2024/06/10(月) - 09:00
ラストに1級山岳を駆け上がったクリテリウム・デュ・ドーフィネ第8ステージ。ツール前哨戦の最終日をカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)が制し、登りでの遅れを最小限に留めたログリッチが総合優勝に輝いた。
6月29日(土)に開幕するツール・ド・フランスに向け、多くの総合勢とそのチームメイトが集った第76回クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)。その最終日である第8ステージは160.6kmの山岳ステージで、序盤から1級と3級山岳を立て続けにクリア。その後は中盤に設定された1級山岳を越え、一度下ってから最後は1級山岳プラトー・デ・グリエール(距離9.4km/平均7.1%)の頂上を目指す。
前日の最終山岳で早々と遅れたセップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)がツールへの調整のため不出場だったこの日、その他にも5名が棄権を選ぶ。そのため103名がスタートを切り、獲得標高差3,896mのステージは11名が逃げを打つ。その中には前日も逃げから勝利へと迫ったマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)が入り、またこの日が31歳の誕生日であるギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)の姿もあった。
最初の1級山岳は山岳賞の逆転を狙うロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、アスタナ・カザクスタン)が先頭通過し、続く3級も最大2ポイントをゲットする。メイン集団はこの日もボーラ・ハンスグローエがペースを握り、逃げとのタイム差を3分前後でコントロール。山岳賞のランキングトップに返り咲き、最終的にジャージを射止めたフォルトゥナートが遅れていく逃げグループは、1級山岳の頂上(残り57.5km)をソレルが1分37秒のリードで通過した。
ボーラに代わりイネオス・グレナディアーズが先導を始めたプロトンでは、残り30kmを切るとリドル・トレックの牽引に加わる。大会初日を制したマッズ・ピーダスン(デンマーク)が作るペースは逃げとのタイム差を一気に縮め、最終1級山岳プラトー・デ・グリエール(距離9.4km/平均7.1%)に逃げから30秒遅れで入った。
プロトンの気配を感じ始めた逃げからは人数が減っていき、残り9kmで早くも先頭はマルタンと5月にアメリカロード王者になったばかりのショーン・クイン(EFエデュケーション・イージーポスト)の2名に絞られる。そしてティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が20秒差まで縮めたメイン集団からジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)がアタック。総合9位のチッコーネの動きにボーラなどは動かず、チッコーネは一気に先頭の2名に追いついた。
クインとマルタンが遅れ、単独先頭に立ったチッコーネは最大22秒のリード得る。そしてボーラのペーシングによって人数が絞られるメイン集団から、ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)が加速。それにレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が反応したものの、すぐに諦め遅れていった。
その後デプルスはチッコーネを捉え、残り5.3km地点でカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)がアタックした。
デプルスのアシストから狙いすましたアタックを仕掛けたロドリゲスには、マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)などが食らつく一方で、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ)が遅れる。そしてマイヨジョーヌの脱落を確認した5名の先頭集団では、第3ステージの勝者であるデレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック)が仕掛ける。それにデプルスとサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)が遅れ、勝利は先頭の3名(ジー、ロドリゲス、ヨルゲンソン)に絞られた。
ログリッチはチッコーネと共にマイペースで登り続け、その後方では登りのリズムを取り戻したエヴェネプールが追いかける。そして先頭では最初にジーが脱落し、ロドリゲスとヨルゲンソンが最終ストレートに突入。そして、シッティングのまま重いギヤを踏み続けたロドリゲスがヨルゲンソンに前を譲ることなく勝利した。
「とても嬉しいし、この勝利を可能にしてくれたチームに感謝したい。ここまで努力し、積み重ねたものが正しいものだったという証拠だ。チームの全員が全力を尽くし、それを勝利へと結び付けられて嬉しいよ」と、総合でも4位に入った23歳のロドリゲスは喜んだ。
そして最後までチッコーネと協調したログリッチは、48秒遅れでフィニッシュしてマイヨジョーヌの保持に成功。そのため自身2度目となる総合優勝に輝いたログリッチは「ドーフィネを勝てるなんてクレイジーだ。最後はこの3日間での疲れが現れたが、僕の思い通りの結果を得ることができた。いまは滅多に得ることのできないこの結果を喜びたい」と語っている。
総合2位とヤングライダー賞には区間2位のヨルゲンソンが輝き、総合3位にはジーが入っている。
また58秒遅れの区間8位、総合では7位でレースを終えたエヴェネプールは「85%の体調でステージ1勝と総合勢に登りでついていけたことは収穫と言える。この後は休息を取ってツールの試走をする予定だ」とコメントしている。
6月29日(土)に開幕するツール・ド・フランスに向け、多くの総合勢とそのチームメイトが集った第76回クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)。その最終日である第8ステージは160.6kmの山岳ステージで、序盤から1級と3級山岳を立て続けにクリア。その後は中盤に設定された1級山岳を越え、一度下ってから最後は1級山岳プラトー・デ・グリエール(距離9.4km/平均7.1%)の頂上を目指す。
前日の最終山岳で早々と遅れたセップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)がツールへの調整のため不出場だったこの日、その他にも5名が棄権を選ぶ。そのため103名がスタートを切り、獲得標高差3,896mのステージは11名が逃げを打つ。その中には前日も逃げから勝利へと迫ったマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)が入り、またこの日が31歳の誕生日であるギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)の姿もあった。
最初の1級山岳は山岳賞の逆転を狙うロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、アスタナ・カザクスタン)が先頭通過し、続く3級も最大2ポイントをゲットする。メイン集団はこの日もボーラ・ハンスグローエがペースを握り、逃げとのタイム差を3分前後でコントロール。山岳賞のランキングトップに返り咲き、最終的にジャージを射止めたフォルトゥナートが遅れていく逃げグループは、1級山岳の頂上(残り57.5km)をソレルが1分37秒のリードで通過した。
ボーラに代わりイネオス・グレナディアーズが先導を始めたプロトンでは、残り30kmを切るとリドル・トレックの牽引に加わる。大会初日を制したマッズ・ピーダスン(デンマーク)が作るペースは逃げとのタイム差を一気に縮め、最終1級山岳プラトー・デ・グリエール(距離9.4km/平均7.1%)に逃げから30秒遅れで入った。
プロトンの気配を感じ始めた逃げからは人数が減っていき、残り9kmで早くも先頭はマルタンと5月にアメリカロード王者になったばかりのショーン・クイン(EFエデュケーション・イージーポスト)の2名に絞られる。そしてティシュ・ベノート(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が20秒差まで縮めたメイン集団からジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)がアタック。総合9位のチッコーネの動きにボーラなどは動かず、チッコーネは一気に先頭の2名に追いついた。
クインとマルタンが遅れ、単独先頭に立ったチッコーネは最大22秒のリード得る。そしてボーラのペーシングによって人数が絞られるメイン集団から、ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)が加速。それにレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が反応したものの、すぐに諦め遅れていった。
その後デプルスはチッコーネを捉え、残り5.3km地点でカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)がアタックした。
デプルスのアシストから狙いすましたアタックを仕掛けたロドリゲスには、マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)などが食らつく一方で、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ)が遅れる。そしてマイヨジョーヌの脱落を確認した5名の先頭集団では、第3ステージの勝者であるデレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック)が仕掛ける。それにデプルスとサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)が遅れ、勝利は先頭の3名(ジー、ロドリゲス、ヨルゲンソン)に絞られた。
ログリッチはチッコーネと共にマイペースで登り続け、その後方では登りのリズムを取り戻したエヴェネプールが追いかける。そして先頭では最初にジーが脱落し、ロドリゲスとヨルゲンソンが最終ストレートに突入。そして、シッティングのまま重いギヤを踏み続けたロドリゲスがヨルゲンソンに前を譲ることなく勝利した。
「とても嬉しいし、この勝利を可能にしてくれたチームに感謝したい。ここまで努力し、積み重ねたものが正しいものだったという証拠だ。チームの全員が全力を尽くし、それを勝利へと結び付けられて嬉しいよ」と、総合でも4位に入った23歳のロドリゲスは喜んだ。
そして最後までチッコーネと協調したログリッチは、48秒遅れでフィニッシュしてマイヨジョーヌの保持に成功。そのため自身2度目となる総合優勝に輝いたログリッチは「ドーフィネを勝てるなんてクレイジーだ。最後はこの3日間での疲れが現れたが、僕の思い通りの結果を得ることができた。いまは滅多に得ることのできないこの結果を喜びたい」と語っている。
総合2位とヤングライダー賞には区間2位のヨルゲンソンが輝き、総合3位にはジーが入っている。
また58秒遅れの区間8位、総合では7位でレースを終えたエヴェネプールは「85%の体調でステージ1勝と総合勢に登りでついていけたことは収穫と言える。この後は休息を取ってツールの試走をする予定だ」とコメントしている。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2024第8ステージ結果
1位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | 4:18:02 |
2位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
3位 | デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | +0:15 |
4位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ) | +0:35 |
5位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
6位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:48 |
7位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | |
8位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:58 |
9位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ) | +1:10 |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) | 25:35:40 |
2位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:08 |
3位 | デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | +0:36 |
4位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +1:00 |
5位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ) | +2:04 |
6位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +2:06 |
7位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +2:25 |
8位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | +2:54 |
9位 | オイエル・ラスカノ(スペイン、モビスター) | |
10位 | ミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ) | +4:13 |
その他の特別賞
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) |
山岳賞 | ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、アスタナ・カザクスタン) |
ヤングライダー賞 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) |
チーム総合成績 | ボーラ・ハンスグローエ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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