2024/05/25(土) - 18:09
ツアー・オブ・ジャパン第7ステージが神奈川県の相模原市内で行われ、終盤に抜け出した3名での勝負を制したマックス・ウォーカー(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム)が今大会2勝目を挙げた。山岳賞は中井唯晶(シマノレーシング)がほぼ確定させ、ポイント賞は寺田吉騎(シマノレーシング)が維持した。
ツアー・オブ・ジャパン7日目は相模原市でのステージ。JR橋本駅に近い相模原市の中心部をスタートし、東京五輪のロードレースコースの一部をパレード走行。宮ヶ瀬湖沿いを走る1周13.8kmの周回コースを7周し、鳥居原ふれあいの館前にフィニッシュする107.5kmのレースだ。
前日の第6ステージで個人総合優勝の行方はおよそ決まったものの、各賞ジャージ争いは加熱が予想された。特に山岳賞が設定されるのはこのステージが最後になるため、逆転のラストチャンスとなる。山岳賞トップの中井唯晶(シマノレーシング)と、同2位のニコラス・ヴィノクロフ(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム)との差は14ポイント。この日は2級山岳が3回設定されるため、3回全て1位通過すれば15ポイント獲得で逆転は可能だが、中井が計2ポイント獲得出来れば山岳賞維持となる。
ポイント賞争いはさらに複雑だ。この日は3回のスプリント賞とフィニッシュをあわせて計40ポイント獲得することが可能。ポイント賞トップの寺田吉騎(シマノレーシング)から40ポイント以内には24名がひしめく僅差で、下位からの逆転の可能性もある。さらにはボーナスタイムを獲得して総合順位を上げたい選手やチームの思惑が絡み、激しい争いが予想された。
旧小倉橋を渡ってリアルスタートが切られると、アタック合戦が続いていく。周回コースに入り、1周目のスプリント賞争いには小林海(マトリックスパワータグ)が参戦し、寺田を抑えて1位通過。3周目に設定された2回目のスプリント賞では寺田に次ぐ2位通過となったものの、小林はこれで4秒のボーナスタイムを獲得。個人総合順位を8位から7位に上げることに成功する。
一方、山岳賞争いは「疲労で体が動かなかった」という中井に代わって、チームメイトの入部正太朗(シマノレーシング)が動き、2周目に設定された最初の山岳賞を1位通過。ニコラス・ヴィノクロフはポイントを取れず、この時点で中井の山岳賞トップはほぼ確定する。
レースは3周目、2回目のスプリント賞のあと6名が先行する。メンバーは、アドネ・ファン・エングレン(ルージャイ・インシュアランス)、孫崎大樹(キナンレーシングチーム)、織田聖(マトリックスパワータグ)、草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)、入部正太朗、風間翔眞(以上シマノレーシング)。
後続のメイン集団は、リーダージャージを擁するJCLチーム右京がコントロールし、1分から1分30秒差を維持。終盤に入ると日本ナショナルチームが牽引し、差を一気に縮めていく。
残り2周となる6周目、先行する6名と集団との距離が詰まったところで、マックス・ウォーカー(アスタナ・カザクスタン)と兒島直樹(日本ナショナルチーム)が先頭集団に合流。最終周回に入る直前、登り区間でウォーカーがアタックすると、先頭集団は崩壊。エングレンと兒島が追従し、3名の先頭集団が新たに形成される。
後続集団との差は30秒前後まで開き、差を詰めきれないままフィニッシュへ。最後はウォーカーが先頭で最終コーナーを立ち上がって先着し、今大会2勝目。兒島が3位に入った。
第7ステージ優勝 マックス・ウォーカー コメント
「京都ステージ以来の表彰台に立ててとても嬉しい。自分もチームも調子を上げてきていて毎ステージトライしてきて今日勝つことが出来た。今日のステージは逃げが決まることが予想されたので、メンバー全員が逃げに乗り損ねないように動いた。最後の3人になった中に入って、自分も強いが他の2人も強かったので最後まで逃げ切ることが出来た。2人には感謝したい。
ステージが進むにつれて他のチームが疲れてきていることもあるけれど、日本のレース展開に慣れてきたことが結果に出てきていると思う。普段はヨーロッパのレースを走っているが、日本のレースは違うところが多く、特にこのツアー・オブ・ジャパンは各ステージが短距離だけれどハードでパワーが必要なコースが多い。レース展開も違うので、予想していたものと違うことも多い。それを理解してきたように思う」
ポイント賞 寺田吉騎 コメント
「ポイントを取れるのであれば取りに行く方針でスタートした。アタック合戦が激しかったが、自分もチームも調子が良く、1回目2位、3回目1位通過でポイントを獲ることが出来た。フィニッシュも粘ったけれど、集団のトップは難しくて、でもなんとか4ポイント取れていたので良かったと思う。小林海(マトリックスパワータグ)選手が中間スプリントに絡んできたのは意外だったけれど、ポイント賞ではなくボーナスタイムを獲るための別の戦いをしていたと思う。でも海選手は強くて、普通に差されてしまった。
まだひっくり返される可能性もあるので、明日も気を引き締めて笑顔でフィニッシュできるようにしたい」
山岳賞 中井唯晶 コメント
「連日行っていたので疲れが溜まって体が動かず、ニコラス・ヴィノクロフ選手の動きに対応できなかったけれど、入部(正太朗)さんが2回も1位通過してくれて本当に助かった。山岳賞ジャージが確定して本当に嬉しいし、ホッとしている。明日は寺田(吉騎)選手のコマになってポイント賞を確定させ、2人揃ってジャージを着て終わりたい」
ツアー・オブ・ジャパン7日目は相模原市でのステージ。JR橋本駅に近い相模原市の中心部をスタートし、東京五輪のロードレースコースの一部をパレード走行。宮ヶ瀬湖沿いを走る1周13.8kmの周回コースを7周し、鳥居原ふれあいの館前にフィニッシュする107.5kmのレースだ。
前日の第6ステージで個人総合優勝の行方はおよそ決まったものの、各賞ジャージ争いは加熱が予想された。特に山岳賞が設定されるのはこのステージが最後になるため、逆転のラストチャンスとなる。山岳賞トップの中井唯晶(シマノレーシング)と、同2位のニコラス・ヴィノクロフ(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム)との差は14ポイント。この日は2級山岳が3回設定されるため、3回全て1位通過すれば15ポイント獲得で逆転は可能だが、中井が計2ポイント獲得出来れば山岳賞維持となる。
ポイント賞争いはさらに複雑だ。この日は3回のスプリント賞とフィニッシュをあわせて計40ポイント獲得することが可能。ポイント賞トップの寺田吉騎(シマノレーシング)から40ポイント以内には24名がひしめく僅差で、下位からの逆転の可能性もある。さらにはボーナスタイムを獲得して総合順位を上げたい選手やチームの思惑が絡み、激しい争いが予想された。
旧小倉橋を渡ってリアルスタートが切られると、アタック合戦が続いていく。周回コースに入り、1周目のスプリント賞争いには小林海(マトリックスパワータグ)が参戦し、寺田を抑えて1位通過。3周目に設定された2回目のスプリント賞では寺田に次ぐ2位通過となったものの、小林はこれで4秒のボーナスタイムを獲得。個人総合順位を8位から7位に上げることに成功する。
一方、山岳賞争いは「疲労で体が動かなかった」という中井に代わって、チームメイトの入部正太朗(シマノレーシング)が動き、2周目に設定された最初の山岳賞を1位通過。ニコラス・ヴィノクロフはポイントを取れず、この時点で中井の山岳賞トップはほぼ確定する。
レースは3周目、2回目のスプリント賞のあと6名が先行する。メンバーは、アドネ・ファン・エングレン(ルージャイ・インシュアランス)、孫崎大樹(キナンレーシングチーム)、織田聖(マトリックスパワータグ)、草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)、入部正太朗、風間翔眞(以上シマノレーシング)。
後続のメイン集団は、リーダージャージを擁するJCLチーム右京がコントロールし、1分から1分30秒差を維持。終盤に入ると日本ナショナルチームが牽引し、差を一気に縮めていく。
残り2周となる6周目、先行する6名と集団との距離が詰まったところで、マックス・ウォーカー(アスタナ・カザクスタン)と兒島直樹(日本ナショナルチーム)が先頭集団に合流。最終周回に入る直前、登り区間でウォーカーがアタックすると、先頭集団は崩壊。エングレンと兒島が追従し、3名の先頭集団が新たに形成される。
後続集団との差は30秒前後まで開き、差を詰めきれないままフィニッシュへ。最後はウォーカーが先頭で最終コーナーを立ち上がって先着し、今大会2勝目。兒島が3位に入った。
第7ステージ優勝 マックス・ウォーカー コメント
「京都ステージ以来の表彰台に立ててとても嬉しい。自分もチームも調子を上げてきていて毎ステージトライしてきて今日勝つことが出来た。今日のステージは逃げが決まることが予想されたので、メンバー全員が逃げに乗り損ねないように動いた。最後の3人になった中に入って、自分も強いが他の2人も強かったので最後まで逃げ切ることが出来た。2人には感謝したい。
ステージが進むにつれて他のチームが疲れてきていることもあるけれど、日本のレース展開に慣れてきたことが結果に出てきていると思う。普段はヨーロッパのレースを走っているが、日本のレースは違うところが多く、特にこのツアー・オブ・ジャパンは各ステージが短距離だけれどハードでパワーが必要なコースが多い。レース展開も違うので、予想していたものと違うことも多い。それを理解してきたように思う」
ポイント賞 寺田吉騎 コメント
「ポイントを取れるのであれば取りに行く方針でスタートした。アタック合戦が激しかったが、自分もチームも調子が良く、1回目2位、3回目1位通過でポイントを獲ることが出来た。フィニッシュも粘ったけれど、集団のトップは難しくて、でもなんとか4ポイント取れていたので良かったと思う。小林海(マトリックスパワータグ)選手が中間スプリントに絡んできたのは意外だったけれど、ポイント賞ではなくボーナスタイムを獲るための別の戦いをしていたと思う。でも海選手は強くて、普通に差されてしまった。
まだひっくり返される可能性もあるので、明日も気を引き締めて笑顔でフィニッシュできるようにしたい」
山岳賞 中井唯晶 コメント
「連日行っていたので疲れが溜まって体が動かず、ニコラス・ヴィノクロフ選手の動きに対応できなかったけれど、入部(正太朗)さんが2回も1位通過してくれて本当に助かった。山岳賞ジャージが確定して本当に嬉しいし、ホッとしている。明日は寺田(吉騎)選手のコマになってポイント賞を確定させ、2人揃ってジャージを着て終わりたい」
ツアー・オブ・ジャパン 第7ステージ・相模原 結果(107.5km)
1位 | マックス・ウォーカー(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム、イギリス) | 2時間24分45秒 |
2位 | アドネ・ファン・エングレン(ルージャイ・インシュアランス、オランダ) | +0秒 |
3位 | 兒島直樹(日本ナショナルチーム) | +2秒 |
4位 | ダヴィデ・トネアッティ(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム、イタリア) | +5秒 |
5位 | 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) | |
6位 | ジョバンニ・カルボーニ(JCLチーム右京、イタリア) | |
7位 | リース・ブリットン(セント・パイラン、イギリス) | |
8位 | クドゥス・メルハウィ・ゲブレメディン(トレンガヌ・サイクリングチーム、エリトリア) | |
9位 | ニコラス・ヴィノクロフ(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム、カザフスタン) | |
10位 | アレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム、カザフスタン) | |
個人総合成績 第7ステージ終了時 | ||
1位 | ジョバンニ・カルボーニ(JCLチーム右京、イタリア) | 16時間41分34秒 |
2位 | クドゥス・メルハウィ・ゲブレメディン(トレンガヌ・サイクリングチーム、エリトリア) | +2分7秒 |
3位 | ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島、オーストラリア) | +2分12秒 |
4位 | ニコラス・ヴィノクロフ(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム、カザフスタン) | +2分28秒 |
5位 | アドネ・ファン・エングレン(ルージャイ・インシュランス、オランダ) | +2分36秒 |
6位 | ザッカリー・マリッジ(チームブリッジレーン、オーストラリア) | +2分53秒 |
7位 | 小林 海(マトリックスパワータグ) | +2分58秒 |
ポイント賞 第7ステージ終了時 | ||
1位 | 寺田吉騎(シマノレーシング) | 65p |
2位 | ジョバンニ・カルボーニ(JCLチーム右京、イタリア) | 62p |
3位 | マックス・ウォーカー(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム、イギリス) | 56p |
山岳賞 第7ステージ終了時 | ||
1位 | 中井唯晶(シマノレーシング) | 32p |
2位 | ニコラス・ヴィノクロフ(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム、カザフスタン) | 18p |
3位 | ジョバンニ・カルボーニ(JCLチーム右京、イタリア) | 15p |
チーム総合成績 第7ステージ終了時 | ||
1位 | チーム・ブリッジレーン | 50時間18分20秒 |
2位 | JCLチーム右京 | +1分37秒 |
3位 | キナンレーシングチーム | +4分59秒 |
明日は東京での最終ステージ。最大の注目点はポイント賞争いだろう。ここまで耐えてきたスプリンター達が最後のステージ優勝を狙い、個人総合順位のジャンプアップを狙う選手とチームの思惑も絡んで今日以上に混沌としたレースが予想される。個人総合、山岳賞はほぼ確定とは言え、明日完走することが条件。最終日はどのようなレース展開となるか?
text:Satoru Kato
photo:Satoru Kato, TOJ2024
text:Satoru Kato
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