UCIレースの2024年シーズン初戦かつ、ゼネク・スティバル(チェコ)の引退レースとなった香港サイクロソン。ワールドチームとして唯一出場したジェイコ・アルウラーが圧倒するなか、独走でルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ジェイコ・アルウラー)が勝利した。



2024年シーズンの初戦となった香港サイクロソン photo:Hong Kong Tourism Board

中国の南東部にある特別行政区、香港。その政府観光局が主催するサイクルイベント「サンフンカイ・プロパティ・香港サイクロソン」の一部として、第2回目となるワンデーレースが開催された。2017年の初回大会には日本ナショナルチームや愛三工業レーシングなど日本人選手も出場し、マテイ・モホリッチ(スロベニア、当時UAEチームエミレーツ)が優勝。ナショナルチームとして参戦した新城幸也が3位に入った大会だ。

UCIポイントが付与されるレースとしては2024年シーズンの初戦となった本大会には、唯一のワールドチームとしてジェイコ・アルウラーが出場。また今季限りでの引退を発表したゼネク・スティバル(チェコ)にとって現役最後のレースとなった。

アタックが繰り返されるサバイバルなレースとなった photo:Hong Kong Tourism Board

レースは終始ジェイコ・アルウラーがコントロール下に置く photo:Hong Kong Tourism Board

4.3kmのコースを24周回する103.2kmで争われたレースは、序盤からジェイコとプロチームであるチーム・コラテックがコントロールする。周回を重ねる度にメイン集団の人数が減っていき、22歳のネオプロ(プロ1年目)であるルディ・ポーター(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)などのアタックによってレースが活性化する。そして先頭集団は16名に絞られ、残り6周回目に飛び出したルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ジェイコ・アルウラー)が単独先頭に立った。

コラテックやオーストラリアのコンチネンタルチームであるARAスキップ・キャピタルが追走したものの、ジェイコのスティバルやブレイク・クイック(オーストラリア)がマークしたためその差は縮まらない。そして最終的に後続から1分18秒のリードを築いたペストルベルガーが、2024年シーズン初戦を制した。

アタックを決め、独走勝利したルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ジェイコ・アルウラー) photo:Hong Kong Tourism Board

今年ボーラ・ハンスグローエから移籍後、初勝利を飾ったペストルベルガー。「チームにとってシーズン最後のレースを勝利で締めくくることができ、本当に嬉しい。タイトなコーナーやヘアピンカーブのあるなか、一度集団から遅れたら2度と戻ってくることができないような展開だった。そんな中でも僕らは積極的なレースを見せ、この素晴らしい香港でスティバルと共に表彰台に上がることができて素晴らしい気持ちだよ」と勝利を喜んだ。

2位を争うスプリントでは、おおいたアーバンクラシックで2位に入ったケイン・リチャーズ(オーストラリア、ARAスキップ・キャピタル)がスティバルを抑えて先着。そして過去3度シクロクロス世界選手権を制し、ロードでもツール・ド・フランスの区間優勝やストラーデビアンケ制覇など輝かしい成績を残したスティバルが、現役最後のレースで3位表彰台に上がった。

ペストルベルガーと共に勝利を喜ぶゼネク・スティバル(チェコ、ジェイコ・アルウラー) photo:Hong Kong Tourism Board

サンフンカイ・プロパティ・香港サイクロソン2023の表彰式 photo:Hong Kong Tourism Board

サンフンカイ・プロパティ・香港サイクロソン2023結果
1位 ルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ジェイコ・アルウラー) 2:29:24
2位 ケイン・リチャーズ(オーストラリア、ARAスキップ・キャピタル) +1:18
3位 ゼネク・スティバル(チェコ、ジェイコ・アルウラー)
4位 ブレイク・クイック(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) +1:42
5位 ポリクロニス・ゾルザキス(ギリシャ、ロージャイ・オンラインインショランス)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos