ツアー・オブ・ジャパンが大阪府堺市で開幕。第1ステージの個人タイムトライアルはマックス・ウォーカー(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム)が優勝。7.5秒差の2位に寺田吉騎(シマノレーシング)がつけ、新人賞を獲得した。第1ステージに先立って行われた堺国際クリテリウムは、山田拓海と寺田でシマノレーシング1-2フィニッシュを決めた。



午前中に行われた堺国際クリテリウム 雨の中多くの観客が集まった ©️TOJ 2024

ツアー・オブ・ジャパン初日は、大阪府堺市でのステージ。堺市は自転車部品と釣具で世界的に知られる「シマノ」のお膝元としても知られる。コースは仁徳天皇陵古墳をはじめとるす百舌鳥古墳群に囲まれた大仙公園に沿って周回する2.6km。午前中にはツアー・オブ・ジャパンに出場する全チームと選手が出場する「堺国際クリテリウム」が行われ、午後から第1ステージの個人タイムトライアルが行われた。

前日の真夏日に迫る暑さから一転し、この日は朝から雨。肌寒さを感じる中でのツアー・オブ・ジャパン初日となった。



堺国際クリテリウム シマノレーシングが1-2フィニッシュ

山田拓海と寺田吉騎(共にシマノレーシング)が後続との差を広げていく photo:Satoru Kato

終盤はシマノレーシングがメイン集団をコントロール photo:Satoru Kato

堺国際クリテリウムは、個人タイムトライアルと同じコースを10周回計26.8kmで行われた。スタート直後に飛び出した寺田吉騎に山田拓海が合流し、シマノレーシングの2名が先行。雨中のレースで様子見のチームが多かったためか、追走の動きも起きないままタイム差が広がっていく。最終的に1分30秒以上の差をつけた寺田と山田が逃げ切り、山田を前にシマノレーシングがワン・ツーフィニッシュを決めた。

山田拓海(左)と寺田吉騎でシマノレーシング1-2フィニッシュ photo:Satoru Kato

後方でフィニッシュするシマノレーシングのメンバーもガッツポーズ photo:Satoru Kato

堺国際クリテリウム 表彰式 photo:Satoru Kato
堺国際クリテリウム 結果(26.8km)
1位 山田拓海(シマノレーシング) 35分27秒
2位 寺田吉騎(シマノレーシング) +0秒
3位 リース・ブリットン(セント・パイラン、イギリス) 1分31秒
4位 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)
5位 石原悠希(シマノレーシング)
6位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン、台湾) +1分33秒


序盤スタートのマックスウォーカーがトップタイム維持 寺田吉騎が2位で新人賞獲得

TTチャンピオンの小石祐馬(JCLチーム右京)も、路面の白線を避けてコーナーを慎重に走る photo:Satoru Kato
3連覇を目指すネイサン・アール(JCLチーム右京)は14秒遅れの21位 photo:Satoru Kato


優勝 マックス・ウォーカー(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム) photo:Syunsuke FUKUMITSU

チームプレゼンテーションをはさんで午後から行われた個人タイムトライアルは、コース1周2.6kmの1本勝負。スタート順序盤の11番目に出走したマックス・ウォーカー(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム、イギリス)が、3分8秒73をマークして暫定トップに立つ。濡れた路面に慎重になる選手が多い中、3分20秒台から30秒台のタイムが続き、トップタイムが更新されないままスタート順は後半へ。

3位 マッテオ・マルチェッリ(JCLチーム右京) photo:Satoru Kato

2位 寺田吉騎(シマノレーシング) photo:Satoru Kato

63番目にスタートしたマッテオ・マルチェッリ(JCLチーム右京、イタリア)が3分16秒台をマーク。その5人後にスタートした寺田吉騎(シマノレーシング)が、マルチェッリのタイムを0.29秒上回って暫定2位となる。その後は上位3名を上回るタイムは出ず、順位が確定。ウォーカーがリーダージャージとポイント賞を獲得し、2位の寺田が新人賞を獲得した。

個人総合首位のグリーンジャージを着たマックス・ウォーカー(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム) ©️TOJ 2024

第1ステージ優勝 マックス・ウォーカー コメント
「イギリス出身なので雨は不利にはならなかったと思う。速く走るようにしつつ、コーナーを慎重にクリアして落車しないようにした。その点我々は良いタイヤを使っているから、自信はあった。待ってる間はとてもナーバスだった。後続の選手と自分とのタイム差を見ていたけれど、最後の選手がフィニッシュするまでは落ち着かなかった。

明日からのステージは自分にもチームメイトにも合ってるコースがあると思っている。でも他のチームも強いチームや選手が多いので、リーダージャージを守るためにはハードワークが必要と思う。富士山ステージは自分にはハードすぎるけれど、アップダウンが多いコースで優勝を狙っていきたい」

新人賞ジャージを獲得した寺田吉騎(シマノレーシング) photo:Satoru Kato

新人賞 寺田吉騎 コメント
「クリテリウムで(山田)拓海とワン・ツーを決めたが、その時に集団で走るよりも速い速度域で何周も走れたことでタイムトライアルに向けてのイメージを掴めたので、アドバンテージになったと思う。シマノレーシングとしてもクリテリウムで優勝して、タイムトライアルでもトップ10に入部(正太朗)さんと拓海と3人入ることが出来たので、チームの地元レースとして大成功と言えると思うし、良いスタートが切れたと思う。

新人賞ジャージを着ることが出来てとても嬉しい。狙えるステージもあるので出来るだけ長く着ていたい。チームとしても登りに強い選手がいるので、個人総合順位で遅れを取らないようにしっかりやっていきたい」
ツアー・オブ・ジャパン 第1ステージ・堺 結果(個人タイムトライアル2.6km)
1位 マックス・ウォーカー(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム、イギリス) 3分8秒73
2位 寺田吉騎(シマノレーシング) +7秒50
3位 マッテオ・マルチェッリ(JCLチーム右京、イタリア) +7秒79
4位 リース・ブリットン(セント・パイラン) +8秒07
5位 入部 正太朗(シマノレーシング) +8秒74
6位 ジョバンニ・カルボーニ(JCLチーム右京、イタリア) +9秒51
7位 小林 海(マトリックスパワータグ) +9秒66
8位 ライアン・カバナ(キナンレーシングチーム、オーストラリア) +9秒68
9位 山田拓海(シマノレーシング) +9秒97
10位 カーター・ベトルス(ルージャイ・インシュランス、オーストラリア) +10秒17
ポイント賞(第1ステージ終了時)
1位 マックス・ウォーカー(アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム、イギリス) 10p
2位 寺田吉騎(シマノレーシング) 9p
3位 マッテオ・マルチェッリ(JCLチーム右京、イタリア) 8p
チーム順位(第1ステージ終了時)
1位 アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム 9分49秒
2位 シマノレーシング +2秒
3位 JCLチーム右京 +7秒


text&photo:Satoru Kato

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