kmから始まる2級ピロテギ(距離2km/平均11.7%)に突入する。しかし直後にアラフィリップが先頭で踏み込むプロトンが追いつき、最大勾配27%区間の手前でアラフィリップはマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)以外を一時的に引き離す。
勾配が緩む区間でヒルシが先頭交代し、パトリック・コンラッド(オーストリア、リドル・トレック)など後続が追いつく。その後ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)からアラフィリップと先頭が目まぐるしく入れ替わるなか、レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・デスティニー)がトップで勾配27%の激坂区間に突入。頂上手前でアラフィリップが仕掛け、それには唯一ヒルシが食らいついた。
頂上を越えた2名は下りと平坦路でローテーションを回し、ファンイートヴェルトが7秒差で追いかける。ビスケー湾を臨むサンセバスティアンの市街地に戻ってきたアラフィリップとヒルシはフラムルージュ(残り1km)を通過し、勝負は2名のスプリントに絞られた。
最終ストレートでは先頭のアラフィリップがフェンスで右側を閉めながら、何度も首を振りヒルシの踏み込むタイミングを伺う。残り150m地点から早めにヒルシがスプリントを開始し、両者がコースの両端でもがく。互いのトップスピードを競うピュアスプリントの結果、ヒルシが初優勝を手に入れた。
「この勝利が本当に嬉しい。ヴィスマのアタックに備えており、シヴァコフが仕掛けたのでライバルの動きを見張っていた。僕自身の調子は良く、母国スイスで開催されるロード世界選手権までこの調子を維持したい」と今年春の主要クラシックでは2度表彰台に上がりながらも、勝利を逃していたヒルシは喜んだ。
今季限りでスーダル・クイックステップを離れることが明らかとなったアラフィリップが2位、3位には今年2月のUAEツアー(UCIワールドツアー)で総合優勝した23歳のファンイートヴェルトが入り、表彰台に上がっている。
また新城やヴィンゲゴーはDNFだった。
パリ2024オリンピックのロードレースが終了後、最初のワールドツアーとなったドノスティア・サンセバスチャン・クラシコア。毎年ブエルタ・ア・エスパーニャの開幕直前に行われるスペイン・バスク地方最大のワンデーレースであり、7つのカテゴリー山岳が設定された獲得標高差4,000mのクライマーズレースだ。
昨年より6km距離が伸びたコースは、その名の通りビスケー湾に面した港湾都市サンセバスティアン(バスク語ではドノスティア)をスタート/フィニッシュする236km。多少のコース変更はあるものの、終盤に登場する2級山岳ハイスキベル(距離7.9km/平均 5.6%)と1級山岳エルラティス(距離3.8km/平均10.6%)は変わらず。そして今年は最後に最大勾配27%の2級ピロテギ(距離2km/平均11.7%)を駆け上がり、下りと平坦路を経てフィニッシュする。
昨年大会連覇を達成し、パリ五輪でタイムトライアル&ロードを制したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は不在。しかし過去の優勝者であるニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)とジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)が揃い、ツール・ド・フランスで総合2位に入ったヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)が3年振りに出場。また五輪を終えた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)は3年連続でスタートラインに並んだ。
アクチュアルスタートの直後からアルペシン・ドゥクーニンクが積極的に逃げを狙い、ワレン・バルギル(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)やサイモン・カー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)を含む10名が逃げを打つ。それを見送ったメイン集団はブエルタ連覇を狙うセップ・クス(アメリカ)を擁するヴィスマ・リースアバイクを中心にコントロール。ハイペースが維持されたため、逃げ集団は3分前後のリードしか得ることができなかった。
残り68.4kmから始まる2級山岳ハイスキベル(距離7.9km/平均 5.6%)に入ると、逃げ集団からカーが飛び出し単独先頭に立つ。コフィディスと2025年から3年契約を結んだカーはハイスキベルをクリアし、50秒差で1級山岳エルラティス(距離3.8km/平均10.6%)に突入。しかし頂上まで2.2km地点(残り43km)で集団に捉まり、その直前にセルヒオ・イギータ(コロンビア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)とアラフィリップが飛び出した。
しかし2名は脚を緩め、入れ替わるようにパヴェル・シヴァコフ(ロシア、UAEチームエミレーツ)が先頭へ。追うプロトンの人数は18名に絞られ、その中にはアラフィリップはもちろんパウレスや激坂が得意なマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)の姿も。追走集団の先頭では、マキシム・ファンヒルス(ベルギー)がエースのロット・デスティニーがペースを作った。
UAEに移籍初年でこの後ブエルタに臨むシヴァコフは、残り9.6kmから始まる2級ピロテギ(距離2km/平均11.7%)に突入する。しかし直後にアラフィリップが先頭で踏み込むプロトンが追いつき、最大勾配27%区間の手前でアラフィリップはマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)以外を一時的に引き離す。
勾配が緩む区間でヒルシが先頭交代し、パトリック・コンラッド(オーストリア、リドル・トレック)など後続が追いつく。その後ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)からアラフィリップと先頭が目まぐるしく入れ替わるなか、レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・デスティニー)がトップで勾配27%の激坂区間に突入。頂上手前でアラフィリップが仕掛け、それには唯一ヒルシが食らいついた。
頂上を越えた2名は下りと平坦路でローテーションを回し、ファンイートヴェルトが7秒差で追いかける。ビスケー湾を臨むサンセバスティアンの市街地に戻ってきたアラフィリップとヒルシはフラムルージュ(残り1km)を通過し、勝負は2名のスプリントに絞られた。
最終ストレートでは先頭のアラフィリップがフェンスで右側を閉めながら、何度も首を振りヒルシの踏み込むタイミングを伺う。残り150m地点から早めにヒルシがスプリントを開始し、両者がコースの両端でもがく。互いのトップスピードを競うピュアスプリントの結果、ヒルシが初優勝を手に入れた。
「この勝利が本当に嬉しい。ヴィスマのアタックに備えており、シヴァコフが仕掛けたのでライバルの動きを見張っていた。僕自身の調子は良く、母国スイスで開催されるロード世界選手権までこの調子を維持したい」と今年春の主要クラシックでは2度表彰台に上がりながらも、勝利を逃していたヒルシは喜んだ。
今季限りでスーダル・クイックステップを離れることが明らかとなったアラフィリップが2位、3位には今年2月のUAEツアー(UCIワールドツアー)で総合優勝した23歳のファンイートヴェルトが入り、表彰台に上がっている。
また新城やヴィンゲゴーはDNFだった。
ドノスティア・サンセバスチャン・クラシコア2024結果
1位 | マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) | 5:46:12 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) | |
3位 | レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・デスティニー) | +0:07 |
4位 | ケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +0:17 |
5位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | +0:25 |
6位 | ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
7位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、リドル・トレック) | |
8位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | |
9位 | ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツ) | +0:36 |
10位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | +0:37 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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