ポガチャル「この世の出来事とは思えない」ヴィンゲゴー「キャリア最高の結果」

「1勝でも満足なのに5勝は信じられない結果」とタデイ・ポガチャル（スロベニア、UAEチームエミレーツ）は言う。「大怪我から復帰し総合2位はキャリア最高の成績」と語るヴィンゲゴーなど、ツール第20ステージを終えた選手たちの言葉を紹介します。

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ステージ優勝＆マイヨジョーヌ　タデイ・ポガチャル（スロベニア、UAEチームエミレーツ）

今日はレースを楽しむことができた。ステージ優勝をもう一つ手に入れることができ、これ以上嬉しいことはない。残すところは明日のタイムトライアルだけ。明日もまた今日のように楽しんで走りたい。

でも今日、僕らのプラン通りにレースが進んだわけではないんだ。僕の好きな練習コースである（1つ目の）ブロスからレースは動き、チームメイトが素晴らしい動きで展開を制圧してくれた。その後はソレルが逃げに乗り、おかげで僕たちは最終山岳までリラックスして走ることができた。そして最終山岳でスーダルがヨナス（ヴィンゲゴー）に対し総合タイムを奪いにいったんだ。また彼らはステージ優勝も狙っていた。

この結果を開幕前に伝えられていたら僕は信じなかっただろう。この世の出来事とは思えないほど素晴らしい結果。本当に嬉しいし、この喜びをチームメイトと分かち合いたい。昨日は調子が良くなかったヨナスも、今日は簡単に引き離せない選手であることを見せた。彼は真のファイターで、全力を尽くしていた。本当に強かったよ。

区間1勝で十分なのに5勝だよ。マイヨジョーヌだけでも満足なのに。明日6勝目ができるかどうかは分からない。脚の調子は良いものの、危険なコースでもある。でも今日よりは観客の声援を楽しみながら走れるだろう。

ステージ2位＆総合2位　ヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク）

皆それぞれの戦術があるので、僕は（前を牽かなかったポガチャルを）批判する立場にいなない。僕が彼の立場ならばきっと同じことをしただろう。昨日の状態から回復し、今日見せた自分の走りに満足している。昨日は身体の中が空っぽで、そこから戻ってこれたことが嬉しい。

明日のタイムトライアルが残っているが、もし総合2位で終えることができたらキャリア最高の結果だといえるだろう。3ヶ月前に落車で怪我を負い、右半身の上部のあらゆる骨を折った。また両方の肺が潰れた状態からここまでたどり着いたんだ。この道のりを歩んだ自分と支えてくれた家族を誇りに思うよ。

タデイが僕にステージ優勝を譲ってくれるとも思ったが、同時にもしスプリントされたらノーチャンスだとも思っていた。そこまでに脚を使っていたからね。これが自転車レースだし、彼を責めようとは全く思わない。僕も立場が違えば同じことをするだろうからね。

ステージ3位＆マイヨアポワ　リチャル・カラパス（エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト）

感情を抑えられないほど興奮している。今日は本当に厳しいレースだった。幸運にも良い位置でポイントを加算することができた。このツールは少しずつ成長していった大会。最高の脚と共に素晴らしい結末を迎えることができた。ポジティブな結果だよ。この素晴らしいジャージを家に持って帰れるのだからね。

ステージ4位＆総合3位＆マイヨブラン　レムコ・エヴェネプール（ベルギー、スーダル・クイックステップ）

この結果には満足しているよ。ヨナスにプレッシャーを与え、トライしたので後悔はない。チームは素晴らしい走りを見せてくれ、彼らに感謝したい。今日はベストを尽くし、明日の最終日も同じく全力を出す。パリ〜ニースと試走でコースは知っているので、持てる力全てでステージ優勝を狙う準備はできている。

最終山岳で高速牽引を見せたミケル・ランダ（スペイン、スーダル・クイックステップ）

ヴィンゲゴーからタイムを奪うため僕らのモチベーションは高かった。目標は達成できなかったが明日は個人タイムトライアルもあるので、概ね満足の結果だよ。明日総合逆転が叶わなくても、レムコにとって未来への自信となるだろう。彼はこのツールで成長したので、来年以降のツールが楽しみだよ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos