2024/04/21(日) - 14:00
2024モデルの新作として注目集めるビアンキの軽量モデル"SPECIALISSIMA"に加えて、新たにOLTREシリーズへラインアップされた末弟モデル"OLTRE RACE"と、ミドルグレードオールラウンドバイク"SPRINT"。ビアンキレーシングバイクを身近にする2台を編集部員・高木が一気乗り。
ビアンキを取り扱うサイクルヨーロッパジャパンが神奈川県葉山市の湘南国際村で行われたショップ/メディア向け試乗会。多くのモデルの試乗車が用意されており、既にSPECIALISSIMAの全グレードインプレッションをお届けしている。
今回は、エアロロードのOLTREシリーズに加わったエントリーグレード"OLTRE RACE"、そしてフルモデルチェンジを果たしたミドルグレード・オールラウンドバイク"SPRINT"をインプレッションしていく。
ビアンキ OLTRE RACE
これまでエアロロードのOLTREシリーズはミドルグレード"COMP"に始まり、ハイエンドグレード"PRO"、最後に、レーシングモデル"RC"という3グレードの展開だった。その優れた性能で人気を博したOLTREシリーズだが、より多くのユーザーにそのスピードとエアロ性能を届けるために、手の届きやすいモデルとして新たに用意されるのがこの"OLTRE RACE"だ。
OLTRE RACEは「スピードとエアロパフォーマンスをより多くのユーザーに体感してもらいたい」というコンセプトを掲げ、価格は機械式105完成車で495,000円(税込)と、最新のエアロロードとしては手の届きやすい価格設定になっている。
上位モデルとは異なるフレームを採用しており、よりシンプルなフレームワークに。直線的なシルエットでありながら、チューブシェイプは丸みを帯びたデザインが印象的な一台だ。
コラムは上位グレードの"OLTRE COMP"と同様に1.4">1.5"のテーパー仕様で、シフトやブレーキケーブル類はフル内装という現在のトレンドを押さえた設計が採用された。
コンポーネントは12速のシマノ105を搭載。また、バイクを構成するハンドルやステム、シートポスト、サドルなどのパーツはヴェロマンのパーツで統一されている。カラーはCK16/IRID MATT、GRAPHITE CANGIANTE / GRAPHITE MATTの2色展開、サイズは44、47、50、53、55、57という6種類と豊富な展開になっている。
■OLTRE RACEインプレッション
昨今では多くのブランドで値上がりがあり、OLTREシリーズもCOMPグレードで78万円という価格設定で、ロードバイクを始める初心者にとっては選びにくいバイクとなってしまっていた。そんな、OLTREシリーズの世界観をより身近にしてくれるのが、今回加わったOLTRE RACEだと感じる。
エントリーグレードとはいえ、踏んで感じるのはOLTREシリーズらしい剛性の高さだ。ただ、剛性が高いだけでなく縦に強く、横には少し撓る感覚もあり、程よく逃がしてくれる部分もある。
上位グレードのRCやPROと比較してしまうと、もちろん重量は嵩むものの、走りは軽い。高出力のスプリントでの掛かりも良く、踏み込んだ瞬間に加速してくれる、反応が素直なバイクである。
とはいえ、エアロロードとしてもっとも重要なのはエアロ性能だ。上位モデルのOLTRE RCの先鋭的なデザインが印象的で、このOLTRE RACEのフレームワークはシンプルに見えてしまうが、実際に走ってみれば漕ぎ出しから優れたエアロ性能が感じられる。
強い向かい風でもフロントからリアにかけて綺麗に空気が流れていき、失速感も感じにくい。高速で巡航する集団の中でもパワーをセーブしながら走ることができるだろう。
ホイールベースも長く直進安定性に優れるため、平地では走りやすい。一方で連続コーナーが続くような峠の下りではオーバーステア気味になるため、ハンドルを切るだけでなく、前後左右の荷重移動で曲がるライダーのスキルも求められるバイクであった。
向かい風では「峠」とも言われるほど強風が吹く、荒川や多摩川などのサイクリングロードでも快適に走ることもできるだろうし、鈴鹿サーキットやモビリティリゾートもてぎ、つくばサーキットなどで行われる耐久レースなどハイスピードなシチュエーションでも活躍してくれるはずだ。
イタリアンブランドらしく、小さなサイズから大きなサイズまで幅広く、そして細かく用意されているため、小柄な方から大柄な方まで多くのサイクリストの選択肢に入ってくるだろう。平坦メインでロングライドを愉しみつつ、たまにサーキットエンデューロなどのハイスピードなレースにも出てみたいという方にオススメしたい一台だ。
ビアンキ SPRINT
ビアンキのオールラウンドディスクロード"SPRINT"。2019年からエントリーグレードとして人気を博してきたバイクがモデルチェンジを果たした。前モデルのSPRINTともっとも大きな違いとなるのはブレーキホースなどのケーブル類がフル内装化されている点。
ケーブル類のフル内装化は、すっきりしたルックスのみならずハンドル回りのエアロ性能向上にも貢献している。さらに、ドロップドシートステーを採用し、空力性能を高めつつ乗り心地も向上させている。
OLTRE RACEと同様に12速の機械式シマノ105を搭載した完成車が販売される。また、ハンドルやステム、シートポスト、サドルなどのパーツはヴェロマンで統一されている。ホイールもヴェロマンの30mmハイトモデルをアセンブル。
カラーはビアンキのコーポレートカラーであるチェレステとライトグレーの2色展開となる。サイズは47、50、53、55、57という5種類を用意し、多くのサイクリストが選びやすいサイズ展開。価格は385,000円(税込)。
■SPRINTインプレッション
前作も試乗してきたこともあり、乗り味が気になっていた新型SPRINT。前モデルと異なるのはブレーキホースなどのケーブル類がフル内装化され、ハンドル回りがスッキリしている点。フル内装がスタンダードとなりつつある今、最新モデルとして順当なモデルチェンジを果たしているように感じる。
前作と比較すると、フル内装となることでヘッド回りの剛性感が上がり、シャープな乗り味に。よりレーシングバイクらしい雰囲気を纏うこととなった。フロント剛性の向上により、バイクを思い切り左右に振りながらスプリントをしてもハンドル周りがブレないため、安心してもがききれる。
一方、シッティング時には固すぎず柔らかすぎない適度な剛性感。、リアのパワー伝達に優れるドロップドシートステーデザインのおかげか、踏み込みへの反応速度はかなりリニアな印象だ。
巡航で40km/h以上の速度域をキープするにはライダーのパワーが求められるバイクでもある。ただ、40mmハイト以上のディープリムのホイールを組み合わせれば、クリテリウムやサーキットエンデューロなどで走りやすくなるだろう。
カウンターヴェイルを使用していないため、フロント周りに関しては少し突き上げがあるように感じるが、リア周りに関してはドロップドシートステーを採用するなどフレーム自体の設計で振動を吸収しているように感じる。エントリーグレードではあるが、ゆっくり走る週末サイクリングから速く走るロードレースやクリテリウムまで幅広く使えるディスクロードだ。
ビアンキ OLTRE RACE
フレーム:Oltre Race aero carbon
フォーク:Full Carbon Aero Road 1.4">1.5" integrated head
コンポーネント:シマノ105
カラー:A6 - CK16 / IRID MATT、AB - GRAPHITE CANGIANTE / GRAPHITE MATT
サイズ:44 / 47 / 50 / 53 / 55 / 57
価格:495,000円(税込)
ビアンキ SPRINT
フレーム:Sprint carbon monocoque
フォーク:Full Carbon Aero Road 1.4">1.5" integrated head
コンポーネント:シマノ105
カラー:SX - CK16 / BLACK FULL GLOSSY、SZ - LIGHT GREY / GRAPHITE RACE GLOSSY
サイズ:47 / 50 / 53 / 55 / 57
価格:385,000円(税込)
ビアンキを取り扱うサイクルヨーロッパジャパンが神奈川県葉山市の湘南国際村で行われたショップ/メディア向け試乗会。多くのモデルの試乗車が用意されており、既にSPECIALISSIMAの全グレードインプレッションをお届けしている。
今回は、エアロロードのOLTREシリーズに加わったエントリーグレード"OLTRE RACE"、そしてフルモデルチェンジを果たしたミドルグレード・オールラウンドバイク"SPRINT"をインプレッションしていく。
ビアンキ OLTRE RACE
これまでエアロロードのOLTREシリーズはミドルグレード"COMP"に始まり、ハイエンドグレード"PRO"、最後に、レーシングモデル"RC"という3グレードの展開だった。その優れた性能で人気を博したOLTREシリーズだが、より多くのユーザーにそのスピードとエアロ性能を届けるために、手の届きやすいモデルとして新たに用意されるのがこの"OLTRE RACE"だ。
OLTRE RACEは「スピードとエアロパフォーマンスをより多くのユーザーに体感してもらいたい」というコンセプトを掲げ、価格は機械式105完成車で495,000円(税込)と、最新のエアロロードとしては手の届きやすい価格設定になっている。
上位モデルとは異なるフレームを採用しており、よりシンプルなフレームワークに。直線的なシルエットでありながら、チューブシェイプは丸みを帯びたデザインが印象的な一台だ。
コラムは上位グレードの"OLTRE COMP"と同様に1.4">1.5"のテーパー仕様で、シフトやブレーキケーブル類はフル内装という現在のトレンドを押さえた設計が採用された。
コンポーネントは12速のシマノ105を搭載。また、バイクを構成するハンドルやステム、シートポスト、サドルなどのパーツはヴェロマンのパーツで統一されている。カラーはCK16/IRID MATT、GRAPHITE CANGIANTE / GRAPHITE MATTの2色展開、サイズは44、47、50、53、55、57という6種類と豊富な展開になっている。
■OLTRE RACEインプレッション
昨今では多くのブランドで値上がりがあり、OLTREシリーズもCOMPグレードで78万円という価格設定で、ロードバイクを始める初心者にとっては選びにくいバイクとなってしまっていた。そんな、OLTREシリーズの世界観をより身近にしてくれるのが、今回加わったOLTRE RACEだと感じる。
エントリーグレードとはいえ、踏んで感じるのはOLTREシリーズらしい剛性の高さだ。ただ、剛性が高いだけでなく縦に強く、横には少し撓る感覚もあり、程よく逃がしてくれる部分もある。
上位グレードのRCやPROと比較してしまうと、もちろん重量は嵩むものの、走りは軽い。高出力のスプリントでの掛かりも良く、踏み込んだ瞬間に加速してくれる、反応が素直なバイクである。
とはいえ、エアロロードとしてもっとも重要なのはエアロ性能だ。上位モデルのOLTRE RCの先鋭的なデザインが印象的で、このOLTRE RACEのフレームワークはシンプルに見えてしまうが、実際に走ってみれば漕ぎ出しから優れたエアロ性能が感じられる。
強い向かい風でもフロントからリアにかけて綺麗に空気が流れていき、失速感も感じにくい。高速で巡航する集団の中でもパワーをセーブしながら走ることができるだろう。
ホイールベースも長く直進安定性に優れるため、平地では走りやすい。一方で連続コーナーが続くような峠の下りではオーバーステア気味になるため、ハンドルを切るだけでなく、前後左右の荷重移動で曲がるライダーのスキルも求められるバイクであった。
向かい風では「峠」とも言われるほど強風が吹く、荒川や多摩川などのサイクリングロードでも快適に走ることもできるだろうし、鈴鹿サーキットやモビリティリゾートもてぎ、つくばサーキットなどで行われる耐久レースなどハイスピードなシチュエーションでも活躍してくれるはずだ。
イタリアンブランドらしく、小さなサイズから大きなサイズまで幅広く、そして細かく用意されているため、小柄な方から大柄な方まで多くのサイクリストの選択肢に入ってくるだろう。平坦メインでロングライドを愉しみつつ、たまにサーキットエンデューロなどのハイスピードなレースにも出てみたいという方にオススメしたい一台だ。
ビアンキ SPRINT
ビアンキのオールラウンドディスクロード"SPRINT"。2019年からエントリーグレードとして人気を博してきたバイクがモデルチェンジを果たした。前モデルのSPRINTともっとも大きな違いとなるのはブレーキホースなどのケーブル類がフル内装化されている点。
ケーブル類のフル内装化は、すっきりしたルックスのみならずハンドル回りのエアロ性能向上にも貢献している。さらに、ドロップドシートステーを採用し、空力性能を高めつつ乗り心地も向上させている。
OLTRE RACEと同様に12速の機械式シマノ105を搭載した完成車が販売される。また、ハンドルやステム、シートポスト、サドルなどのパーツはヴェロマンで統一されている。ホイールもヴェロマンの30mmハイトモデルをアセンブル。
カラーはビアンキのコーポレートカラーであるチェレステとライトグレーの2色展開となる。サイズは47、50、53、55、57という5種類を用意し、多くのサイクリストが選びやすいサイズ展開。価格は385,000円(税込)。
■SPRINTインプレッション
前作も試乗してきたこともあり、乗り味が気になっていた新型SPRINT。前モデルと異なるのはブレーキホースなどのケーブル類がフル内装化され、ハンドル回りがスッキリしている点。フル内装がスタンダードとなりつつある今、最新モデルとして順当なモデルチェンジを果たしているように感じる。
前作と比較すると、フル内装となることでヘッド回りの剛性感が上がり、シャープな乗り味に。よりレーシングバイクらしい雰囲気を纏うこととなった。フロント剛性の向上により、バイクを思い切り左右に振りながらスプリントをしてもハンドル周りがブレないため、安心してもがききれる。
一方、シッティング時には固すぎず柔らかすぎない適度な剛性感。、リアのパワー伝達に優れるドロップドシートステーデザインのおかげか、踏み込みへの反応速度はかなりリニアな印象だ。
巡航で40km/h以上の速度域をキープするにはライダーのパワーが求められるバイクでもある。ただ、40mmハイト以上のディープリムのホイールを組み合わせれば、クリテリウムやサーキットエンデューロなどで走りやすくなるだろう。
カウンターヴェイルを使用していないため、フロント周りに関しては少し突き上げがあるように感じるが、リア周りに関してはドロップドシートステーを採用するなどフレーム自体の設計で振動を吸収しているように感じる。エントリーグレードではあるが、ゆっくり走る週末サイクリングから速く走るロードレースやクリテリウムまで幅広く使えるディスクロードだ。
ビアンキ OLTRE RACE
フレーム:Oltre Race aero carbon
フォーク:Full Carbon Aero Road 1.4">1.5" integrated head
コンポーネント:シマノ105
カラー:A6 - CK16 / IRID MATT、AB - GRAPHITE CANGIANTE / GRAPHITE MATT
サイズ:44 / 47 / 50 / 53 / 55 / 57
価格:495,000円(税込)
ビアンキ SPRINT
フレーム:Sprint carbon monocoque
フォーク:Full Carbon Aero Road 1.4">1.5" integrated head
コンポーネント:シマノ105
カラー:SX - CK16 / BLACK FULL GLOSSY、SZ - LIGHT GREY / GRAPHITE RACE GLOSSY
サイズ:47 / 50 / 53 / 55 / 57
価格:385,000円(税込)
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