ウエイブワンが昨年よりはじめた新しいブランドのイネイブ(INEIVE)。布帛生地を採用した半袖ジャージ「Root Woven Jersey」やコンプレッション機能を有しつつ伸縮性に優れるビブショーツ「Root Bib Shorts」などを編集部員の高木がインプレッションしていく。



イネイブ Root Woven Jersey photo:Gakuto Fujiwara

日本発のウェアブランドとして昨年からスタートしたイネイブ。オーダーウェアブランドのウエイブワンが手がけるブランドであり、布帛生地を採用した半袖ジャージ「Root Woven Jersey」やコンプレッション機能や伸縮性に優れるビブショーツ「Root Bib Shorts」、グローブやアームカバーなどを多数ラインアップしている。

Root Woven Jerseyの半袖ジャージは、トラック競技で先端素材として注目を集めている布帛をジャージ全体に使用している。織りによって作られる生地のため、表面に様々な凹凸パターンを製作できるため、デザイン性だけでなく空気抵抗の低減を狙った無数の六角形パターンになっている。

表面に凹凸パターンがある布帛生地を採用 photo:Gakuto Fujiwara

裾には前後で異なるシリコングリッパーを搭載 photo:Gakuto Fujiwara

袖は長めで上腕を覆うようになり保護してくれる。袖口は接着処理のみで薄く仕上がり、身体に密着してくれるため、エアロ性能にも優れる。さらに、着圧感が強く、上半身にコンプレッションが効いている。

背面には3つのバックポケットを備え、右端にはジッパー付きのキーポケットも備えられている。カラーはネイビーとホワイト、グレーとシンプルなカラーリングが揃う。サイズはS~XLの4サイズ展開で、価格は27,500円(税込)。

イネイブ Root Bib Shorts photo:Gakuto Fujiwara

Root Bib Shortsは「履いている事を忘れるショーツ」を目指し製作されているビブショーツ。ペダリングの中で脚の動きの妨げとなる縫製箇所を減らし、1枚の生地で脚を覆うようなパネリングでスムーズなペダリングが可能となった。

ビブショーツに用いられているのは、世界中の生地メーカーから取り寄せた数十種類にものぼるラインナップの中から選ばれたというイタリア製の生地。コンプレッション性や伸縮性に優れつつも、軽量性も兼ね備えた生地が採用されている。裾にはドット状のシリコーングリッパーが搭載されている。

通気性に優れる肩紐 photo:Gakuto Fujiwara

裾は切りっぱなしで、生地の内側にはシリコングリッパー photo:Gakuto Fujiwara

通気性に優れる肩紐を採用している他、男性用パッドや女性用パッドのそれぞれのモデルが用意される。カラーはネイビーとグレーの二色をラインアップ。サイズは男性用がXS〜XLサイズ、女性用がXS〜Mサイズと豊富なサイズ展開となっている。価格は25,300円(税込)。

ストレッチ性に優れ身体にフィットしてくれるFog Vest。透湿性と撥水性を兼ね備えたCORDURA製リップストップ生地を採用し、コンパクトにもなるため携帯性にも優れるベスト。カラーはフォググレーとネイビーの2色、サイズはS~XLサイズまで展開される。価格は18,700円(税込)。

イネイブ Fog Vest photo:Gakuto Fujiwara

イネイブ Root Arm Covers photo:Gakuto Fujiwara

Root Arm Coversは滑り止めのシリコングリップが外側に配置され、半袖ジャージの袖に密着するため、アームカバーがずれることがなく快適にサイクリングを楽しむことができる。カラーはネイビーとグレーの2色、サイズはXS〜Mサイズが展開される。価格は6,050円(税込)。

Long Cuff Glovesはパッドがない指切りのグローブ。グローブは手首のところまでカバーしてくれる長さで、手首にピタリとフィットしてくれる。タイトフィットであり、手首の部分には生地が密着するようにシリコングリッパーも備わっている。ネイビーとグレーの2色展開で、サイズはXS~XLサイズまで用意。価格は6,050円(税込)。

イネイブ Long Cuff Gloves photo:Gakuto Fujiwara

イネイブ Minimal Plain Socks photo:So Isobe

Minimal Plain Socksはロングソックス。薄手のソックスで、脚の甲の部分にはメッシュ生地を使用し、通気性に優れる。土踏まずのアーチサポートをしてくれるバンドも搭載されている。カラーはホワイトとネイビー、グレーの3色、サイズはSとMサイズが展開される。価格は2,750円(税込)。

それでは編集部インプレッションへ移っていこう。



―編集部インプレッション

イネイブのウェアをCW編集部員の高木がテストしていく photo:So Isobe

イネイブのインプレッションを担当するのはCW編集部員の高木(身長175cm、体重61kg)。やせ型の細身体系であるため、アソスやラファ、イザドアではXSサイズ、カステリやウエイブワンではSサイズを愛用している。

イネイブを着るのは今回が初めてということで、Root Woven JerseyはSサイズとMサイズを用意して頂き、両方を試着をしてみるとSサイズでは袖に通すことができたが、胸囲周りがきつくジッパーが閉まらないほど。

パリッとした着心地でコンプレッションも感じる半袖ジャージ photo:So Isobe

そこでMサイズを着てみると、肩回り、胸囲、胴回りがジャストフィットだった。日本人の体格にもあったサイズ感となっている。生地がしっかりしている布帛生地を使っているため、パリッとした着心地である。伸縮性を備えつつ、コンプレッションも感じるジャージに仕上がっている。

Root Bib Shortsは複数サイズを試し、履いてみるとSサイズがジャストサイズ。太腿を優しく包み込んでくれるようなフィット感で、人によっては薄い生地に感じてしまうかもしれないが、その分動きやすい印象だ。

1枚の生地で脚を覆うようなパネリングで動きやすい photo:Gakuto Fujiwara

春先や湿度の高い梅雨時期に6時間を超えるテストライドを実施。ライドを開始し、体温が上昇していく中で胴体部から汗をかいていくが、Root Woven Jerseyが汗を吸い、ウェア自体がドライに保たれている。タイトフィットであるが不快感を全く感じない。真夏であれば、胴体部にメッシュ生地を採用した新作の「Root Flow Jersey」の方が適していそうだ。

ジャージの胴体部や袖も身体にジャストフィットで、風でバタつくこともなく、エアロ性能にも優れ、非常に無駄がない。胴体部を一周覆うようにシリコングリッパーが配置され、ウェアのズレを防いでくれる。

気温と体温の上昇に伴い汗ばむが、ウェア自体がドライに保たれていた photo:So Isobe

右太ももの裏にはリフレクターを備え、安全性に配慮されたデザイン photo:Gakuto Fujiwara
ウエイブワンでもオプションのパッドとして用意されている「ゴールドパッド」を搭載 photo:Gakuto Fujiwara


Root Bib Shortsの生地はドライな質感と強めのコンプレッション性が特徴。軽さと通気性にも優れ、薄手の生地が使用されているため、脚を優しく包んでくれる感覚で、まさに「履いている事を忘れるショーツ」だった。

ビブショーツの裾にはドット状のシリコングリッパーが備えられているため、肌にピタリと密着しブブショーツのずれにくかった。さらに、高密度クッションのインナーパッド「ゴールドパッド」が搭載され、長時間のライドでも快適だった。

携帯性と軽量性に優れるベストは気温の変化に合わせて使いやすい photo:So Isobe

また、イネイブは半袖ジャージやビブショーツの他にもベストやグローブ、アームカバー、ソックスなどのアイテム類も充実したラインナップを展開している。これらのアイテムも同時にテストを実施した。

Fog Vestはストレッチ性に優れ身体にフィットしてくれるため、バタつかない。透湿性と撥水性を兼ね備えたリップストップ生地を採用し、小雨くらいであれば防いでくれる。コンパクトにもなるため携帯性にも優れ、ライドに持っていきやすい。

薄手であるため太陽からの紫外線予防から肌寒い季節の体温調節まで、年間を通して活躍してくれる photo:So Isobe

パッドがない薄手の作りで素手感覚で使用できるグローブ photo:So Isobe

Root Arm Coversは薄手であるため太陽からの紫外線予防から肌寒い季節の体温調節まで、年間を通して幅広く活躍してくれるアームカバーだ。アームカバーの外側にシリコングリッパーが備えられ、ずれることなく快適にサイクリングを楽しめた。

Long Cuff Glovesは素手感覚で使用できるグローブ。パッドがない薄手の作りが特徴で、ハンドルを直に握っているようなダイレクトな握り心地が良い。手のひらにはドット状のシリコングリッパーが備えられ、グリップ感が強くハンドルをしっかりと握ることができる。

脚の甲にメッシュ素材が使用され、通気性にも優れる photo:Gakuto Fujiwara

Minimal Plain Socksはさらっとした肌触りで履き心地が良いソックス。脚の甲にメッシュ素材が使用され、通気性にも優れ、春から秋まで活躍してくれる一足。さらに、土踏まずのアーチサポートも備わっているため、脚のサポートもしてくれる。

サイズ選びに関しては、ウェアのサイズ感が他ブランドと異なるため、実際に試着することをお勧めしたい。シンプルな単色のイネイブのウェアはトレーニングライドでもカフェライドでも、どちらのライドシーンでもマッチしてくれるサイクルウェアだった。

どんなライドシーンでもマッチしてくれるのがイネイブのサイクルウェア photo:So Isobe



イネイブ Root Woven Jersey
カラー:ネイビー、ホワイト、グレー
サイズ:S、M、L、XL
価格:27,500円(税込)

イネイブ Root Bib Shorts
カラー:ネイビー、グレー
サイズ(男性用):XS、S、M、L、XL
サイズ(女性用):XS、S、M
価格:25,300円(税込)

イネイブ Fog Vest
カラー:フォググレー、ネイビー
サイズ:XS、S、M、L、XL
価格:18,700円(税込)

イネイブ Root Arm Covers
カラー:ネイビー、グレー
サイズ:XS、S、M
価格:6,050円(税込)

イネイブ Long Cuff Gloves
カラー:ネイビー、グレー
サイズ:XS、S、M、L、XL
価格:6,050円(税込)

イネイブ Minimal Plain Socks
カラー:ホワイト、ネイビー、グレー
サイズ:S、M
価格:2,750円(税込)
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