UCI(国際自転車競技連盟)が移籍情報の解禁日と定める8月1日、ギヨーム・マルタンのグルパマFDJ加入など移籍情報が続々と発表されている。ベン・オコーナーはジェイコ・アルウラー、ジョナタン・ナルバエスはUAEチームエミレーツに移籍する。



グルパマFDJへの移籍が発表されたギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) photo:Yuichiro Hosoda

フランス籍のワールドチームであるグルパマFDJが、31歳のギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)と結んだ契約は2026年までの2年間。5年間過ごしたコフィディスを離れることとなったマルタンは、2014年の半年間(当時FDJ.FR)トレーニー(研修生)として所属していた古巣へ復帰する。

ツール・ド・フランスで総合15位以内に5度入ったフランス屈指のクライマーであるマルタン。「新たな挑戦が待ち遠しい」と自身のSNSに投稿しており、この後は総合エースとしてブエルタ・ア・エスパーニャに出場予定だ。

同じコフィディスからはアクセル・ジングレ(フランス)のヴィスマ・リースアバイク加入も発表されている。ジングレは昨年のジャパンカップで7位に入るなどワンデーレースで何度も表彰台に上がっている25歳。今年は2年連続でツール完走を果たすなど、高いポテンシャルが評価されヴィスマとの3年契約(2027年まで)を掴んだ。

一方、主力が去ることになったコフィディスはディラン・トゥーンス(ベルギー、イスラエル・プレミアテック)を2年契約(2026年まで)で獲得。ツールで区間2勝を挙げた32歳が、新天地で2021年以降掴めていない勝利を目指す。

オコーナーが母国チームのジェイコ・アルウラーに移籍

ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) photo:CorVos

今年のジロで活躍したジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

ジェイコ・アルウラーには総合エースとしてベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)が加入する。ジェイコは長きに渡りチームの中心を担ったサイモン・イェーツ(イギリス)のヴィスマ移籍が噂されるなか、母国オーストラリア出身のクライマーを獲得。2021年のツールは区間1勝と総合4位に入り、今年はジロ・デ・イタリアで総合4位と実力者が新エースを担う。

また今年ジロとツールで総合優勝を飾るなど大成功のシーズンとなっているUAEチームエミレーツは、新たな戦力としてジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)を加える。登坂力とスプリントを兼ね備えたナルバエスは、今年のジロ第1ステージを制した27歳。2月のエクアドル選手権を制し、東京五輪金メダリストのリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)に代わりエクアドル代表としてパリ五輪に出場する実力者だ。
2025年シーズン移籍情報一覧
選手名 現所属チーム 2025年所属チーム
ギヨーム・マルタン(フランス) コフィディス グルパマFDJ
アクセル・ジングレ(フランス) コフィディス ヴィスマ・リースアバイク
ディラン・トゥーンス(ベルギー) イスラエル・プレミアテック コフィディス
ベン・オコーナー(オーストラリア) デカトロンAG2Rラモンディアル ジェイコ・アルウラー
ジョナタン・ナルバエス(エクアドル) イネオス・グレナディアーズ UAEチームエミレーツ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos