ツアー・オブ・ジャパンに集結したプロバイクを紹介する後編。ステージ3勝を挙げたアスタナ育成チーム、セント・パイラン、トレンガヌ、そしてNIPPO・EF・マルティーグという4チームを紹介します。



アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム/ウィリエール Zero SLR、Filante SLR

アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチームのウィリエールFilante SLR photo:So Isobe

今回の参戦チーム中、最も成功を収めたチームの一つがアスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチームだ。マックス・ウォーカー(イギリス)が初日の堺ステージと相模原ステージで、かのアレクサンドル・ヴィノクロフの息子であるニコラス・ヴィノクロフ(カザフスタン)が信州飯田ステージで勝利し、合計3勝とニコラスのヤングライダー賞を獲得した。

タイヤはヴィットリアのCORSA PRO TLR。サイズは28Cで揃える photo:So Isobe

コンポーネントはDURA-ACE photo:So Isobe
ハンドルまで揃えた美しいペイント photo:So Isobe



カザフスタンに複数ある育成チームの中で唯一のUCIワールドチーム直属チーム。昨年年季の入ったお下がりバイクを運用していたアルマティ・アスタナ・モータースと異なり、レースバイクはウィリエールのZero SLRとFilante SLR、シマノのDURA-ACEフルセット、ヴィジョンのMETRON SLホイール、ヴィットリアのCORSA PRO TLRタイヤなどワールドチームと同じ最新モデルで揃えられていた。

Zero SLRとFilante SLRの運用割合は半々。ハンドルまで統一されたウィリエール独自の美しいペイントは人々の目を惹いていた。



セント・パイラン/ファクター OSTRO VAMほか

ジョシュア・ラドマン(オーストラリア)のファクター OSTRO VAM photo:So Isobe

ジャイアントのPROPEL ADVANCED SL photo:So Isobe
イギリスブランド、ハンドスリングを使用する選手も photo:So Isobe



UCIプロチームへの昇格とツール・ド・フランスへの出場を掲げ、イングランド南西のコーンウォール地方を拠点に2018年に立ち上がったコンチネンタルチームがセント・パイラン。美濃ステージではメカニックとして同行している父の前でジョシュア・ラドマン(オーストラリア)が独走勝利を挙げるというドラマも。

チームは機材スポンサーを持たず選手個人のバイクを運用する。美濃で勝ったラドマンはファクターのOSTRO VAM(先代モデル)を運用し、ロンドン発のバイクブランド「ハンドスリング」を運用する選手もいたりとイギリス色が強いことも特徴。ホイール交換の運用上コンポーネントはシマノ12速で統一されていた。



トレンガヌサイクリングチーム/ポリゴン HELIOS

トレンガヌサイクリングチームのポリゴン HELIOS photo:So Isobe

コンポーネントとホイールはDURA-ACEで統一 photo:So Isobe
チームカラーの変更に併せてバイクもカラーチェンジ。美しい塗装が施される photo:So Isobe



かつてワールドツアーチームに所属したメルハウィ・クドゥス(エリトリア)を総合2位に押し上げたトレンガヌサイクリングチームは日本でもお馴染みの存在。引き続きインドネシアのポリゴンをチームバイクに据えるが、赤から青に一新したチームカラーに合わせてバイクカラーも変更されている。

エアロロード「HELIOS」に組み合わせるのはシマノとPROのフルセット。コンポーネントとホイールはDURA-ACEで、コックピット、サドル、ボトルケージ類は全てPRO。ステム一体ハンドルVIBE EVO CARBONの使用率が高いがクドゥスは別体式(VIBE エアロカーボンハンドルバー)、山岳ステージを意識してかインナーチェーンリングは40Tではなく36Tが多かった。



NIPPO・EF・マルティーグ/キャノンデール SystemSIX

NIPPO・EF・マルティーグのキャノンデール SystemSIX photo:So Isobe

チームNIPPOと南フランスのマルティーグを拠点とするクラブチームが合流して誕生したNIPPO・EF・マルティーグ。8ヶ国19選手の中で、U23カテゴリー1年目の3選手を含む合計7名の日本人選手が所属してヨーロッパでのステップアップを目指している。

機材はキャノンデールで、グレー一色にペイントされたSystemSIXをメインユース。ステムやハンドルに調整余地を取ったセッティングは、成長途中の若手選手に合わせるためのものだという。

IRCとのパートナーシップを継続。FORMULA PRO HL TLRタイヤを使用する photo:So Isobe

ULTEGRAにT.A.製チェーンリングを組み合わせる photo:So Isobe
ゼッケンホルダーは西勉メカのお手製 photo:So Isobe



SCOMのホイールには長年NIPPOとパートナーシップを組むIRCのFORMULA PRO HL TLRタイヤ(28C)を組み合わせている。コンポーネントはULTEGRAだがT.A.のチェーンリングやボトルケージを使うなどフランスのエッセンスも加えられている。なお、シートポストに接着された3Dプリントゼッケンホルダーは西勉メカのお手製とのこと。



国内チームのバイクは掲載中の特集記事で確認を。

text&photo:So Isobe

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