日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が秋山悟郎に対し、メルドニウム陽性による3年間の資格停止処分を発表した。本人は摂取を認めている。



2023年9月18日に開催されたJプロツアー第13戦にて photo:Satoru Kato

日本アンチ・ドーピング機構(JADA)によれば、2023年9月18日に開催された「Jプロツアー第13戦 経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」で行われたドーピング検査で採取された秋山悟郎の検体からメルドニウム使用の違反が疑われる分析結果が出た。秋山が「アンチ・ドーピング規則違反の自認と措置受諾」を提出したため、「早期の自認及び制裁措置の受諾に基づく資格停止期間の1年間の短縮」によって本来4年間の資格停止となるところ、通知した2023年10月13日から3年間の資格停止処分が言い渡されたという。

メルドニウムはホルモン調節薬および代謝調節薬に分類され、体液性免疫の活性化や心臓保護の効果があり、テニスのマリア・シャラポワをはじめとするロシア人選手の大量ドーピング違反発覚で注目された薬物。自転車選手としてはエドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア)が2016年2月に陽性となった過去がある。日本の厚生労働省は認可しておらず国内では販売されていない。

秋山はロード、シクロクロス、そしてMTBで活躍してきたベテラン社会人レーサー。2023年を最後のJプロツアー(JBCFトップカテゴリー)挑戦と捉えていたが、春先に体調を崩し、さらに8月中旬のウイルス性急性腸炎から体調が戻らなくなったことが摂取の引き金となったという。

秋山はシクロワイアードの取材に応じ、メルドニウムの摂取を認めた上で「主に心拍が上げられなくなってしまった事への焦りから、体調を改善できるのではないかと考え、9月上旬に1週間にわたり禁止成分の摂取を行ってしまいました」とコメント。「この度はお騒がせして申し訳ございません。報道の通り、成分の摂取は事実です。再検査、不服申立て等は行なっておりません。昨年9月にコロナに罹りその後2か月にわたり体調が戻らずレースを満足に走ることが出来ず、その記憶も今回の行為につながったかと思います。本当に軽率な判断をしてしまい恥ずかしく感じております」と謝罪している。

秋山が所属していた「稲城 FIETS クラスアクト」は聞き取りを行った上でチームメンバー登録を解除。さらにチームとしてアンチドーピング講習を行い、チームドクターとスポーツファーマシストとの契約を実施する旨を公表。日本自転車競技連盟(JCF)も「本連盟はこの決定を非常に重く受け止めており、連盟ならびに加盟団体と共に一丸となって、より一層、アンチ・ドーピング活動に精進して参ります」との声明を述べている。

text:So Isobe

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