「プロ選手へと導いてくれた両親に感謝」とは、区間2勝目を掴んだビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)の言葉。勝利を逃したフィリプセンや単独で逃げたアブラハムセンなど、ツール8日目を終えた選手たちのコメントを紹介します。



ステージ優勝&マイヨヴェール ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)

フィリプセンを抜き、区間2勝目を掴んだ ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) photo:CorVos

2勝目なんて信じられない。まずは神様に感謝し、この勝利は母と父に捧げたい。なぜなら僕を信じ、プロ選手になるまでサポートしてくれたから。この結果を誇りに思う。

平坦路のスプリントでは身体が大きく、体重の重い選手たちが高出力でハイスピードを出す。だが今日のような(登り基調の)スプリントでは体重の軽い僕にピッタリなんだ。また今日のチームは最高のリードアウトから勝利へと導いてくれた。レース序盤は悪天候もあり調子が良くなかったが、すぐに調子の感覚が上がってきて最高のスプリントができた。

マイヨヴェールのリードを拡大させたビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) photo:CorVos

(最終ストレートの)下りをハイスピードで進み、登り返しの前で既に脚に力を感じていた。残り1km地点でチームが先頭を牽引し、登りが始まった瞬間「今日は僕の日になる」と確信した。(最終盤に)コフィディスの選手が前に2人いたが、結果的に僕の完璧なリードアウトになったよ。

勝利した瞬間、頭によぎったのはこれがマイヨヴェールを着用しての勝利だということ。今大会の目標であるステージ1勝とマイヨヴェール獲得を達成し、スプリントポイントも加算できた。完璧な結果だよ。このままニースにたどり着いたとしても僕はスーパーハッピーだ。

ステージ2位 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)

登りスプリントで並ぶヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)とビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) photo:A.S.O.

特に間違いは犯していない。とてもタフなレイアウトに加え、そこまで調子が良くなかった。2位という結果に驚いているぐらい。今日は僕よりもギルマイに適したコースだから、彼こそ勝者にふさわしいと思う。

(2位が続いているため)細かい修正をする必要がある。そこをクリアすれば勝利がやってくるだろう。

ステージ3位 アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー)

ギルマイの背後についたが、ベストポジションだというわけではなかった。また前の選手が進路を変えたため行き場を失い、スプリント開始が遅すぎた。良いスピードが出せたので他の選手たちと同時にスプリントできず悔しいよ。今日は僕にとって完璧なレイアウトだから、勝てなくて悔しいよ。

単独逃げから敢闘賞を獲得したマイヨアポワのヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)

この日設定された全てのカテゴリー山岳をトップ通過したヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:A.S.O.

山岳ポイントを獲得するために逃げを狙っていた。そしてEFの2人と逃げグループを形成したが、その後はプロトンに戻っていった。ポイントを加算できて嬉しいし、敢闘賞も獲得できた。全力を尽くしたものの、ステージ優勝には十分じゃなかった。脚は少し疲れているんで明日のステージまでに回復することを願っている。でも少しぐらい痛みにあった方が強くなれるんだ。

序盤の逃げに乗ったニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)

スタート直後に飛び出したヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)とEFエデュケーション・イージーポストの2人 photo:CorVos

3名で最後まで逃げ切るのは難しいとチームカーが判断したため、プロトンに戻った。明日も厳しいステージとなるので、そのために力を溜めておこうという意図があったのだろう。 逃げに加わる選手が多ければ、逃げ切りのチャンスもあっただろう。

また僕らにはマライン(ファンデンベルフ)でスプリントする選択肢があったものの、ラスト30kmは路面が濡れて混沌とした状況だった。前がまともに見えないぐらいね。

翌日のステージについて話すレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

集団スプリントで10位に入ったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

(未舗装路を含む)明日のステージ対しては色んな感情がある。フランスの白い道は楽しみだが、何が起こるかわからないのでストレスも感じている。全てが良い方向に進むことを願っている。だから0kmからフィニッシュラインまで集中して走りたい。

グラベルの走り方は知っているので好きだ。また明日のコースはそこまでテクニカルではない。どこまで展開が厳しくなるかは逃げに入る選手次第となり、総合勢は皆問題なく切り抜けたいと思っているだろう。それに明日は世界で最も美しいレースイベントとなるはずだ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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