24年ツール全貌が明らかに　未舗装路や7つの山岳、最終日は35年振りの個人TT

10月25日（水）にパリで行われた2024年ツール・ド・フランスのコースプレゼンテーション。史上初となるイタリア開幕のレースは7つの山岳ステージや第9ステージの未舗装路、更に最終日ニースでの個人タイムトライアルなど、多種多様なステージがバランス良く詰め込まれた。

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2022年12月に発表された通り、第111回ツール・ド・フランスのグランデパール（開幕地）となるのはイタリア中部トスカーナ州のフィレンツェ。また同時期にパリ五輪が開催されるため、フィニッシュ地点はパリ・シャンゼリゼではなくリゾート地ニースで締めくくられる。

全21ステージの総距離3,492kmは昨年（3,404km）と大差ないものの、総獲得標高差は昨年よりも約4,000mほど減となった52,320m。スプリンターが躍動する平坦ステージは8つ用意され、丘陵は4、山岳は7つでそのうち山頂フィニッシュは4つ。そして今大会のハイライトと言えるのは第7ステージと最終第21ステージに設定された2つの個人タイムトライアル（25km+34km＝59km）と未舗装路区間が14つ登場する第9ステージ、そしてクイヨール峠を駆け上がる第20ステージだ。

ステージカテゴリー内訳
平坦ステージ：8
丘陵ステージ：4（山頂フィニッシュ：2）
山岳ステージ：7（山頂フィニッシュ：4）
個人タイムトライアル：2

史上初のイタリアが舞台となる大会初日は、サンマリノ共和国を経由しながらアドリア海沿岸の街リミニにフィニッシュする丘陵ステージ。獲得標高差が約3,800mとタフなステージで幕を開け、2日目も初日よりも難易度を下げた丘陵ステージ。そして3日目は集団スプリントが濃厚の平坦ステージがやってくる。

第4ステージも出発地点はイタリアだがコース中央でフランスに入国。このアルプスを舞台とした今大会最初の山岳ステージには超級山岳ガリビエ峠（距離23km/平均5.1%）が登場する。そして詳細なコースプロフィールは明らかにされていないが、コース中央に丘が設定された25kmの個人TT（第7ステージ）と翌日の平坦ステージを経て、第1週目の最終日にグラベルステージが登場する。

トロワを発着地点とする第9ステージは14箇所の未舗装路区間が設定され、その合計距離は32km（総距離199km）。白い埃が舞い上がるストラーデビアンケのようなレースが予想され、雨が降ればその難易度は何倍にも跳ね上がる。

第1休息日をフランス中北部オルレアンで過ごした選手たちは、ここから一気に南下。今大会初の本格山岳ステージ＆山頂フィニッシュが待ち受ける第14ステージは、途中に超級山岳トゥールマレーを越え、サンラリ・スランプラダデ（距離10.6km/平均7.9%）にフィニッシュする。そして翌第15ステージの超級山岳プラトー・ド・ベイユの山頂にて第2週目が終了する。

総合優勝の行方が決まるツール第3週目の舞台はアルプス山脈。今大会の最高標高地点となるのが「フランスで最も高い舗装路」のあるボネット峠（標高2,802m）を越える第19ステージで、その頂上から904m地点まで下り、フィニッシュ地点であるイゾラ2000（標高2,024m）の山頂まで再び駆け上がる。

今大会のクイーンステージと目されている第20ステージは、スタート直後から3つの山岳を越えて最後はクイヨール峠（距離15.7km/平均7.1%）にフィニッシュする133km。そして最終日はモナコからニースに向かう34kmの個人タイムトライアル。毎年パリ・シャンゼリゼでの平坦ステージではなく、個人TTで締めくくられるのはグレッグ・レモン（アメリカ）が逆転劇の末に総合優勝した1989年大会以来、35年振りのことだ。

プレゼンテーションに登場したヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク、ユンボ・ヴィスマ）やマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、アスタナ・カザフスタン）のコメント、また同じく発表されたツール・ド・フランス・ファムのコース詳細は別記事にてお伝えします。