2023/12/28(木) - 10:01
織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が参戦したスーパープレスティージュ第6戦でワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が圧勝。冷静なレース運びで「自信に繋がる勝利」を収めている。
過密スケジュールをこなすヨーロッパのシクロクロスシーズンの中、UCIワールドカップ第10戦の翌日となる12月27日(水)にはスーパープレスティージュ第6戦が連日開催。ベルギー・フランダース東部のリンブルフ州ヒュースデン=ゾルダー近郊、テラーメンの森に設営された「ゾルダー・サーキット」にトップ選手たちが顔を揃えた。
2016年には世界選手権を迎えるなど、ベルギーファンにとっては馴染み深い名門コース。凹凸の激しい下りを含む森林区間のアップダウンが知られているが、基本的には決まりどころの少ないパワーコース。男女レース共に出入りの激しいロードレースのような展開が繰り広げられた。
女子エリート:ファンエンペルがアルバラードとの一騎討ちを制す
女子レースはマリー・シュライバー(ルクセンブルク、SDワークス)のダッシュが決まったものの、すぐに世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)がペースアップ。前日勝利したパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)不在の中、登り調子のセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)だけが反応し、早くも一騎討ちの様相を呈していく。
中盤にはポテンシャルに勝るファンエンペルが僅かに先行したが、激しく凹凸のできた下り区間で前輪を滑らせ、肩から硬い地面に投げ出されてしまう。追い抜いたアルバラードとは7,8秒のリードが生まれたものの「幸い大きなダメージはなく、前に目標ができたのでリズムを取り戻すことができた」と1周回の追走の末に合流。最終周回ではなんとか突破口をこじ開けようとアルバラードが何度も仕掛けたが、背後でタイミングを待ち続けていたファンエンペルが、得意のスプリントに持ち込んだ末に勝利した。
「彼女もスプリントが強いのでその後ろからスプリントしたかった。作戦が上手くはまって、思い描いたように勝つことができた。良い戦いだった」と喜ぶファンエンペル。負けたアルバラードも「エキサイティングなレースだった。スプリントでは難しいと思っていたけれど、互角のレースができたと思う」と満足げなコメントを残している。
男子エリートはファンアールト圧勝「自信に繋がる勝利」
男子エリートレースの注目はなんといってもワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)の存在だ。"ビッグスリー(ファンデルプール、ファンアールト、ピドコック)"の中では唯一の2連戦であり、バロワーズ・トレック・ライオンズのラース・ファンデルハール(オランダ)やティボー・ネイス(ベルギー)も不在。ファンアールトは「今日は徐々にペースを上げていきたかった」との言葉通り、先頭グループ内で静かなレース序盤を過ごすこととなる。
W杯のU23カテゴリーで無双を誇るティボー・デルグロッソ(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が積極的にレースを引っ張り、全日本王者の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は35番手付近からのスタート。冷静にライバルの様子を観察していたファンアールトが動いたのは60分のうち40分を過ぎたタイミングだった。
平坦区間でするすると先頭に立ったファンアールトは周回後半のアップダウン区間で猛然とチャージ。唯一食らいついたエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)と暫くランデブーを続けたのち、最終周回の同じ区間で再びイゼルビットを突き放してみせた。
「ここ数戦でシクロクロスに対応できるスタミナをつけてきたんだ。その中で最後の15分は僕に有利だと分かっていた」と言うファンアールトが、誰にもつけいる隙を与えないまま勝利した。「昨日ほどタフなレースに持ち込む必要はなかった。抜け出すのが難しいコースだし、もっとアタックのタイミングを待っても良かったかもしれない。今日は自信につながる勝利だし、満足している。勝利に前ほど大きな意味はないけれど、クリスマスシーズンのレースを走るのはとても良い気分だ」と話している。
過密スケジュールをこなすヨーロッパのシクロクロスシーズンの中、UCIワールドカップ第10戦の翌日となる12月27日(水)にはスーパープレスティージュ第6戦が連日開催。ベルギー・フランダース東部のリンブルフ州ヒュースデン=ゾルダー近郊、テラーメンの森に設営された「ゾルダー・サーキット」にトップ選手たちが顔を揃えた。
2016年には世界選手権を迎えるなど、ベルギーファンにとっては馴染み深い名門コース。凹凸の激しい下りを含む森林区間のアップダウンが知られているが、基本的には決まりどころの少ないパワーコース。男女レース共に出入りの激しいロードレースのような展開が繰り広げられた。
女子エリート:ファンエンペルがアルバラードとの一騎討ちを制す
女子レースはマリー・シュライバー(ルクセンブルク、SDワークス)のダッシュが決まったものの、すぐに世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)がペースアップ。前日勝利したパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)不在の中、登り調子のセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)だけが反応し、早くも一騎討ちの様相を呈していく。
中盤にはポテンシャルに勝るファンエンペルが僅かに先行したが、激しく凹凸のできた下り区間で前輪を滑らせ、肩から硬い地面に投げ出されてしまう。追い抜いたアルバラードとは7,8秒のリードが生まれたものの「幸い大きなダメージはなく、前に目標ができたのでリズムを取り戻すことができた」と1周回の追走の末に合流。最終周回ではなんとか突破口をこじ開けようとアルバラードが何度も仕掛けたが、背後でタイミングを待ち続けていたファンエンペルが、得意のスプリントに持ち込んだ末に勝利した。
「彼女もスプリントが強いのでその後ろからスプリントしたかった。作戦が上手くはまって、思い描いたように勝つことができた。良い戦いだった」と喜ぶファンエンペル。負けたアルバラードも「エキサイティングなレースだった。スプリントでは難しいと思っていたけれど、互角のレースができたと思う」と満足げなコメントを残している。
男子エリートはファンアールト圧勝「自信に繋がる勝利」
男子エリートレースの注目はなんといってもワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)の存在だ。"ビッグスリー(ファンデルプール、ファンアールト、ピドコック)"の中では唯一の2連戦であり、バロワーズ・トレック・ライオンズのラース・ファンデルハール(オランダ)やティボー・ネイス(ベルギー)も不在。ファンアールトは「今日は徐々にペースを上げていきたかった」との言葉通り、先頭グループ内で静かなレース序盤を過ごすこととなる。
W杯のU23カテゴリーで無双を誇るティボー・デルグロッソ(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が積極的にレースを引っ張り、全日本王者の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は35番手付近からのスタート。冷静にライバルの様子を観察していたファンアールトが動いたのは60分のうち40分を過ぎたタイミングだった。
平坦区間でするすると先頭に立ったファンアールトは周回後半のアップダウン区間で猛然とチャージ。唯一食らいついたエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)と暫くランデブーを続けたのち、最終周回の同じ区間で再びイゼルビットを突き放してみせた。
「ここ数戦でシクロクロスに対応できるスタミナをつけてきたんだ。その中で最後の15分は僕に有利だと分かっていた」と言うファンアールトが、誰にもつけいる隙を与えないまま勝利した。「昨日ほどタフなレースに持ち込む必要はなかった。抜け出すのが難しいコースだし、もっとアタックのタイミングを待っても良かったかもしれない。今日は自信につながる勝利だし、満足している。勝利に前ほど大きな意味はないけれど、クリスマスシーズンのレースを走るのはとても良い気分だ」と話している。
テレネット・スーパープレスティージュ2023-2024第6戦 女子エリート結果
1位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 49:04 |
2位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:01 |
3位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレラン・コレンドン) | +0:16 |
4位 | サンヌ・カント(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +0:40 |
5位 | クリスティナ・ゼマノヴァ(チェコ、ブライオンレーシングチームMB) | +0:58 |
6位 | アンマリー・ワースト(オランダ、シクロクロスレッズ) | +1:10 |
7位 | マリー・シュライバー(ルクセンブルク、SDワークス) | +2:05 |
8位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、シクロクロスレッズ) | +2:26 |
9位 | ローレン・モレングラーフ(オランダ、サーカス・レウス・テックノルド) | +2:35 |
10位 | マリオン・ノーブルリブロール(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +3:03 |
テレネット・スーパープレスティージュ2023-2024 第6戦 男子エリート結果
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | 57:05 |
2位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:08 |
3位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:34 |
4位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:38 |
5位 | ティボー・デルグロッソ(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:44 |
6位 | ヨラン・ウィズーレ(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +0:46 |
7位 | ワルド・ユイブス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:01 |
8位 | ケヴィン・クーン(スイス、サーカス・レウス・テックノルド) | +1:05 |
9位 | タイス・アールツ(ベルギー、サーカス・レウス・テックノルド) | +1:06 |
10位 | アーロン・ドックス(ベルギー、クレラン・コレンドン) | |
DNF | 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) |
text:So.Isobe
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