ヴォルタ・アン・アルガルヴェ第4ステージは22kmの個人タイムトライアルで争われ、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がトップタイムをマーク。62Tのビックギヤを回して2位に16秒差をつけ、アルカンシエルでの初勝利を飾った。



区間優勝:レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

ツール・ド・フランスに出場予定の豪華メンバーが揃ったヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2.Pro)は第4ステージが行われ、この日はアルブフェイラ市街を巡る22kmの個人タイムトライアル。ほぼ平坦路のコースで現タイムトライアル世界王者のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がその強さをいかんなく発揮した。

スタート時点で総合2位だったエヴェネプールは最後から2番目にスタート。第1計測地点(7.1km地点)で早くもマグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)のトップタイムを4秒更新したエヴェネプールは、続く第2計測(16.9km)でその差を16秒まで拡げ、結果的に27分9秒でフィニッシュ。シェフィールドのタイムを16秒上回るトップタイムを叩き出した。

区間2位:マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

1週間前のフィゲイラ・チャンピオンズ・クラシック(UCI1.Pro)での50km独走勝利に続く、今季2勝目を飾ったエヴェネプール。またこれが昨年8月に手に入れたアルカンシエルを着ての初勝利となり、「とてもモチベーション高く臨み、この美しいレインボージャージを着ての勝利。強豪揃いのなか序盤から自分のリズムを掴み、良い走りができた」と語った。

またエヴェネプールの走りで注目されたのが、使用バイクについた62Tと巨大なフロントギア。それについては「良き友であるヴィクトル・カンペナールツがこれ(62T)を使い始めたので、僕らも使ってみることにしたんだ」と明かしている。

区間4位:イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

区間11位:ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)が6位(47秒遅れ)と本来の実力を発揮できないなか、3位(29秒遅れ)に入ったのは今年から使用するウィリエールでTT初戦を迎えたシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)。そして4位(37秒遅れ)にはプロ1年目で20歳のイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ)が入り、短い距離での登坂力に加え、TTでの実力も証明した。

一方、ベルギーのTT王者であるワウト・ファンアールト(ヴィスマ・リースアバイク)はエヴェネプールよりも1分遅い11位でフィニッシュ。しかし「新しいポジションに慣れている途中だ。準備不足なだけでこの結果に落ち込んでいないし、ジロ・デ・イタリアに向けて集中して取り組んでいきたい」と前向きなコメントを残している。

アルカンシエルを着て初勝利を飾ったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

総合首位のダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)が区間8位だったため、エヴェネプールは総合で首位に浮上。大会最終日である翌日のフィニッシュ地点、2級山岳マルハオ峠の頂上で総合優勝が決定する。
ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2024第4ステージ結果
1位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) 27:09
2位 マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) +0:16
3位 シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) +0:29
4位 イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ) +0:37
5位 マティア・カッタネオ(イタリア、スーダル・クイックステップ) +0:46
6位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) +0:47
7位 ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) +0:48
8位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) +0:51
9位 ルネ・ヘレホーツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ) +0:58
10位 ヤン・トラトニク(スロベニア、ヴィスマ・リースアバイク)
11位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) +1:00
個人総合成績
1位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) 14:50:24
2位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) +0:47
3位 ヤン・トラトニク(スロベニア、ヴィスマ・リースアバイク) +1:12
4位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) +1:18
5位 シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)
6位 ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) +1:20
7位 テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) +1:23
8位 マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) +1:34
9位 アントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) +1:39
10位 トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) +1:44
その他の特別賞
ポイント賞 ヘルベン・テイッセン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ)
山岳賞 ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)
ヤングライダー賞 マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)
チーム総合成績 イネオス・グレナディアーズ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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