ツール・ド・フランス第5ステージの集団スプリントを制したのはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)。エディ・メルクスの記録を打ち破り、区間合計35勝の大記録を打ち立てた。



集団スプリントを制し、大記録を作ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン) photo:CorVos

どのチームもリードアウトトレインを組めない混沌とした集団スプリントだった。サン=ヴュルバのフィニッシュライン手前で、真っ先にもがいたパスカル・アッカーマン(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)を風除けに使い、軽やかなスプリントで先頭に立ったカヴェンディッシュ。昨年大会で区間4勝とマイヨヴェールを獲ったヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)ですら、加速を続ける"マン島超特急"に並ぶことはできなかった。

引退を表明し、背水の陣でエディ・メルクスに並ぶツールステージ通算34勝という記録更新を狙った昨年大会は無念の落車リタイア。引退を撤回し臨んだ2024年大会で、前回勝利から実に3年ぶり、39歳となったカヴェンディッシュが遂に大記録を達成してみせた。

大記録達成を喜ぶマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン) photo:CorVos

「現実のものだと捉えるのに少し時間がかかるよ。アスタナにとって(勝てるかどうか分からない)僕をメンバー入りさせるのはギャンブルだったけど、ヴィノクロフが決めてくれたんだ。彼も元選手だからツールがどれだけ厳しいか分かってる。でも彼が決めてくれて、僕らは成し遂げた。絶対に勝つと決めてチームビルドを行い、機材を決め、本当に細かいディティールまで全てを決めていったんだ。

UCIランキングの首位に立つこととかじゃない。この大舞台で、ヴィノがショーを魅せてくれたんだ。初日は本当に苦しんだけど、もう15回もツールに出ているから調子の戻し方も分かっていたし、プッシュを続けてチャンスを待ち続けていたんだ。僕たちには明確に成し遂げるべきことが分かっていたし、いいポジションに僕を連れて行ってくれた」と、カヴェンディッシュは言葉を選びながらレース直後のインタビューで答えている。

レース詳報は追ってレポートします。

text:So Isobe
Amazon.co.jp

最新ニュース(全ジャンル)