ワールドチーム昇格1年目のアルペシン・ドゥクーニンクが、早くも2024年のロースター確定を発表した。今年のツールで区間4勝のヤスペル・フィリプセン(ベルギー)や世界王者マチュー・ファンデルプール(オランダ)を中心に、若手を補強した強力な30名となった。



パリ〜ルーベ制覇を成し遂げたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

2023年はマチュー・ファンデルプール(オランダ)がミラノ〜サンレモとパリ〜ルーベ、ロード世界選手権を制し、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー)がツール・ド・フランスで区間4勝と共にマイヨヴェール(ポイント賞)を獲得したアルペシン・ドゥクーニンク。更に新加入のカーデン・グローブス(オーストラリア)がブエルタ・ア・エスパーニャでマイヨプントス(ポイント賞)に輝くなど、ワールドチーム昇格1年目にして大成功のシーズンとなった。

来シーズンに向けチームは今年のジャパンカップにも出場したスタン・ファントリヒト(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やユーリ・ホルマン(ドイツ、モビスター)を獲得。またディベロップメントチームから今年のロード世界選手権U23ロードレースで優勝したアクセル・ローランス(フランス)ら4名が昇格し、更にユンボ・ヴィスマの下部チームからタイムトライアルに長けた22歳のラース・ボヴィン(オランダ)が加入。若手中心の補強となった。

一方で2022年のジロ・デ・イタリアで区間優勝したステファノ・オルダーニ(イタリア)はコフィディスへ移籍し、またプロ通算48勝を誇るスプリンターのヤコブ・マレツコ(イタリア)は移籍先がいまだ明らかになっていないものの、退団が決まっている。

アルペシンに新加入するU23ロード世界王者のアクセル・ローランス(フランス) photo:CorVos

今年、キャリアハイの活躍を見せたヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:So Isobe

今年チームが挙げた35勝のうち、半分以上の19勝をもたらしたフィリプセン。地元ベルギーのインタビューに対し「今後はマイヨヴェールをできる限り狙いたい。今年のツールではワウト・ファンアールトが狙いに行かずラッキーだった。だが自分の登りとスプリント力を持ってさえすれば毎年マイヨヴェールを狙うことは可能だ。僕は十分ワウトの好敵手となり得る」とコメントした。

今年のパリ〜ルーベで2位に入ったことが、単なるスプリンターではなくワンデーレースを狙う自信に繋がったと言うフィリプセン。来年の目標を聞かれ「ベルギー選手権と(故郷からほど近い)ハッセルトで開催されるヨーロッパ選手権の優勝を狙いたい。更にツールの直後に行われるパリ五輪のロードレースもだ」と答えた。
アルペシン・ドゥクーニンク2024年ロースター
モーリス・バラーシュテット(ドイツ)
トビアス・バイヤー(オーストリア)
ラース・ボヴィン(オランダ)*ユンボ・ヴィスマの下部チームより加入
ニコラ・コンチ(イタリア)
シルヴァン・ディリエ(スイス)
サムエル・ゲイズ(ニュージーランド)
ロベ・ヘイス(ベルギー)
ミヒャエル・ゴグル(オーストリア)
カーデン・グローブス(オーストラリア)
クインテン・ヘルマンス(ベルギー)
ユーリ・ホルマン(ドイツ)*下部チームより加入
ジミー・ヤンセンス(ベルギー)
ティモ・キーリッヒ(ベルギー)*下部チームより加入
セーアン・クラーウアナスン(デンマーク)
アクセル・ローランス(フランス)*下部チームより加入
セネ・レイセン(ベルギー)
クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー)
ジェイソン・オズボーン(ドイツ)
ヤスペル・フィリプセン(ベルギー)
エドワルト・プランカールト(ベルギー)
イェンセン・プロウライト(オーストラリア)
ヨナス・リカールト(ベルギー)
オスカル・リースビーク(オランダ)
ラモン・シンケルダム(オランダ)
ヘンリ・ウーリヒ(ドイツ)*モビスターより加入
ファビオ・ファンデンボッセ(ベルギー)
マチュー・ファンデルプール(オランダ)
スタン・ファントリヒト(ベルギー)*スーダル・クイックステップより加入
ルカ・ヴェルガリート(イタリア)*下部チームより加入
ジャンニ・フェルミールス(ベルギー)
退団選手一覧
ドリース・デボント(ベルギー)
アレクサンダー・クリーガー(ドイツ)→チューダー・プロサイクリングチームへ
ヤコブ・マレツコ(イタリア)
ステファノ・オルダーニ(イタリア)→コフィディスへ
クリスティアン・ズバラーリ(イタリア)
ロバート・スタナード(オーストラリア)
リオネル・タミニオー(ベルギー)→ロット・デスティニーへ
text:Sotaro.Arakawa

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