2024/06/10(月) - 12:40
第87回ツール・ド・スイスが開幕し、初日の4.77km個人タイムトライアルでイヴ・ランパールト(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が勝利。ベルギーのTT巧者が、3週間後に控えるツール・ド・フランスに向け弾みをつけた。
共にツール・ド・フランスの前哨戦であるクリテリウム・デュ・ドーフィネ最終ステージが行われた6月9日(日)、そのお隣の国スイスにてツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)が開幕した。1933年に初開催され、今年で87回目を迎えた本大会はドーフィネと同じく8日間のステージレース。そのため高地トレーニングの成果を確かめるべくツールを控える選手たちや、パリ五輪を目指す各国の代表選手たちが集結した。
文字通りスイスを1周するレースの特徴は、初日と最終日に個人タイムトライアルが設定されていること。また2、3日目は丘陵、4日目からは4日連続で山頂フィニッシュと厳しい山岳が続くにもかかわらず、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)やブライアン・コカール(フランス、コフィディス)などのスプリンターたちが出場。
また総合優勝候補には、ツールでタデイ・ポガチャル(スロベニア)の山岳アシストを務めるアダム・イェーツ(イギリス)とジョアン・アルメイダ(ポルトガル)が揃い、イネオス・グレナディアーズからはトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が総合エースとして参戦した。
大会初日に行われたのは、スイスの隣国リヒテンシュタインの首都ファドゥーツを舞台にした4.77kmの個人TT。例年通り選手の顔見せの意味合いが強い平坦路のコースには168名の選手たちが臨み、7番手出走のアルメイダが5分12秒という好タイムをマークした。
このタイムには母国スイスのTTスペシャリスト、シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)も4秒届かないなか、全体の35番手にスタートを切ったイヴ・ランパールト(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が6秒更新する5分5秒でフィニッシュ。2022年ツール・ド・フランス第1ステージの個人TTで驚きの勝利を飾ったランパールトが、前哨戦で再びその強さを発揮した。
そのすぐ後に走り出したイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と現スイスTT王者であるシュテファン・ビッセガー(EFエデュケーション・イージーポスト)もトップタイムには3秒届かず、ランパールトは長時間に渡りホットシートに座り続ける。そして最終出走者であるジャコポ・モスカ(イタリア、リドル・トレック)がフィニッシュした瞬間に、ランパールトの勝利が確定した。
「これは僕にとって大きな勝利。まさかスイスのTTスペシャリスト(ビッセガーやキュング)を破り、勝利できるとは思っていなかった。僕自身はもちろん、僕を信じてくれたチームにとって素晴らしい結果だ。スタートから良いテンポで踏み続け、それが最後まで持ってくれた。このイエロージャージを着用することができて光栄だよ」と、ツールに向け弾みをつけたランパールトはそう喜んだ。
総合優勝候補ではイェーツが15秒遅れの区間15位に入り、ピドコックは36位(16秒遅れ)。またリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)は78位(23秒遅れ)と得意ではないTTでのタイムロスを最小限に留めている。
翌日の第3ステージは低難易度のカテゴリー山岳が3つ登場する丘陵ステージ。フィニッシュ手前は平坦路だが、残り11km地点に頂上を迎える3級山岳(距離2.9km/平均6.3%)がスプリンターにとって正念場となる。
共にツール・ド・フランスの前哨戦であるクリテリウム・デュ・ドーフィネ最終ステージが行われた6月9日(日)、そのお隣の国スイスにてツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)が開幕した。1933年に初開催され、今年で87回目を迎えた本大会はドーフィネと同じく8日間のステージレース。そのため高地トレーニングの成果を確かめるべくツールを控える選手たちや、パリ五輪を目指す各国の代表選手たちが集結した。
文字通りスイスを1周するレースの特徴は、初日と最終日に個人タイムトライアルが設定されていること。また2、3日目は丘陵、4日目からは4日連続で山頂フィニッシュと厳しい山岳が続くにもかかわらず、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)やブライアン・コカール(フランス、コフィディス)などのスプリンターたちが出場。
また総合優勝候補には、ツールでタデイ・ポガチャル(スロベニア)の山岳アシストを務めるアダム・イェーツ(イギリス)とジョアン・アルメイダ(ポルトガル)が揃い、イネオス・グレナディアーズからはトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が総合エースとして参戦した。
大会初日に行われたのは、スイスの隣国リヒテンシュタインの首都ファドゥーツを舞台にした4.77kmの個人TT。例年通り選手の顔見せの意味合いが強い平坦路のコースには168名の選手たちが臨み、7番手出走のアルメイダが5分12秒という好タイムをマークした。
このタイムには母国スイスのTTスペシャリスト、シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)も4秒届かないなか、全体の35番手にスタートを切ったイヴ・ランパールト(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が6秒更新する5分5秒でフィニッシュ。2022年ツール・ド・フランス第1ステージの個人TTで驚きの勝利を飾ったランパールトが、前哨戦で再びその強さを発揮した。
そのすぐ後に走り出したイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と現スイスTT王者であるシュテファン・ビッセガー(EFエデュケーション・イージーポスト)もトップタイムには3秒届かず、ランパールトは長時間に渡りホットシートに座り続ける。そして最終出走者であるジャコポ・モスカ(イタリア、リドル・トレック)がフィニッシュした瞬間に、ランパールトの勝利が確定した。
「これは僕にとって大きな勝利。まさかスイスのTTスペシャリスト(ビッセガーやキュング)を破り、勝利できるとは思っていなかった。僕自身はもちろん、僕を信じてくれたチームにとって素晴らしい結果だ。スタートから良いテンポで踏み続け、それが最後まで持ってくれた。このイエロージャージを着用することができて光栄だよ」と、ツールに向け弾みをつけたランパールトはそう喜んだ。
総合優勝候補ではイェーツが15秒遅れの区間15位に入り、ピドコックは36位(16秒遅れ)。またリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)は78位(23秒遅れ)と得意ではないTTでのタイムロスを最小限に留めている。
翌日の第3ステージは低難易度のカテゴリー山岳が3つ登場する丘陵ステージ。フィニッシュ手前は平坦路だが、残り11km地点に頂上を迎える3級山岳(距離2.9km/平均6.3%)がスプリンターにとって正念場となる。
ツール・ド・スイス2024第1ステージ結果
1位 | イヴ・ランパールト(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 5:05 |
2位 | シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:03 |
3位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
4位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:06 |
5位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) | +0:07 |
6位 | サムエル・ワトソン(イギリス、グルパマFDJ) | +0:08 |
7位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:09 |
8位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | +0:10 |
9位 | マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) | |
10位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、アルペシン・ドゥクーニンク) |
個人総合成績
1位 | イヴ・ランパールト(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 5:05 |
2位 | シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:03 |
3位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:04 |
4位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:07 |
5位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | サムエル・ワトソン(イギリス、グルパマFDJ) | +0:09 |
7位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:09 |
8位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | +0:11 |
9位 | マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー) | |
10位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、アルペシン・ドゥクーニンク) |
その他の特別賞
ポイント賞 | イヴ・ランパールト(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
ヤングライダー賞 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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