「目標としていた区間優勝ができて本当に嬉しい」と自身初のツールでステージ勝利したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は語った。2位のポガチャルや「満足だ」と語るヴィンゲゴーなど、ツール7日目の個人TTを終えた選手たちのコメントを紹介します。



ステージ優勝&総合2位&マイヨブラン レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

ステージ1位:レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.

クレイジーな結果だよ。今日は調子が良くなく、登りでは苦しんだ。序盤から飛ばしていきたいと思い、同時に登りのために力を溜めておきたいとも考えていた。ダウンヒルも限界の状態で下るにはテクニカルだった。最初から最後まで楽しんで走ることができ、勝てたなんて信じられない。本当に嬉しいよ。

―序盤の危ないシーンは何があったのか?

観客が落としたガラスの破片やフェンスの一部(を踏んだのか)分からないが、パンクと全く同じ音が聞こえたんだ。だから少し怖くなり、数百メートル進んでようやく何も問題はないことがわかった。しかしその後はスローパンクの不安で若干の怖さが頭の中にこびりついていた。

自身初となるステージ優勝を飾ったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

そんな中でもタデイ(ポガチャル)が迫っていたのでコーナーではリスクを取って攻めた。13秒差(正確には12秒差)での勝利。グランツールにおける彼のTTは強く、僅差での争いとなった。とにかく勝ちたかったので目標が達成できて嬉しいよ。今日は総合のタイム差については考えず、ステージ優勝だけを狙っていた。だから僕とチームにとって完璧な日となった。この後は明日、そして日曜に向けて集中したい。

タデイは手の届かないような強さを見せているが、レースでは何が起こるか分からない。日に日に状態は上がってきているので積極的に攻めて総合表彰台を目指したい。

ステージ2位&マイヨジョーヌ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

区間2位でマイヨジョーヌを守ったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

今日の調子は良かったのだが、登りで踏みすぎてしまった。頂上で最も苦しんだが良いレイアウトのコースを楽しみながら走ることができた。現TT世界王者であるレムコ(エヴェネプール)に敗れはしたが、気持ちは前向きだし満足している。

もちろんステージ優勝を狙っていたが、レムコ相手には難しかった。だがプリモシュ(ログリッチ)とヨナス(ヴィンゲゴー)に対してタイムを稼ぐことができて嬉しいよ。今後はレムコはもちろん、山岳ステージではプリモシュとヨナスも警戒しなければならない。

難易度の高いステージは最終週に固まっており、その頃に身体は疲れているだろうからまだ勝負はわからない。そのため今は僅差と言える。

ステージ3位&総合4位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

ステージ3位:プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:A.S.O.

疲れたよ。できる限りを尽くしたので満足している。また第7ステージ(という序盤)にこれだけ全力で走るなんて久しぶりだ。優勝候補である4人の中で最初にスタートするのは気持ち良いことではないにしても、僕の気持ちは前向きだよ。

ステージ4位&総合3位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)

ステージ4位;ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

正直、良いタイムトライアルができたと思っている。自分の走りにも満足しているし、何よりレムコに適したコースで37秒しか遅れなかった。もっとタイムを失うと思っていた。何より僕は昨年、2つのステージで7分半のタイム差を稼いだんだ。脚に力は感じているし、今後もプランを信じて進んでいきたい。

最も心配していたサンルーカ(第2ステージ)でタイムを失うことなく、今日も(総合首位ポガチャルに対し)25秒しか失わなかった。だからこそ今日は良い日と言える。

―徐々にコンディションは上がっているか。

上がっているね。また(骨折によって)筋肉は失ったが、同じパワーが出せることを祈っている。

ステージ25位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)

優勝候補に挙げられながらも振るわなかったワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

求めていた感覚ではなく、頭に描いていたペースを刻むことができなかった。いつもより苦しかったが良いトライができた。この結果が僕の脚の状態を表している。選手が「調子が悪かった」と言ったとしても、別に絶好調の時より100Wも踏めないわけではない。だが丘の頂上に向けて踏み込めなかった。

登り区間で家族や友人の声援に応えたジュリアン・ベルナール(フランス、リドル・トレック)

この日を楽しみにしていた。妻や友人たちが登り区間にいることはわかっていた。序盤は飛ばし、登りで皆と喜びを共有したかった。まるで夢のような瞬間だったよ。

(UCIによる罰金処分に対するコメント)

自転車競技のイメージを悪くしてしまい申し訳ない。だがあの瞬間を味わうためなら、たとえ毎日でも200スイスフランを払いたい。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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