2023/11/06(月) - 07:42
UCI1.2クラスのロードレース「美祢秋吉台カルスト国際ロードレース」が、11月5日(日)に山口県美祢市のカルストロードを往復するコースで行われた。完走率3割未満のサバイバルレースを制したのはベンジャミ・プラデス(JCLチーム右京)。昨年に続き大会2連覇を達成した。
山口県で初開催となるUCIレース「美祢秋吉台カルスト国際ロードレース」は、昨年までジャパンサイクルリーグ(JCL)の「秋吉台カルストロードレース」として行われていた大会を元に、今年はUCI1.2クラスのワンデーレースとして開催されることになった。
コースは、秋吉台国定公園を南北に貫く「カルストロード」を往復し、北側と南側に周回を加えた1周31.9km。往復区間で集団のすれ違いが起きないよう、スタートとフィニッシュのある南側の周回の距離が昨年大会より延長される処置が取られた。レースは4周127.6km。距離は短かめだが、「カルストベルグ」と名付けられた激坂や、先頭から5分以内という厳しいタイムアウト基準と相まって、毎年サバイバルレースになる。
当日は朝から青空が広がり、暑さを感じるほど。レース後半に入ると、カルストベルグを落ち葉が駆け上がるほどの風が吹き、カルストロードの復路が向かい風となって選手を苦しめた。
カルストロードに入ってリアルスタートが切られると、アタック合戦が始まっていく。北側の周回で出来た少人数の先行に合流が相次ぎ、復路のカルストロードに入るまでに16名の先頭集団が形成される。この中には、愛三工業レーシングチームが岡本隼や石上優大ら4名、シマノレーシングが石原悠希、寺田吉騎ら3名を送り込んだのをはじめ、キナンレーシングチーム、チームブリヂストンサイクリング、宇都宮ブリッツェン、レバンテフジ静岡など、国内チームの多くがメンバーを乗せる集団となった。
1周目を終えた時点で後続集団との差は47秒。先頭集団にメンバーを送り込めなかったヴィクトワール広島やJCLチーム右京が集団を牽引するものの、追走する必要のないチームが多勢となったこともあって、その後差は拡大。2周目に入ると集団が二つに分裂したこともあって、1分40秒以上まで差が開く。
2周目、先頭集団は10名まで絞られる一方、山本大喜、ネイサン・アール、ベンジャミ・プラデスらJCLチーム右京が主体となった追走集団がペースアップ。先頭集団から遅れた選手らを吸収しながら、3周目に入るまでに40秒台まで差を縮める。その後6名まで人数を減らした先頭集団は、カルストベルグに入ったところで山本元喜(キナンレーシングチーム)と石上が先行したのをきっかけに崩壊。プラデスを含む追走集団が吸収して4周目に入る。
プラデス、ネイサン・アール(以上JCLチーム右京)、トマ・ルバ、宮崎泰史(以上キナンレーシングチーム)、石上、渡邊翔太郎(以上愛三工業レーシングチーム)、ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)の7名が先行したが、カルストロード北側の周回で10名ほどの集団が追いつく。この中から、プラデス、ルバ、石上、渡邉、ダイボール、谷順成(宇都宮ブリッツェン)の6名が新たな先頭集団を形成。残ったメンバーの中には前日のクリテリウムで優勝したバス・ファンベル(オランダ、Wielerploeg Groot Amsterdam)もいたが、追走の足並みが揃わず差が開いていく。勝負は先行した6名に絞られた。
最後のカルストベルグに入ると石上のペースアップをきっかけにダイボールが加速。プラデスとルバが追従し、3名での勝負へ。最後はプラデスが2人を下し、昨年に続き2連覇を決めた。日本人選手では、谷の5位が最上位となった。
出走74名のうち、完走は17名。今回もサバイバルレースとなった。
ベンジャミ・プラデス コメント
「スタートからハードなレースだったが、最後は強いライバルに競り勝てて嬉しい。スタート直後に出来た逃げにチームから誰も乗れず、1チーム5名という人数では集団をコントロールしきれず、とても難しい展開になってしまった。それに比べたら最後の3人になったあとはとてもイージーだった。このコースは好きだから2連勝出来てとても嬉しい。来週は2連覇のかかるツール・ド・おきなわに出場するが、もちろん連覇にチャレンジするけど、チームの誰かが勝てるようにしたい」
5位 谷順成コメント
「3周目の時点で登り1本では勝てないなと感じたので、その前に行くしかないと考えた。それでメンバーを見ながら必ず飛びついて行こうと思っていて、2回目に行った集団に飛びついたら後ろとの差が開いて決まった。最後のカルストベルグに備えて、そこからさらに行ければ良かったのだけれど、今日は分が悪くそこまで体力が残っていなかった。
チームとしてはJCLチーム右京とヴィクトワール広島が強いとわかっていたので、前の集団に乗せて行く作戦だった。実際にフォン・チュンカイ選手と阿部嵩之選手が乗ったことで自分は集団内で有力選手をマークして動けたので、チームとしては良い展開が出来ていた。でも個人的には前の集団が大きかったので、自分があの集団の中にいるべきだったと思う」
山口県で初開催となるUCIレース「美祢秋吉台カルスト国際ロードレース」は、昨年までジャパンサイクルリーグ(JCL)の「秋吉台カルストロードレース」として行われていた大会を元に、今年はUCI1.2クラスのワンデーレースとして開催されることになった。
コースは、秋吉台国定公園を南北に貫く「カルストロード」を往復し、北側と南側に周回を加えた1周31.9km。往復区間で集団のすれ違いが起きないよう、スタートとフィニッシュのある南側の周回の距離が昨年大会より延長される処置が取られた。レースは4周127.6km。距離は短かめだが、「カルストベルグ」と名付けられた激坂や、先頭から5分以内という厳しいタイムアウト基準と相まって、毎年サバイバルレースになる。
当日は朝から青空が広がり、暑さを感じるほど。レース後半に入ると、カルストベルグを落ち葉が駆け上がるほどの風が吹き、カルストロードの復路が向かい風となって選手を苦しめた。
カルストロードに入ってリアルスタートが切られると、アタック合戦が始まっていく。北側の周回で出来た少人数の先行に合流が相次ぎ、復路のカルストロードに入るまでに16名の先頭集団が形成される。この中には、愛三工業レーシングチームが岡本隼や石上優大ら4名、シマノレーシングが石原悠希、寺田吉騎ら3名を送り込んだのをはじめ、キナンレーシングチーム、チームブリヂストンサイクリング、宇都宮ブリッツェン、レバンテフジ静岡など、国内チームの多くがメンバーを乗せる集団となった。
1周目を終えた時点で後続集団との差は47秒。先頭集団にメンバーを送り込めなかったヴィクトワール広島やJCLチーム右京が集団を牽引するものの、追走する必要のないチームが多勢となったこともあって、その後差は拡大。2周目に入ると集団が二つに分裂したこともあって、1分40秒以上まで差が開く。
2周目、先頭集団は10名まで絞られる一方、山本大喜、ネイサン・アール、ベンジャミ・プラデスらJCLチーム右京が主体となった追走集団がペースアップ。先頭集団から遅れた選手らを吸収しながら、3周目に入るまでに40秒台まで差を縮める。その後6名まで人数を減らした先頭集団は、カルストベルグに入ったところで山本元喜(キナンレーシングチーム)と石上が先行したのをきっかけに崩壊。プラデスを含む追走集団が吸収して4周目に入る。
プラデス、ネイサン・アール(以上JCLチーム右京)、トマ・ルバ、宮崎泰史(以上キナンレーシングチーム)、石上、渡邊翔太郎(以上愛三工業レーシングチーム)、ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)の7名が先行したが、カルストロード北側の周回で10名ほどの集団が追いつく。この中から、プラデス、ルバ、石上、渡邉、ダイボール、谷順成(宇都宮ブリッツェン)の6名が新たな先頭集団を形成。残ったメンバーの中には前日のクリテリウムで優勝したバス・ファンベル(オランダ、Wielerploeg Groot Amsterdam)もいたが、追走の足並みが揃わず差が開いていく。勝負は先行した6名に絞られた。
最後のカルストベルグに入ると石上のペースアップをきっかけにダイボールが加速。プラデスとルバが追従し、3名での勝負へ。最後はプラデスが2人を下し、昨年に続き2連覇を決めた。日本人選手では、谷の5位が最上位となった。
出走74名のうち、完走は17名。今回もサバイバルレースとなった。
ベンジャミ・プラデス コメント
「スタートからハードなレースだったが、最後は強いライバルに競り勝てて嬉しい。スタート直後に出来た逃げにチームから誰も乗れず、1チーム5名という人数では集団をコントロールしきれず、とても難しい展開になってしまった。それに比べたら最後の3人になったあとはとてもイージーだった。このコースは好きだから2連勝出来てとても嬉しい。来週は2連覇のかかるツール・ド・おきなわに出場するが、もちろん連覇にチャレンジするけど、チームの誰かが勝てるようにしたい」
5位 谷順成コメント
「3周目の時点で登り1本では勝てないなと感じたので、その前に行くしかないと考えた。それでメンバーを見ながら必ず飛びついて行こうと思っていて、2回目に行った集団に飛びついたら後ろとの差が開いて決まった。最後のカルストベルグに備えて、そこからさらに行ければ良かったのだけれど、今日は分が悪くそこまで体力が残っていなかった。
チームとしてはJCLチーム右京とヴィクトワール広島が強いとわかっていたので、前の集団に乗せて行く作戦だった。実際にフォン・チュンカイ選手と阿部嵩之選手が乗ったことで自分は集団内で有力選手をマークして動けたので、チームとしては良い展開が出来ていた。でも個人的には前の集団が大きかったので、自分があの集団の中にいるべきだったと思う」
美祢秋吉台カルスト国際ロードレース 結果(122.8km)
1位 | ベンジャミ・プラデス(スペイン、JCLチーム右京) | 3時間2分28秒 |
2位 | ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | +1秒 |
3位 | トマ・ルバ(フランス、キナンレーシングチーム) | +7秒 |
4位 | ネイサン・アール(オーストラリア、JCLチーム右京) | +15秒 |
5位 | 谷 順成(宇都宮ブリッツェン) | +23秒 |
6位 | 石上優大(愛三工業レーシングチーム) | +36秒 |
7位 | 宮崎泰史(キナンレーシングチーム) | +1分15秒 |
8位 | バス・ファン ベル(オランダ、WPGA) | +1分18秒 |
9位 | 渡邊翔太郎(愛三工業レーシングチーム) | +1分36秒 |
10位 | 山本元喜(キナンレーシングチーム) | +3分38秒 |
中間スプリント賞
岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
山本元喜(キナンレーシングチーム)
山岳賞
山本元喜(キナンレーシングチーム)
トマ・ルバ(キナンレーシングチーム)
text:Satoru Kato
photo:Satoru Kato, JCL
岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
山本元喜(キナンレーシングチーム)
山岳賞
山本元喜(キナンレーシングチーム)
トマ・ルバ(キナンレーシングチーム)
text:Satoru Kato
photo:Satoru Kato, JCL
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