2024/07/13(土) - 08:21
横風による集団分断が不発に終わったツール・ド・フランス第13ステージ。ログリッチに続きアユソもリタイアしたレースは、集団スプリントでヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が今大会2勝目を手に入れた。
7月12日(金)第13ステージ
アジャン〜ポー 165.3km(平坦)
この日を含め第111回ツール・ド・フランスの平坦ステージはあと2つ。アジャンから75回目の登場となるポーに至る165.3kmは、序盤から続く細かなアップダウンが逃げを誘発する。中間スプリントは残り76.8kmに設定され、残り50kmからは2つの4級山岳を含む丘が連続。ピュアスプリンターを退ける難易度ではないものの、集団のペース次第では脚が徐々に削られていくサバイバルなステージだ。
既報の通り前日のステージ終盤で落車し、肩を負傷したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)は未出走。更にプロトン内で蔓延している新型コロナウイルスではないものの、ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)が体調不良によりリタイア。また総合8位フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)はスタートを切ったものの、コロナ感染(ウイルスが微量だったため出走が認められた)によりレース途中でバイクを降りている。
数少ない逃げ切りの可能性のあるステージのため、序盤から激しいアタック合戦が繰り広げられる。世界王者のマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)やミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)が飛び出し、早々と20名の逃げグループが形成される。しかしその中に総合7位(6分59秒遅れ)のアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)が入ったため、逃げ切りを警戒したヴィスマ・リースアバイクやスーダル・クイックステップ、イネオス・グレナディアーズなど総合チームがハイペースで追いかけた。
すると西に進路を取る選手たちに北風が襲う。それを好機と思ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が牽引の速度を上げ、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)を含むヴィスマの5名がエシュロン(横風分断)を決行。10名となった第2集団にタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)はジョアン・アルメイダ(ポルトガル)と共に入り、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は単騎での戦いを強いられた。
一方で総合5位(4分40秒遅れ)のカルロス・ロドリゲス(スペイン)は入れなかったため、イネオスは懸命に追走。そして10kmに及ぶチェイスが実り、プロトンは再び一つとなった。
その後も横風を警戒したメイン集団は時速48kmのハイペースを刻み、逃げとの差を1分以下でキープ。膠着状態を嫌ったマグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)が逃げ集団を飛び出し(残り96km)、それにクフィアトコフスキとロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)、ジュリアン・ベルナール(フランス、リドル・トレック)らが追従した。
中間スプリント(残り76.8km)は争うことなくグレゴワールが先頭通過し、ファンデルプールのいる第2集団はプロトンに吸収される。残り60kmを迎える頃に横風が再び選手たちを襲い、ヴィスマやUAEチームエミレーツが一気にペースを上げプロトンは3つに分裂。しかしこのエシュロンも不発に終わり、更に残り49km地点でコルトたちを吸収してレースは振り出しに戻った。
この時点でマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)は大きく遅れ、2つ設定された4級山岳の1つ目(残り38.3km)でリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)とトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)がアタックする。先頭の2人はリードを拡げられないながらも粘り、ヨハンネセンが2つの4級山岳をトップで通過。しかし21km地点でプロトンに捉まり、その後ヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、リドル・トレック)ら3名が仕掛ける。
だがこの動きは成功することなく残り10kmで吸収。勝負は大方の予想通り集団スプリントに持ち込まれた。
平坦ステージのため救済措置が3kmから延長された残り5km地点を集団は通過し、残り3km地点でスタート直後から逃げていたヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)がアタック。しかしアルノー・ドゥリー(ベルギー)を擁するロット・デスティニーが引き戻し、ここまでスプリントで3勝するアンテルマルシェ・ワンティが先頭にトレインを組んでフラムルージュ(残り1km)を通過した。
残り700mで仕事を終え、コース左側に避けたアモリ・カピオット(ベルギー、アルケアB&Bホテルズ)にドゥリーを集団前方に引き上げるマキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー)が接触。これによりカピオットが落車し、ファンヒルスの背後についていたドゥリーが足止めされる。一方、レース前方ではクリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)がファンアールトを引き連れ先頭に立った。
フィニッシュ手前250mでラポルトが横に逸れ、自力で前方に位置を取っていたヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が先んじてスプリントを開始する。一拍遅れたファンアールトはフィリプセンの背後につき、フィニッシュラインの直前で横に並ぶ。しかしファンアールトとパスカル・アッカーマン(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)を上回る、圧巻のトップスピードを維持したフィリプセンが先着。ガッツポーズを作り今大会2勝目を喜んだ。
ファンデルプールらのリードアウトがなくとも自ら位置を取り、勝利を掴んだフィリプセン。「スタートからフルガス(全力)でレースは展開し、横風分断が起こるなかでも良い感覚を持っていた。早めにスプリントを始め、勝つことができて嬉しいよ。今日は今大会で最も調子がよく、ツールで区間2勝は悪い結果じゃない。とにかく今日はこの勝利を喜びたい」と、ツール通算8勝目を飾ったフィリプセンは語った。
2日連続で2位と勝利を逃したファンアールトは「クラシックレースのような展開を楽しみながら走った」とコメント。3位には前日に続きアッカーマンが入っている。
そして翌日から始まる今大会2度目の週末に、ピレネー山脈を舞台とした過酷な山岳2連戦が行われる。
7月12日(金)第13ステージ
アジャン〜ポー 165.3km(平坦)
この日を含め第111回ツール・ド・フランスの平坦ステージはあと2つ。アジャンから75回目の登場となるポーに至る165.3kmは、序盤から続く細かなアップダウンが逃げを誘発する。中間スプリントは残り76.8kmに設定され、残り50kmからは2つの4級山岳を含む丘が連続。ピュアスプリンターを退ける難易度ではないものの、集団のペース次第では脚が徐々に削られていくサバイバルなステージだ。
既報の通り前日のステージ終盤で落車し、肩を負傷したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)は未出走。更にプロトン内で蔓延している新型コロナウイルスではないものの、ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)が体調不良によりリタイア。また総合8位フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)はスタートを切ったものの、コロナ感染(ウイルスが微量だったため出走が認められた)によりレース途中でバイクを降りている。
数少ない逃げ切りの可能性のあるステージのため、序盤から激しいアタック合戦が繰り広げられる。世界王者のマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)やミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)が飛び出し、早々と20名の逃げグループが形成される。しかしその中に総合7位(6分59秒遅れ)のアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)が入ったため、逃げ切りを警戒したヴィスマ・リースアバイクやスーダル・クイックステップ、イネオス・グレナディアーズなど総合チームがハイペースで追いかけた。
すると西に進路を取る選手たちに北風が襲う。それを好機と思ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が牽引の速度を上げ、ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)を含むヴィスマの5名がエシュロン(横風分断)を決行。10名となった第2集団にタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)はジョアン・アルメイダ(ポルトガル)と共に入り、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は単騎での戦いを強いられた。
一方で総合5位(4分40秒遅れ)のカルロス・ロドリゲス(スペイン)は入れなかったため、イネオスは懸命に追走。そして10kmに及ぶチェイスが実り、プロトンは再び一つとなった。
その後も横風を警戒したメイン集団は時速48kmのハイペースを刻み、逃げとの差を1分以下でキープ。膠着状態を嫌ったマグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)が逃げ集団を飛び出し(残り96km)、それにクフィアトコフスキとロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)、ジュリアン・ベルナール(フランス、リドル・トレック)らが追従した。
中間スプリント(残り76.8km)は争うことなくグレゴワールが先頭通過し、ファンデルプールのいる第2集団はプロトンに吸収される。残り60kmを迎える頃に横風が再び選手たちを襲い、ヴィスマやUAEチームエミレーツが一気にペースを上げプロトンは3つに分裂。しかしこのエシュロンも不発に終わり、更に残り49km地点でコルトたちを吸収してレースは振り出しに戻った。
この時点でマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)は大きく遅れ、2つ設定された4級山岳の1つ目(残り38.3km)でリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)とトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)がアタックする。先頭の2人はリードを拡げられないながらも粘り、ヨハンネセンが2つの4級山岳をトップで通過。しかし21km地点でプロトンに捉まり、その後ヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、リドル・トレック)ら3名が仕掛ける。
だがこの動きは成功することなく残り10kmで吸収。勝負は大方の予想通り集団スプリントに持ち込まれた。
平坦ステージのため救済措置が3kmから延長された残り5km地点を集団は通過し、残り3km地点でスタート直後から逃げていたヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)がアタック。しかしアルノー・ドゥリー(ベルギー)を擁するロット・デスティニーが引き戻し、ここまでスプリントで3勝するアンテルマルシェ・ワンティが先頭にトレインを組んでフラムルージュ(残り1km)を通過した。
残り700mで仕事を終え、コース左側に避けたアモリ・カピオット(ベルギー、アルケアB&Bホテルズ)にドゥリーを集団前方に引き上げるマキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー)が接触。これによりカピオットが落車し、ファンヒルスの背後についていたドゥリーが足止めされる。一方、レース前方ではクリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)がファンアールトを引き連れ先頭に立った。
フィニッシュ手前250mでラポルトが横に逸れ、自力で前方に位置を取っていたヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が先んじてスプリントを開始する。一拍遅れたファンアールトはフィリプセンの背後につき、フィニッシュラインの直前で横に並ぶ。しかしファンアールトとパスカル・アッカーマン(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)を上回る、圧巻のトップスピードを維持したフィリプセンが先着。ガッツポーズを作り今大会2勝目を喜んだ。
ファンデルプールらのリードアウトがなくとも自ら位置を取り、勝利を掴んだフィリプセン。「スタートからフルガス(全力)でレースは展開し、横風分断が起こるなかでも良い感覚を持っていた。早めにスプリントを始め、勝つことができて嬉しいよ。今日は今大会で最も調子がよく、ツールで区間2勝は悪い結果じゃない。とにかく今日はこの勝利を喜びたい」と、ツール通算8勝目を飾ったフィリプセンは語った。
2日連続で2位と勝利を逃したファンアールトは「クラシックレースのような展開を楽しみながら走った」とコメント。3位には前日に続きアッカーマンが入っている。
そして翌日から始まる今大会2度目の週末に、ピレネー山脈を舞台とした過酷な山岳2連戦が行われる。
ツール・ド・フランス2024第13ステージ
1位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | 3:23:09 |
2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | |
3位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、イスラエル・プレミアテック) | |
4位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
5位 | ニキアス・アルント(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
6位 | ヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、リドル・トレック) | |
7位 | クレマン・リュソ(フランス、グルパマFDJ) | |
8位 | ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) | |
9位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 52:40:58 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +1:06 |
3位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:14 |
4位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +4:20 |
5位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +4:40 |
6位 | ミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ) | +5:38 |
7位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | +6:59 |
8位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | +7:36 |
9位 | デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | +7:54 |
10位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +8:56 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | 346pts |
2位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | 271pts |
3位 | アントニー・テュルジス(フランス、トタルエネルジー) | 141pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 36pts |
2位 | ヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | 36pts |
3位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 28pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 52:42:04 |
2位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +3:34 |
3位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +7:50 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 158:12:09 |
2位 | スーダル・クイックステップ | +21:03 |
3位 | イネオス・グレナディアーズ | +22:22 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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