2024/06/22(土) - 22:05
最終周回までに残った7名での勝負となった全日本選手権の男子U23ロードレースは、寺田吉騎(シマノレーシング)がスプリント勝負を制して優勝。昨年の個人タイムトライアルでの優勝に続き、U23最後の年にロードレースでのタイトルを手にした。
日本サイクルスポーツセンターで開催されている全日本選手権、2日目からはロードレースが始まる。その最初のレースとなるのが、次世代を担う若手選手達が出場する男子U23のレースだ。ロードレースのコースは5kmサーキットに競輪選手養成所の3kmコースを加えた1周8km。男子U23は14周する112kmで争われる。
前日の大雨が嘘のように朝から青空が広がり、富士山が終日見える1日。朝8時にスタートしたレースは、U23としては珍しくパレードのようにゆっくりとしたペースでアタック合戦も起きずに1周目を終える。
レースが動き出したのは3周目。6名が先行し、後続との差を広げ始める。メンバーは、岡崎一輝(マトリックスパワータグ)、佐藤光(チームサイクラーズスネル)、菅原聡(アヴニールサイクリング山梨)、渡辺一気、山田潤(以上京都産業大学)、清水稜太郎(明治国際大学)。
4周目には先行する6名とメイン集団との差は1分30秒以上まで広がる一方、藤本怜(日本大学)、池田悠生(日本体育大学)の2名が追走に出る。
6周目に入ると津田悠義(NIPPO・EF・マルティーグ)らのペースアップによりメイン集団が差を縮めはじめ、追走していた藤本と池田を吸収してさらに前を追う。そして9周目に先行していた6名を吸収すると、そのカウンターで島崎将男(NIPPO・EF・マルティーグ)と佐藤愛折(弱虫ペダルサイクリングチーム)の2名が飛び出す。
10周目、佐藤が遅れて島崎が単独先行となり、後続に1分差をつける。しかし前日のタイムトライアルで優勝し、U23ロード2連覇を狙う鎌田晃輝(JCLチーム右京)や、寺田吉騎(シマノレーシング)らの追走集団が11周目に島崎を捕まえる。この動きで新たに7名の先頭集団が形成され、残り3周となる12周目に入っていく。
最後まで残ったメンバーは、鎌田、寺田、佐藤光(チームサイクラーズスネル)、森田叶夢(京都産業大学)、宇田川塁(法政大学)、林原聖真(明治大学)、松井丈治(立命館大学)。残り2周に入ると、佐藤光や林原らがアタックに出るも決まらず、7名はバラけないまま最終周回の残り2kmを過ぎる。
ホームストレートに続く最後の登り、陽炎の向こうに先頭で姿を現したのは寺田。残り100m、後ろを振り返って後続との距離が開いたことを確認すると、早々に両腕を突き上げて勝利を確信。何度もガッツポーズを繰り返しながらフィニッシュラインを越えた。
連覇に3秒及ばなかった2位に鎌田、3位には松井が入った。完走45名、完走率およそ3分の1となるサバイバルレースだった。
優勝 寺田吉騎(シマノレーシング) コメント
「学生選手権で強かった選手をチェックして、強い選手が動いたら自分でも追った。鎌田君も前半から良く動いていたけど、結構キツそうにしていた。僕は最後まで粘ってゴールスプリントのことしか考えていなかった。勝つことしか考えていなかったから、どうしてもスプリント勝負に持ち込みたかった。自分から攻撃したのは残り3周の上りでのアタックだけだったが、『これは難しい』と思ってゴール狙いに切り替えた。
5月のツアー・オブ・ジャパンからコンディションが良く、シマノレーシングで6月の頭に白樺湖で10日間の合宿をした。獲得標高3万mを登る走り込みで十分な乗り込みができ、ここまで計画的にいい練習ができたおかげで勝つことが出来た」
2位 鎌田晃輝(JCL TEAM UKYO) コメント
「寺田君が強かった。上りで引き離して最後はスプリントに持ち込もうと思って動いたけど、彼を引き離すことができなかった。最後まで着いてこられた時点でこれはダメだなというのが分かっていた。出せる力は出し切ったので悔いはない。また来年に2冠を目指したい」
日本サイクルスポーツセンターで開催されている全日本選手権、2日目からはロードレースが始まる。その最初のレースとなるのが、次世代を担う若手選手達が出場する男子U23のレースだ。ロードレースのコースは5kmサーキットに競輪選手養成所の3kmコースを加えた1周8km。男子U23は14周する112kmで争われる。
前日の大雨が嘘のように朝から青空が広がり、富士山が終日見える1日。朝8時にスタートしたレースは、U23としては珍しくパレードのようにゆっくりとしたペースでアタック合戦も起きずに1周目を終える。
レースが動き出したのは3周目。6名が先行し、後続との差を広げ始める。メンバーは、岡崎一輝(マトリックスパワータグ)、佐藤光(チームサイクラーズスネル)、菅原聡(アヴニールサイクリング山梨)、渡辺一気、山田潤(以上京都産業大学)、清水稜太郎(明治国際大学)。
4周目には先行する6名とメイン集団との差は1分30秒以上まで広がる一方、藤本怜(日本大学)、池田悠生(日本体育大学)の2名が追走に出る。
6周目に入ると津田悠義(NIPPO・EF・マルティーグ)らのペースアップによりメイン集団が差を縮めはじめ、追走していた藤本と池田を吸収してさらに前を追う。そして9周目に先行していた6名を吸収すると、そのカウンターで島崎将男(NIPPO・EF・マルティーグ)と佐藤愛折(弱虫ペダルサイクリングチーム)の2名が飛び出す。
10周目、佐藤が遅れて島崎が単独先行となり、後続に1分差をつける。しかし前日のタイムトライアルで優勝し、U23ロード2連覇を狙う鎌田晃輝(JCLチーム右京)や、寺田吉騎(シマノレーシング)らの追走集団が11周目に島崎を捕まえる。この動きで新たに7名の先頭集団が形成され、残り3周となる12周目に入っていく。
最後まで残ったメンバーは、鎌田、寺田、佐藤光(チームサイクラーズスネル)、森田叶夢(京都産業大学)、宇田川塁(法政大学)、林原聖真(明治大学)、松井丈治(立命館大学)。残り2周に入ると、佐藤光や林原らがアタックに出るも決まらず、7名はバラけないまま最終周回の残り2kmを過ぎる。
ホームストレートに続く最後の登り、陽炎の向こうに先頭で姿を現したのは寺田。残り100m、後ろを振り返って後続との距離が開いたことを確認すると、早々に両腕を突き上げて勝利を確信。何度もガッツポーズを繰り返しながらフィニッシュラインを越えた。
連覇に3秒及ばなかった2位に鎌田、3位には松井が入った。完走45名、完走率およそ3分の1となるサバイバルレースだった。
優勝 寺田吉騎(シマノレーシング) コメント
「学生選手権で強かった選手をチェックして、強い選手が動いたら自分でも追った。鎌田君も前半から良く動いていたけど、結構キツそうにしていた。僕は最後まで粘ってゴールスプリントのことしか考えていなかった。勝つことしか考えていなかったから、どうしてもスプリント勝負に持ち込みたかった。自分から攻撃したのは残り3周の上りでのアタックだけだったが、『これは難しい』と思ってゴール狙いに切り替えた。
5月のツアー・オブ・ジャパンからコンディションが良く、シマノレーシングで6月の頭に白樺湖で10日間の合宿をした。獲得標高3万mを登る走り込みで十分な乗り込みができ、ここまで計画的にいい練習ができたおかげで勝つことが出来た」
2位 鎌田晃輝(JCL TEAM UKYO) コメント
「寺田君が強かった。上りで引き離して最後はスプリントに持ち込もうと思って動いたけど、彼を引き離すことができなかった。最後まで着いてこられた時点でこれはダメだなというのが分かっていた。出せる力は出し切ったので悔いはない。また来年に2冠を目指したい」
全日本選手権ロードレース2024 男子U23 結果(112km)
1位 | 寺田吉騎(シマノレーシング) | 3時間22分21秒 |
2位 | 鎌田晃輝(JCLチーム右京) | +3秒 |
3位 | 松井丈治(立命館大学) | |
4位 | 林原聖真(明治大学) | +12秒 |
5位 | 佐藤 光(チームサイクラーズスネル) | +13秒 |
6位 | 森田叶夢(京都産業大学) | +15秒 |
7位 | 宇田川塁(法政大学) | +29秒 |
8位 | 新宮颯太(日本大学) | +4分1秒 |
9位 | 遠藤大樹(明星大学) | +4分22秒 |
10位 | 奥田和人(Team hsj) | +4分27秒 |
text:Satoru Kato
photo:Satoru Kato, Makoto AYANO
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