2024/04/30(火) - 08:20
時折雨が降ったラ・ブエルタ・フェメニーナ第2ステージは、終盤に2つの集団落車が発生するサバイバルな展開に。元パリ〜ルーベ覇者のアリソン・ジャクソン(カナダ、EFエデュケーション・キャノンデール)がスプリント勝利し、区間2位のカタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム)が総合首位浮上を果たした。
全8ステージで行われるラ・ブエルタ・フェメニーナは、4月29日(月)に第2ステージを迎えた。その出発地点はバレンシアから西にある、世界的に「トマト祭り」で知られるブニョール。そこから北東にあるモンコファを目指す118.3kmは、コース後半に3級山岳が一つある平坦ステージだ。
総合リーダーの証であるマイヨロホを着用したガイア・レアリーニ(イタリア、リドル・トレック)が集団先頭でスタートを待つなか、前日に落車し、怪我の具合が心配されたチームメイトのエレン・ファンダイク(オランダ)が姿を見せる。そして曇り空と低い気温のなかレースは始まり、直後にエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)が落車するトラブルが発生した。
しかし総合優勝候補の一人であるイタリア王者に大きな怪我はなく、シルヴィア・ザナルディ(イタリア、ヒューマンパワードヘルス)ら6名の逃げグループが形成する。最大3分差を許した逃げに対し、メイン集団を牽引したのはエーススプリンターであるシャーロッテ・コール(オランダ)を擁するDSMフィルメニッヒ・ポストNL。今大会マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)はいるものの、最大のライバルであるロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)が不在のため、スプリント勝負に持ち込むべくDSMがタイトなペースコントロールを見せた。
時折雨が落ちるなか、レース距離が残り50km切った地点で逃げとプロトンのタイム差が1分半を下回る。その後もリードが縮小することに危機感を覚えた逃げから、22歳のイドイア・エラソ(スペイン、ラボラル・クチャ・ファンダシオン・エウスカディ)がアタック。しかしすぐさま逃げに捉えられ、3級山岳でその集団もプロトンが飲み込みこまれた。
登坂距離5.9km/平均勾配4.3%に突入した集団を、ライバルのスプリンターたちを絞り込みたいヴィスマ・リースアバイクが牽引する。その思惑通りコールが遅れ、この日唯一のカテゴリー山岳はカーリーン・スウィンケルス(オランダ、UAEチームADQ)が先頭通過して山岳賞ジャージをゲットした。
その後の下りではリドル・トレックがペースを作り、直後のボーナスタイムが付与される中間スプリントはアンネケ・ダイクストラ(オランダ、フォルカーヴェッセルス・ウィメンズプロサイクリングチーム)が先頭通過。2位通過をカタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム)がして-4秒を獲得する一方、コールは2分の遅れを喫し、先頭集団に戻すべくDSMが猛追した。
しかしコールを振り切りたいヴィスマやモビスター、EFエデュケーション・キャノンデールなどがプロトンのペースアップを敢行した。
フィニッシュが近づくにつれ緊張感も高まる先頭では、残り3km地点を示す標識の下でフォスやエリザベス・ダイグナン(イギリス、リドル・トレック)を巻き込む7名の落車が発生する。更に残り2.3kmのラウンドアバウトでもジョージア・ベイカー(オーストラリア、リブ・アルウラー・ジェイコ)を含む集団落車が起こり、コールとフォスという2人の優勝候補が不在の先頭集団が最終ストレートに突入した。
各チームがトレインを組むメンバーを失いエースが単騎での勝負を強いられるなか、クリステン・フォークナー(アメリカ、EFエデュケーション・キャノンデール)がアリソン・ジャクソン(カナダ)のために集団先頭に出る。そして好位置でスプリントを開始したジャクソンがフィニッシュラインまで踏み続け、迫るヴァシュを退け勝利した。
フィニッシュ後チームメイトと共に感情を爆発させ、喜びのダンスを披露したジャクソンは「この大会には勝利を狙う熱い気持ちで臨んだ。クリステン・フォークナーが残り500mから全力でリードアウトしてくれ、彼女のスピードには他の選手たちはついていくことができなかった。だから私は好きなタイミングでスプリントを開始することができた」とコメント。
パリ〜ルーベ・ファムで2連覇を狙った春のクラシックは「上手くいかず落ち込んでいた」と振り返るジャクソンだが、「ブエルタでの勝利は(ルーベに)並ぶぐらい大きな価値がある」と喜んだ。
総合首位には、ボーナスタイムを加算して区間2位のヴァシュが浮上。勝利は惜しくも逃したものの、マイヨロホに袖を通している。
全8ステージで行われるラ・ブエルタ・フェメニーナは、4月29日(月)に第2ステージを迎えた。その出発地点はバレンシアから西にある、世界的に「トマト祭り」で知られるブニョール。そこから北東にあるモンコファを目指す118.3kmは、コース後半に3級山岳が一つある平坦ステージだ。
総合リーダーの証であるマイヨロホを着用したガイア・レアリーニ(イタリア、リドル・トレック)が集団先頭でスタートを待つなか、前日に落車し、怪我の具合が心配されたチームメイトのエレン・ファンダイク(オランダ)が姿を見せる。そして曇り空と低い気温のなかレースは始まり、直後にエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)が落車するトラブルが発生した。
しかし総合優勝候補の一人であるイタリア王者に大きな怪我はなく、シルヴィア・ザナルディ(イタリア、ヒューマンパワードヘルス)ら6名の逃げグループが形成する。最大3分差を許した逃げに対し、メイン集団を牽引したのはエーススプリンターであるシャーロッテ・コール(オランダ)を擁するDSMフィルメニッヒ・ポストNL。今大会マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)はいるものの、最大のライバルであるロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)が不在のため、スプリント勝負に持ち込むべくDSMがタイトなペースコントロールを見せた。
時折雨が落ちるなか、レース距離が残り50km切った地点で逃げとプロトンのタイム差が1分半を下回る。その後もリードが縮小することに危機感を覚えた逃げから、22歳のイドイア・エラソ(スペイン、ラボラル・クチャ・ファンダシオン・エウスカディ)がアタック。しかしすぐさま逃げに捉えられ、3級山岳でその集団もプロトンが飲み込みこまれた。
登坂距離5.9km/平均勾配4.3%に突入した集団を、ライバルのスプリンターたちを絞り込みたいヴィスマ・リースアバイクが牽引する。その思惑通りコールが遅れ、この日唯一のカテゴリー山岳はカーリーン・スウィンケルス(オランダ、UAEチームADQ)が先頭通過して山岳賞ジャージをゲットした。
その後の下りではリドル・トレックがペースを作り、直後のボーナスタイムが付与される中間スプリントはアンネケ・ダイクストラ(オランダ、フォルカーヴェッセルス・ウィメンズプロサイクリングチーム)が先頭通過。2位通過をカタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム)がして-4秒を獲得する一方、コールは2分の遅れを喫し、先頭集団に戻すべくDSMが猛追した。
しかしコールを振り切りたいヴィスマやモビスター、EFエデュケーション・キャノンデールなどがプロトンのペースアップを敢行した。
フィニッシュが近づくにつれ緊張感も高まる先頭では、残り3km地点を示す標識の下でフォスやエリザベス・ダイグナン(イギリス、リドル・トレック)を巻き込む7名の落車が発生する。更に残り2.3kmのラウンドアバウトでもジョージア・ベイカー(オーストラリア、リブ・アルウラー・ジェイコ)を含む集団落車が起こり、コールとフォスという2人の優勝候補が不在の先頭集団が最終ストレートに突入した。
各チームがトレインを組むメンバーを失いエースが単騎での勝負を強いられるなか、クリステン・フォークナー(アメリカ、EFエデュケーション・キャノンデール)がアリソン・ジャクソン(カナダ)のために集団先頭に出る。そして好位置でスプリントを開始したジャクソンがフィニッシュラインまで踏み続け、迫るヴァシュを退け勝利した。
フィニッシュ後チームメイトと共に感情を爆発させ、喜びのダンスを披露したジャクソンは「この大会には勝利を狙う熱い気持ちで臨んだ。クリステン・フォークナーが残り500mから全力でリードアウトしてくれ、彼女のスピードには他の選手たちはついていくことができなかった。だから私は好きなタイミングでスプリントを開始することができた」とコメント。
パリ〜ルーベ・ファムで2連覇を狙った春のクラシックは「上手くいかず落ち込んでいた」と振り返るジャクソンだが、「ブエルタでの勝利は(ルーベに)並ぶぐらい大きな価値がある」と喜んだ。
総合首位には、ボーナスタイムを加算して区間2位のヴァシュが浮上。勝利は惜しくも逃したものの、マイヨロホに袖を通している。
ラ・ブエルタ・フェメニーナ2024第2ステージ
1位 | アリソン・ジャクソン(カナダ、EFエデュケーション・キャノンデール) | 2:51:03 |
2位 | カタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム) | |
3位 | カーリーン・スウィンケルス(オランダ、UAEチームADQ) | |
4位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
5位 | インヴィル・ゴーシャン(ノルウェー、リブ・アルウラー・ジェイコ) | |
6位 | ジョルジア・ヴェトレッロ (イタリア、ローランド) | |
7位 | シルケ・スムルデルス(オランダ、リブ・アルウラー・ジェイコ) | |
8位 | フローラ・パーキンス(イギリス、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
9位 | アムベル・クラーク(オランダ、FDJスエズ) | |
10位 | クリステン・フォークナー(アメリカ、EFエデュケーション・キャノンデール) |
個人総合成績
1位 | カタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス・プロタイム) | 3:10:14 |
2位 | アリソン・ジャクソン(カナダ、EFエデュケーション・キャノンデール) | +0:08 |
3位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | +0:09 |
4位 | エヴァ・ファンアフト(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
5位 | ソフィ・フォンベルスヴォルト(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
6位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
7位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
8位 | アマンダ・スプラット(オーストラリア、リドル・トレック) | |
9位 | ガイア・レアリーニ(イタリア、リドル・トレック) | |
10位 | ブローディー・チャップマン(オーストラリア、リドル・トレック) |
その他の特別賞
ポイント賞 | アリソン・ジャクソン(カナダ、EFエデュケーション・キャノンデール) |
山岳賞 | カーリーン・スウィンケルス(オランダ、UAEチームADQ) |
ヤングライダー賞 | フローラ・パーキンス(イギリス、フェニックス・ドゥクーニンク) |
チーム総合成績 | リドル・トレック |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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