2024/05/28(火) - 15:00
北林力(SUNN Factory Racing)が参戦したW杯第3戦を、イネオス所属の男女世界王者が席巻。トーマス・ピドコック(イギリス)とポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)がそれぞれ圧勝している。
MTBレースの最高峰シリーズ、UCIマウンテンバイクワールドカップ(XCO)は南米ブラジルでの開幕2連戦を終えヨーロッパに凱旋。ワールドカップの定番コースであり、多くの選手権開催実績を持つチェコの名門コース「ノヴェメスト」を舞台に第3戦が開催された。
第2戦でXCC・XCO連続勝利を挙げたヘイリー・バッテン(アメリカ、スペシャライズドファクトリーレーシング)が「とても急勾配で難しい登り区間と、複数のラインチョイスがあるロックガーデンを中心にした下り区間がある。勝つためにはMTB選手としてあらゆるスキルとパワーが必要で、W杯を象徴する誰もが勝ちたい名コース」と評価する大会には、今季初めてイネオス・グレナディアーズに所属する男女世界チャンピオン、トーマス・ピドコック(イギリス)とポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)が参戦。さらにアジア選手権を終えた北林力(SUNN Factory Racing)も男子エリートレースのスタートラインに立った。
泥コンディションの前日に開催されたショートトラックでは男女ともに超ハイスピードレースが展開され、女子は最終盤に抜け出したアレッサンドラ・ケラー(スイス、トムス・マクソン)が、男子はフィニッシュスプリントでヴィクトール・コレツキー(フランス、スペシャライズドファクトリーレーシング)が勝利を挙げている。
女子エリート:世界女王PFPが圧勝 一度も先頭を譲らず
女子エリートレースは、まさに世界女王の独走劇。「最初のダウンヒル区間に先頭で入りたかったので、スタート直後からプッシュを続けた」と言うフェランプレヴォがスタートループから先頭に。シクロクロス界のトップ選手であり、ロードの春クラシックでも活躍するプック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が単独2番手で追走したものの、ヒルクライムを飛ぶように走る世界女王の背中は遠ざかるばかりだった。
「急勾配の登りとリカバリーができる下りが連続する、自分の強みを活かせるコース。調子は良かったし、レース中もできるだけプッシュし続けようと思っていた」と振り返るフェランプレヴォは、一度も先頭を譲らない完璧なレース運びで圧勝。ピーテルセを飲み込んだ後続グループによる熾烈な戦いから抜け出したバッテンが2位、好調ケラーが3位。5位のラウラ・スティガー(オーストリア、スペシャライズドファクトリーレーシング)までが表彰台を射止めている。
男子エリート:ピドコックが今季初W杯でポテンシャルを見せつける 不運の北林は109位
男子エリートレースはスタート直後にクラッシュが発生し、全日本王者の北林が巻き込まれる波乱のスタート。北林は辛くも身体的ダメージは免れたものの、続け様のパンクで追い討ちをかけられる苦しい戦いを強いられた。
一方、序盤からレースを引っ張ったのは10度の世界王者経験を持つリビングレジェンド、ニノ・シューター(スイス、スコット・スラム)だった。今季序盤からコンディションを回復させたシューターは、ショートトラックを制したW杯リーダーのコレツキーと共に先頭に立ってペースメイク。そこにスタートで出遅れたピドコックが合流したのは全7周回中の3周目のことだった。
短時間のランデブーののち、アタックしたのはピドコック。「先頭復帰して、アタックしてからは自分のペースで走ることができた。今日のような複数のラインチョイスがあるコースでは他人に影響されないように努めるのが一番」とギアを上げた世界王者に対し、シューターだけが辛くも追いかける展開に。「強いニノ」は一度合流したのち再び引き離されたものの、粘り強いペダリングで単独2番手を死守しきった。
圧倒的なポテンシャルを見せつけたピドコックが今季初W杯で勝利し、イネオス・グレナディアーズが男女ダブル優勝をマーク。「これまで集中していたロードレースとは全く違う1時間半の戦いだった。MTB初戦だったし、とても嬉しい結果になったよ」とピドコックは語っている。
また、トラブルに巻き込まれた北林は109位でレース終了。「立て続けで良くなく(心が)折れそうな時ですが練習から身体の感覚が少しずつ良くなってきているので(中略)1つでもヨーロッパでいいレースをすれば自信も戻っていいシーズンに戻せると思っています。いい流れに引き込んでいきたいと思っています」とSNSでレースを振り返っている。
MTBレースの最高峰シリーズ、UCIマウンテンバイクワールドカップ(XCO)は南米ブラジルでの開幕2連戦を終えヨーロッパに凱旋。ワールドカップの定番コースであり、多くの選手権開催実績を持つチェコの名門コース「ノヴェメスト」を舞台に第3戦が開催された。
第2戦でXCC・XCO連続勝利を挙げたヘイリー・バッテン(アメリカ、スペシャライズドファクトリーレーシング)が「とても急勾配で難しい登り区間と、複数のラインチョイスがあるロックガーデンを中心にした下り区間がある。勝つためにはMTB選手としてあらゆるスキルとパワーが必要で、W杯を象徴する誰もが勝ちたい名コース」と評価する大会には、今季初めてイネオス・グレナディアーズに所属する男女世界チャンピオン、トーマス・ピドコック(イギリス)とポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)が参戦。さらにアジア選手権を終えた北林力(SUNN Factory Racing)も男子エリートレースのスタートラインに立った。
泥コンディションの前日に開催されたショートトラックでは男女ともに超ハイスピードレースが展開され、女子は最終盤に抜け出したアレッサンドラ・ケラー(スイス、トムス・マクソン)が、男子はフィニッシュスプリントでヴィクトール・コレツキー(フランス、スペシャライズドファクトリーレーシング)が勝利を挙げている。
女子エリート:世界女王PFPが圧勝 一度も先頭を譲らず
女子エリートレースは、まさに世界女王の独走劇。「最初のダウンヒル区間に先頭で入りたかったので、スタート直後からプッシュを続けた」と言うフェランプレヴォがスタートループから先頭に。シクロクロス界のトップ選手であり、ロードの春クラシックでも活躍するプック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が単独2番手で追走したものの、ヒルクライムを飛ぶように走る世界女王の背中は遠ざかるばかりだった。
「急勾配の登りとリカバリーができる下りが連続する、自分の強みを活かせるコース。調子は良かったし、レース中もできるだけプッシュし続けようと思っていた」と振り返るフェランプレヴォは、一度も先頭を譲らない完璧なレース運びで圧勝。ピーテルセを飲み込んだ後続グループによる熾烈な戦いから抜け出したバッテンが2位、好調ケラーが3位。5位のラウラ・スティガー(オーストリア、スペシャライズドファクトリーレーシング)までが表彰台を射止めている。
男子エリート:ピドコックが今季初W杯でポテンシャルを見せつける 不運の北林は109位
男子エリートレースはスタート直後にクラッシュが発生し、全日本王者の北林が巻き込まれる波乱のスタート。北林は辛くも身体的ダメージは免れたものの、続け様のパンクで追い討ちをかけられる苦しい戦いを強いられた。
一方、序盤からレースを引っ張ったのは10度の世界王者経験を持つリビングレジェンド、ニノ・シューター(スイス、スコット・スラム)だった。今季序盤からコンディションを回復させたシューターは、ショートトラックを制したW杯リーダーのコレツキーと共に先頭に立ってペースメイク。そこにスタートで出遅れたピドコックが合流したのは全7周回中の3周目のことだった。
短時間のランデブーののち、アタックしたのはピドコック。「先頭復帰して、アタックしてからは自分のペースで走ることができた。今日のような複数のラインチョイスがあるコースでは他人に影響されないように努めるのが一番」とギアを上げた世界王者に対し、シューターだけが辛くも追いかける展開に。「強いニノ」は一度合流したのち再び引き離されたものの、粘り強いペダリングで単独2番手を死守しきった。
圧倒的なポテンシャルを見せつけたピドコックが今季初W杯で勝利し、イネオス・グレナディアーズが男女ダブル優勝をマーク。「これまで集中していたロードレースとは全く違う1時間半の戦いだった。MTB初戦だったし、とても嬉しい結果になったよ」とピドコックは語っている。
また、トラブルに巻き込まれた北林は109位でレース終了。「立て続けで良くなく(心が)折れそうな時ですが練習から身体の感覚が少しずつ良くなってきているので(中略)1つでもヨーロッパでいいレースをすれば自信も戻っていいシーズンに戻せると思っています。いい流れに引き込んでいきたいと思っています」とSNSでレースを振り返っている。
UCI MTBワールドカップ2024 第3戦 XCO女子エリート結果
1位 | ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、イネオス・グレナディアーズ) | 1:24:44 |
2位 | ヘイリー・バッテン(アメリカ、スペシャライズドファクトリーレーシング) | 1:25:46 |
3位 | アレッサンドラ・ケラー(スイス、トムス・マクソン) | 1:26:15 |
4位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | 1:26:28 |
5位 | ラウラ・スティガー(オーストリア、スペシャライズドファクトリーレーシング) | 1:26:31 |
UCI MTBワールドカップ2024 第3戦 XCO男子エリート結果
1位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 1:21:41 |
2位 | ニノ・シューター(スイス、スコット・スラム) | 1:22:13 |
3位 | マルセル・グエリーニ(イタリア、ビクシスパフォーマンスレースチーム) | 1:22:25 |
4位 | チャーリー・アルドリッジ(イギリス、キャノンデール・ファクトリーレーシング) | 1:22:27 |
5位 | マティス・アッザロ(フランス、デカトロン・フォードレーシングチーム) | |
95位 | 北林力(SUNN Factory Racing) | LAP |
text:So Isobe
photo:UCI
photo:UCI
Amazon.co.jp