2023/12/13(水) - 09:00
2024年シーズンに向けた移籍市場をまとめるスプリンター編。ヤコブセンがDSMに活躍の場を求めるなか、今年のジロでブレイクしたミランはリドル・トレックへ。またサム・ベネットやユアンも新天地に移るなど、動きの激しいスプリンターの動向をチェックしておこう。
クライマー編はこちらから。
ファビオ・ヤコブセン(オランダ)
スーダル・クイックステップ→DSM・フィルメニッヒ・ポストNL
レース中の落車で命の危機に瀕したのは2020年のこと。そこから不屈の精神で復活を遂げ、2022年ツール・ド・フランスで初出場&初区間優勝を手に入れた。今年のツールは第2週目でリタイアと悔しい結果に終わったものの、シーズン8勝を飾ったヤコブセンが、次なる活躍の場としたのはDSM・フィルメニッヒ・ポストNLだっった。
スーダル・クイックステップを離れる理由はチームが来季、ツールでレムコ・エヴェネプール(ベルギー)の総合優勝を目指すため。しかし移るDSMが本格的なエーススプリンターを擁するのはマルセル・キッテル(ドイツ)のいた2015年以来と、不安視されるのはリードアウトトレインが機能するか否かだ。そのためDSMはエミルス・リエピンシュ(ラトビア、リドル・トレック)やジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)などスピードある選手を補強している。
ジョナサン・ミラン(イタリア)
バーレーン・ヴィクトリアス→リドル・トレック
今年のジロ・デ・イタリア第2ステージで勝利を掴み、一躍トップスプリンターの仲間入りを果たしたミラン。しかし総合争いに注力したチームにリードアウト役はおらず、スプリントでは集団後方から自ら先頭に上がっていくしかなかった。そのため2位が4度と2勝目は叶わなかったものの、初出場のグランツールでマリアチクラミーノ(ポイント賞)を手に入れた。
そしてイタリア期待の若手スプリンターはリドル・トレックと3年契約を結んだ。チームにはスプリントを狙えるマッズ・ピーダスン(デンマーク)がいるものの、ピュアスプリンターであるミランと狙うレースは異なる。またチームは同じイタリア出身のシモーネ・コンソンニやベテランのティム・デクレルク(ベルギー)が加入するため、ミランが求めていた万全のサポート体制が整う。
サム・ベネット(アイルランド)
ボーラ・ハンスグローエ→デカトロンAG2Rラモンディアル
マイヨヴェール獲得という世界トップスプリンターの称号を引っ提げ、2022年にボーラ復帰を果たしたベネット。しかし復帰1年目は膝の怪我で不調に陥り、今年はツールの選手選考に漏れた。
そのベネットがデカトロンAG2Rを選んだ理由は、2020年以来逃し続けているツールに出場するため。「僕はハングリーだし、何としてもツールに戻って強い自分を証明したい」と語るベネット。心配されるのはスプリンターの少ないチームで組むリードアウトトレインだが、本人は「即席でなんとかできるだろう」といたって前向きだ。
カレブ・ユアン(オーストラリア)
ロット・デスティニー→ジェイコ・アルウラー
2018年にチームを離れたユアンはジェイコ・アルウラーに復帰する。気になるのは同じスプリンターであるディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)との棲み分けだが、ブレント・コープランドGMは先んじて「フルーネウェーヘンはツール、ユアンはジロ」と発表。そしてユアンは春に悲願であるミラン〜サンレモの優勝を目指す。
パスカル・アッカーマン(ドイツ)
UAEチームエミレーツ→イスラエル・プレミアテック
2019年のジロでマリアチクラミーノを手にしたアッカーマンは、その後ボーラ・ハンスグローエから移ったUAEでは2年間で僅か4勝と、満足する結果を残すことはできなかった。そして次なるチーム、イスラエル・プレミアテックはジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)が去りエーススプリンターが不在なことに加え、リック・ツァベル(ドイツ)という信頼できるリードアウトもいるため手厚いサポート体制が期待できる。
ランパーティやジャクソン、モルコフにも注目
その他で言えばツアー・オブ・ジャパンで区間2勝を挙げ、ポイント賞に輝いた20歳のルーク・ランパーティ(アメリカ、トリニティレーシング)はスーダル・クイックステップに移籍。本人は「スプリンターではない」と答えるものの、今年のアメリカクリテリウム王者に輝くなどそのスプリント力はプロの世界でも通用するはず。
他にもブルゴスBHに加入する、トラックのポイントレースでオセアニア王者に輝いた23歳のジョージ・ジャクソン(ニュージーランド、ボルトンエクイティース・ブラックスポークプロサイクリング)も注目すべき選手。またリードアウト職人として長らくスーダル・クイックステップで走ったミケル・モルコフ(デンマーク)は、同い年であるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)のツール区間優勝記録更新を助けるべく、アスタナ・カザフスタンに移籍している。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
クライマー編はこちらから。
ファビオ・ヤコブセン(オランダ)
スーダル・クイックステップ→DSM・フィルメニッヒ・ポストNL
レース中の落車で命の危機に瀕したのは2020年のこと。そこから不屈の精神で復活を遂げ、2022年ツール・ド・フランスで初出場&初区間優勝を手に入れた。今年のツールは第2週目でリタイアと悔しい結果に終わったものの、シーズン8勝を飾ったヤコブセンが、次なる活躍の場としたのはDSM・フィルメニッヒ・ポストNLだっった。
スーダル・クイックステップを離れる理由はチームが来季、ツールでレムコ・エヴェネプール(ベルギー)の総合優勝を目指すため。しかし移るDSMが本格的なエーススプリンターを擁するのはマルセル・キッテル(ドイツ)のいた2015年以来と、不安視されるのはリードアウトトレインが機能するか否かだ。そのためDSMはエミルス・リエピンシュ(ラトビア、リドル・トレック)やジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)などスピードある選手を補強している。
ジョナサン・ミラン(イタリア)
バーレーン・ヴィクトリアス→リドル・トレック
今年のジロ・デ・イタリア第2ステージで勝利を掴み、一躍トップスプリンターの仲間入りを果たしたミラン。しかし総合争いに注力したチームにリードアウト役はおらず、スプリントでは集団後方から自ら先頭に上がっていくしかなかった。そのため2位が4度と2勝目は叶わなかったものの、初出場のグランツールでマリアチクラミーノ(ポイント賞)を手に入れた。
そしてイタリア期待の若手スプリンターはリドル・トレックと3年契約を結んだ。チームにはスプリントを狙えるマッズ・ピーダスン(デンマーク)がいるものの、ピュアスプリンターであるミランと狙うレースは異なる。またチームは同じイタリア出身のシモーネ・コンソンニやベテランのティム・デクレルク(ベルギー)が加入するため、ミランが求めていた万全のサポート体制が整う。
サム・ベネット(アイルランド)
ボーラ・ハンスグローエ→デカトロンAG2Rラモンディアル
マイヨヴェール獲得という世界トップスプリンターの称号を引っ提げ、2022年にボーラ復帰を果たしたベネット。しかし復帰1年目は膝の怪我で不調に陥り、今年はツールの選手選考に漏れた。
そのベネットがデカトロンAG2Rを選んだ理由は、2020年以来逃し続けているツールに出場するため。「僕はハングリーだし、何としてもツールに戻って強い自分を証明したい」と語るベネット。心配されるのはスプリンターの少ないチームで組むリードアウトトレインだが、本人は「即席でなんとかできるだろう」といたって前向きだ。
カレブ・ユアン(オーストラリア)
ロット・デスティニー→ジェイコ・アルウラー
2018年にチームを離れたユアンはジェイコ・アルウラーに復帰する。気になるのは同じスプリンターであるディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)との棲み分けだが、ブレント・コープランドGMは先んじて「フルーネウェーヘンはツール、ユアンはジロ」と発表。そしてユアンは春に悲願であるミラン〜サンレモの優勝を目指す。
パスカル・アッカーマン(ドイツ)
UAEチームエミレーツ→イスラエル・プレミアテック
2019年のジロでマリアチクラミーノを手にしたアッカーマンは、その後ボーラ・ハンスグローエから移ったUAEでは2年間で僅か4勝と、満足する結果を残すことはできなかった。そして次なるチーム、イスラエル・プレミアテックはジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)が去りエーススプリンターが不在なことに加え、リック・ツァベル(ドイツ)という信頼できるリードアウトもいるため手厚いサポート体制が期待できる。
ランパーティやジャクソン、モルコフにも注目
その他で言えばツアー・オブ・ジャパンで区間2勝を挙げ、ポイント賞に輝いた20歳のルーク・ランパーティ(アメリカ、トリニティレーシング)はスーダル・クイックステップに移籍。本人は「スプリンターではない」と答えるものの、今年のアメリカクリテリウム王者に輝くなどそのスプリント力はプロの世界でも通用するはず。
他にもブルゴスBHに加入する、トラックのポイントレースでオセアニア王者に輝いた23歳のジョージ・ジャクソン(ニュージーランド、ボルトンエクイティース・ブラックスポークプロサイクリング)も注目すべき選手。またリードアウト職人として長らくスーダル・クイックステップで走ったミケル・モルコフ(デンマーク)は、同い年であるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)のツール区間優勝記録更新を助けるべく、アスタナ・カザフスタンに移籍している。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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