2024/06/16(日) - 08:44
ツール・ド・スイス第7ステージもUAEチームエミレーツが展開を制圧。1級山岳フィニッシュでアダム・イェーツ(イギリス)がジョアン・アルメイダ(ポルトガル)と3日連続のワンツーフィニッシュを決め、総合リードの拡大に成功した。
積雪のため42.5kmの短縮コースで行われたツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)6日目から一夜明け、最終日前日である第7ステージが6月15日に行われた。この日のコースは118.2kmという比較的短い距離に2級と1級山岳が2つずつ詰め込まれたレイアウト。スタート直後から2級を越え、一度下ってから1級山岳ヴィラール・シュル・オロン(距離7.9km/平均7.7%)と2級山岳をクリアし、最後は再びヴィラール・シュル・オロンを駆け上がる。
この日は序盤から5月のジロ・デ・イタリアでプロ初勝利を飾ったヴァランタン・パレパントル(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)ら8名が逃げ集団を形成する。中でもロット・デスティニーはマキシム・ファンヒルスとシルヴァン・モニケ(共にベルギー)が入り、またリーダーチームのUAEチームエミレーツは19歳のヤン・クリステン(スイス)を逃げに送ったたため、イネオス・グレナディアーズが牽引するメイン集団は2分リードを許した。
コース中央に位置する一度目の1級山岳ヴィラール・シュル・オロン(距離7.9km/平均7.7%)に入り、イネオスの作るハイペースは逃げとのタイム差を縮めるだけでなく、登りが得意なレニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)を含む人数を絞っていく。そして1級山岳をファンヒルスが先頭通過した逃げ集団では、続く2級山岳でクリステンが仕掛け、それにパレパントルが追従した。
しかしこの動きは決め手に欠き、ファンヒルスなどが先頭に合流する。一方でクリステンが遅れたため、プロトンの牽引がイネオスからUAEにスイッチ。そして逃げ集団は2級山岳でシャッフルがかかった結果、今年下部チームから昇格したヨハネス・スターンミッテ(ノルウェー、ヴィスマ・リースアバイク)が単独先頭に立った。
22歳で昨年U23のジロ・デ・イタリアで総合優勝を果たし、直後のチェコ・ツアー(UCI2.1)でプロ初勝利を飾ったスターンミッテは最終山岳の麓(残り22km地点)で1分半のリードを得る。しかしUAEが先導するメイン集団は順調に逃げとの差を縮め、レースは1級山岳ヴィラール・シュル・オロン(距離7.9km/平均7.7%)に突入した。
金星を掴むべく懸命に踏み続けるスターンミッテだったが、残り4.3kmで人数の減ったプロトンに吸収される。その後フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)のアタックは決まらず、一度ペースが落ち着いた残り3km地点でジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)が飛び出す。それに唯一マシュー・リッチテッロ(アメリカ、イスラエル・プレミアテック)が反応し、その背後に総合リーダーのアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)がついた。
快調に飛ばすアルメイダに対し、徐々に差が拡がっていくリッチテッロを見限ったイェーツは単独でアルメイダにジョイン。総合1位と2位の先頭はフラムルージュ(残り1km)を通過し、フィニッシュ手前で握手した2名が並んでフィニッシュに到達。先にイェーツが先着したため区間2勝目と共にボーナスタイム-10秒を獲得した。
3日連続でワンツーフィニッシュを達成したイェーツは「彼は見ての通りジョアンはナイスガイなんだ。2人で先頭に立ってから”僕が勝ってもいいか?”と聞いたらすぐに”イエス”と言ってくれた。それが彼の性格を表している。彼はいま絶好調なので(明日の個人タイムトライアルは)簡単に勝てることだろう」と語った。
この結果、総合首位のイェーツはアルメイダとのタイム差が31秒まで拡大。大会最終日である翌日は15.7kmの個人タイムトライアルで、再びヴィラール・シュル・オロンを駆け上がる山頂フィニッシュとなる。
積雪のため42.5kmの短縮コースで行われたツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)6日目から一夜明け、最終日前日である第7ステージが6月15日に行われた。この日のコースは118.2kmという比較的短い距離に2級と1級山岳が2つずつ詰め込まれたレイアウト。スタート直後から2級を越え、一度下ってから1級山岳ヴィラール・シュル・オロン(距離7.9km/平均7.7%)と2級山岳をクリアし、最後は再びヴィラール・シュル・オロンを駆け上がる。
この日は序盤から5月のジロ・デ・イタリアでプロ初勝利を飾ったヴァランタン・パレパントル(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)ら8名が逃げ集団を形成する。中でもロット・デスティニーはマキシム・ファンヒルスとシルヴァン・モニケ(共にベルギー)が入り、またリーダーチームのUAEチームエミレーツは19歳のヤン・クリステン(スイス)を逃げに送ったたため、イネオス・グレナディアーズが牽引するメイン集団は2分リードを許した。
コース中央に位置する一度目の1級山岳ヴィラール・シュル・オロン(距離7.9km/平均7.7%)に入り、イネオスの作るハイペースは逃げとのタイム差を縮めるだけでなく、登りが得意なレニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)を含む人数を絞っていく。そして1級山岳をファンヒルスが先頭通過した逃げ集団では、続く2級山岳でクリステンが仕掛け、それにパレパントルが追従した。
しかしこの動きは決め手に欠き、ファンヒルスなどが先頭に合流する。一方でクリステンが遅れたため、プロトンの牽引がイネオスからUAEにスイッチ。そして逃げ集団は2級山岳でシャッフルがかかった結果、今年下部チームから昇格したヨハネス・スターンミッテ(ノルウェー、ヴィスマ・リースアバイク)が単独先頭に立った。
22歳で昨年U23のジロ・デ・イタリアで総合優勝を果たし、直後のチェコ・ツアー(UCI2.1)でプロ初勝利を飾ったスターンミッテは最終山岳の麓(残り22km地点)で1分半のリードを得る。しかしUAEが先導するメイン集団は順調に逃げとの差を縮め、レースは1級山岳ヴィラール・シュル・オロン(距離7.9km/平均7.7%)に突入した。
金星を掴むべく懸命に踏み続けるスターンミッテだったが、残り4.3kmで人数の減ったプロトンに吸収される。その後フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)のアタックは決まらず、一度ペースが落ち着いた残り3km地点でジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)が飛び出す。それに唯一マシュー・リッチテッロ(アメリカ、イスラエル・プレミアテック)が反応し、その背後に総合リーダーのアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)がついた。
快調に飛ばすアルメイダに対し、徐々に差が拡がっていくリッチテッロを見限ったイェーツは単独でアルメイダにジョイン。総合1位と2位の先頭はフラムルージュ(残り1km)を通過し、フィニッシュ手前で握手した2名が並んでフィニッシュに到達。先にイェーツが先着したため区間2勝目と共にボーナスタイム-10秒を獲得した。
3日連続でワンツーフィニッシュを達成したイェーツは「彼は見ての通りジョアンはナイスガイなんだ。2人で先頭に立ってから”僕が勝ってもいいか?”と聞いたらすぐに”イエス”と言ってくれた。それが彼の性格を表している。彼はいま絶好調なので(明日の個人タイムトライアルは)簡単に勝てることだろう」と語った。
この結果、総合首位のイェーツはアルメイダとのタイム差が31秒まで拡大。大会最終日である翌日は15.7kmの個人タイムトライアルで、再びヴィラール・シュル・オロンを駆け上がる山頂フィニッシュとなる。
ツール・ド・スイス2024第7ステージ結果
1位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | 3:05:41 |
2位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | マシュー・リッチテッロ(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) | +0:14 |
4位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:16 |
5位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | |
6位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | オスカー・オンリー(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | |
8位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
9位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +0:32 |
10位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +0:35 |
個人総合成績
1位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | 19:45:17 |
2位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:31 |
3位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | +1:51 |
4位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +2:50 |
5位 | マシュー・リッチテッロ(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) | +3:02 |
6位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +3:23 |
7位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +3:54 |
8位 | オスカー・オンリー(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +4:03 |
9位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +4:41 |
10位 | ペラヨ・サンチェス(スペイン、モビスター) | +4:59 |
その他の特別賞
ポイント賞 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) |
山岳賞 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) |
ヤングライダー賞 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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