2023/10/14(土) - 19:06
ジャパンカップ・ロードレースと同じコースを使用して行われたオープンレースは、男子は僅差のスプリント勝負を制した内田宇海(弱虫ペダルサイクリングチーム)が優勝。女子は1周目から独走した樫木祥子(株式会社オーエンス)が逃げ切って優勝した。
ジャパンカップ本戦を翌日に控える土曜日、同じコースを使用して行われるのが「オープンレース」だ。その名前の通り、男女共にジュニア以上の選手が出場可能で、普段のレースでは一緒に走ることのない選手同士が争う。過去にはこのレースでの優勝をきっかけに活躍の場を広げた選手もおり、若手選手の登竜門レースとされる。
この日は朝から秋晴れ。朝晩は寒さを感じるほどの宇都宮市だが、オープンレースがスタートした午前11時頃には、日なたでは暑さを感じるほどの陽気になった。
男子 スプリント勝負で内田宇海が米谷隆志を下して2連覇
男子は7周72.1kmのレースに85名が出走。2018年優勝の米谷隆志(ベルマーレ・レーシングチーム)と、2022年優勝の内田宇海(弱虫ペダルサイクリングチーム)が主導してペースを上げ、人数を絞っていく。レース中盤の4周目までに先頭集団は10名ほどまで絞られたが、古賀志林道の登りで米谷がペースアップしてさらに人数を減らしていく。
残り2周となる6周目までに残ったのは9名。最終周回に入ると上り口から米谷がアタック。これをきっかけに内田、橋本友哉(往来教)が次々とアタックして先頭集団はバラバラになり、頂上を過ぎて米谷、内田、橋本の3名が残った。田野の交差点を過ぎた直後の短い登りで米谷がアタックするも決定打とならず、牽制を交えながら残り1kmを過ぎる。勝負は3名でのスプリントへ。
先に仕掛けた米谷の後方から、「練習で少し自信がついてきたスプリントに挑戦してみた」と言う内田が並びかける。ほぼ同時にフィニッシュラインでハンドルを投げ合った米谷と内田だが、どちらが勝ったかわからないほどの僅差。判定の結果、内田の先着が確定し、オープン男子2連覇を達成した。
2連覇は狙っていたと言う内田は、「同じ脚質の米谷選手と、1周目から集団にダメージを与えて人数を絞っていった。『僕らがペースを上げていくしかない』と米谷さんと話していたので、2人で交互にペースを上げていく感じで終盤まで続けた。最終周回の登りでアタックして1人で行きたかったけれど、自分も米谷さんも疲弊していて我慢くらべのようになってしまった。最後のスプリントは1センチくらいしか差が無かったと思うが、直後はどちらが勝ったか分からなかった」と話す。
「今シーズンは6月のJBCF日本CSCロードレースで優勝。フランス遠征もこなして好調が続いていたが、チームメイトの五十嵐洸太選手が事故で亡くなり、9月は練習がまったく出来なかった。でもいつまでも落ち込んでいられないのでチームメイトとこのレースを目標に練習を再開して戻してこられた」と、今シーズンを振り返る。そして「来年は海外にチャレンジできる機会を頂けそうなので、しっかり準備して臨みたい」と、次の目標を語った。
女子 樫木祥子が独走逃げ切りで優勝
女子は3周30.9kmのレースに7名が出走。今年は鹿児島国体と日程が重なったこともあってか、近年では最小人数での出走となった。
1周目の古賀志林道の登りで、木下友梨菜が先頭に出てペースメイクしていく。登りの中腹あたりまでに4名ほどになったところで、樫木祥子(株式会社オーエンス)がアタックし、単独で頂上を通過。木下が10秒ほどの差で追うものの、その後タイム差は広がっていく。
「1人になってからはペースをも守ってフィニッシュまでタイムトライアルした」と言う樫木は、その後もタイム差を広げ、2位の木下との差を1分以上まで広げてフィニッシュした。
2022年に全日本選手権で優勝した樫木だが、6月のアジア選手権に出場したあと腰を痛めて今年の全日本選手権を欠場。今シーズンでの引退を表明していた。今回のレースはそのアジア選手権以来だと言う。
「痛めた腰は長時間は無理だけれど、このレースくらいなら何とか、という感じ。木下さんは登りが強いと聞いていたので、アタックして1人になったらそのまま行くし、ダメならスプリントでと考えていた。登りでアタックしたら1人になれたので、そのまま行くことにした」と、レースを振り返る樫木。引退の理由を聞くと「腰痛を抱えて長距離のレースを走ることが難しくなったから、世界レベルのレースを走れない。だったらもう選手を続ける必要は無いと思った」と、話す。
「来年はしっかり働くのと並行して、後進の育成に取り組みたい。若い選手に海外で走る機会を与えるためにクラウドファウンディングで資金を募っているので、ご協力をお願いしたい」と、今取り組んでいるプロジェクトについて意欲を語った。(詳しくはこちら)
一方、2位の木下は、9月に新潟県南魚沼市で開催された「JBCF女子チャンピオンシップ」にロードレース初出場にして初優勝を遂げ、今回が2戦目と言う。ヒルクライムでの活躍が知られているが、ロードーレースでの可能性を再び見せた。
「樫木さんと一緒に走れるチャンスだったので、どこまでついて行けるか楽しみにしていたが、同じ土俵に立つ隙もなく姿が見えなくなってしまった。これが世界で戦っている方なんだと実感し、もっと頑張らねばならないと思った」と、今後の意気込みを語った。
ジャパンカップ本戦を翌日に控える土曜日、同じコースを使用して行われるのが「オープンレース」だ。その名前の通り、男女共にジュニア以上の選手が出場可能で、普段のレースでは一緒に走ることのない選手同士が争う。過去にはこのレースでの優勝をきっかけに活躍の場を広げた選手もおり、若手選手の登竜門レースとされる。
この日は朝から秋晴れ。朝晩は寒さを感じるほどの宇都宮市だが、オープンレースがスタートした午前11時頃には、日なたでは暑さを感じるほどの陽気になった。
男子 スプリント勝負で内田宇海が米谷隆志を下して2連覇
男子は7周72.1kmのレースに85名が出走。2018年優勝の米谷隆志(ベルマーレ・レーシングチーム)と、2022年優勝の内田宇海(弱虫ペダルサイクリングチーム)が主導してペースを上げ、人数を絞っていく。レース中盤の4周目までに先頭集団は10名ほどまで絞られたが、古賀志林道の登りで米谷がペースアップしてさらに人数を減らしていく。
残り2周となる6周目までに残ったのは9名。最終周回に入ると上り口から米谷がアタック。これをきっかけに内田、橋本友哉(往来教)が次々とアタックして先頭集団はバラバラになり、頂上を過ぎて米谷、内田、橋本の3名が残った。田野の交差点を過ぎた直後の短い登りで米谷がアタックするも決定打とならず、牽制を交えながら残り1kmを過ぎる。勝負は3名でのスプリントへ。
先に仕掛けた米谷の後方から、「練習で少し自信がついてきたスプリントに挑戦してみた」と言う内田が並びかける。ほぼ同時にフィニッシュラインでハンドルを投げ合った米谷と内田だが、どちらが勝ったかわからないほどの僅差。判定の結果、内田の先着が確定し、オープン男子2連覇を達成した。
2連覇は狙っていたと言う内田は、「同じ脚質の米谷選手と、1周目から集団にダメージを与えて人数を絞っていった。『僕らがペースを上げていくしかない』と米谷さんと話していたので、2人で交互にペースを上げていく感じで終盤まで続けた。最終周回の登りでアタックして1人で行きたかったけれど、自分も米谷さんも疲弊していて我慢くらべのようになってしまった。最後のスプリントは1センチくらいしか差が無かったと思うが、直後はどちらが勝ったか分からなかった」と話す。
「今シーズンは6月のJBCF日本CSCロードレースで優勝。フランス遠征もこなして好調が続いていたが、チームメイトの五十嵐洸太選手が事故で亡くなり、9月は練習がまったく出来なかった。でもいつまでも落ち込んでいられないのでチームメイトとこのレースを目標に練習を再開して戻してこられた」と、今シーズンを振り返る。そして「来年は海外にチャレンジできる機会を頂けそうなので、しっかり準備して臨みたい」と、次の目標を語った。
女子 樫木祥子が独走逃げ切りで優勝
女子は3周30.9kmのレースに7名が出走。今年は鹿児島国体と日程が重なったこともあってか、近年では最小人数での出走となった。
1周目の古賀志林道の登りで、木下友梨菜が先頭に出てペースメイクしていく。登りの中腹あたりまでに4名ほどになったところで、樫木祥子(株式会社オーエンス)がアタックし、単独で頂上を通過。木下が10秒ほどの差で追うものの、その後タイム差は広がっていく。
「1人になってからはペースをも守ってフィニッシュまでタイムトライアルした」と言う樫木は、その後もタイム差を広げ、2位の木下との差を1分以上まで広げてフィニッシュした。
2022年に全日本選手権で優勝した樫木だが、6月のアジア選手権に出場したあと腰を痛めて今年の全日本選手権を欠場。今シーズンでの引退を表明していた。今回のレースはそのアジア選手権以来だと言う。
「痛めた腰は長時間は無理だけれど、このレースくらいなら何とか、という感じ。木下さんは登りが強いと聞いていたので、アタックして1人になったらそのまま行くし、ダメならスプリントでと考えていた。登りでアタックしたら1人になれたので、そのまま行くことにした」と、レースを振り返る樫木。引退の理由を聞くと「腰痛を抱えて長距離のレースを走ることが難しくなったから、世界レベルのレースを走れない。だったらもう選手を続ける必要は無いと思った」と、話す。
「来年はしっかり働くのと並行して、後進の育成に取り組みたい。若い選手に海外で走る機会を与えるためにクラウドファウンディングで資金を募っているので、ご協力をお願いしたい」と、今取り組んでいるプロジェクトについて意欲を語った。(詳しくはこちら)
一方、2位の木下は、9月に新潟県南魚沼市で開催された「JBCF女子チャンピオンシップ」にロードレース初出場にして初優勝を遂げ、今回が2戦目と言う。ヒルクライムでの活躍が知られているが、ロードーレースでの可能性を再び見せた。
「樫木さんと一緒に走れるチャンスだったので、どこまでついて行けるか楽しみにしていたが、同じ土俵に立つ隙もなく姿が見えなくなってしまった。これが世界で戦っている方なんだと実感し、もっと頑張らねばならないと思った」と、今後の意気込みを語った。
ジャパンカップ オープンレース 結果
女子(30.9km) | ||
1位 | 樫木祥子(株式会社オーエンス) | 53分58秒 |
2位 | 木下友梨菜 | +1分23秒 |
3位 | 福山 舞(湾岸サイクリング・ユナイテッド) | +6分7秒 |
4位 | 廣瀬博子(サイタマサイクルプロジェクト) | +6分10秒 |
5位 | 中村友紀子(京浜ピストクラブ) | 16分8秒 |
6位 | 田上萌々子(モアパワーレーシング) | +20分22秒 |
7位 | 小髙セツコ(おばぁの宿&北海道の味『積丹』 | +24分43秒 |
男子(72.1km) | ||
1位 | 内田宇海(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 1時間52分54秒 |
2位 | 米谷隆志(ベルマーレ・レーシングチーム) | +0秒 |
3位 | 橋本友哉(往来教) | |
4位 | 横矢 峻(アヴニールサイクリング山梨) | +34秒 |
5位 | 平口泰輔(札幌じてんしゃ本舗) | |
6位 | 岩島啓太(MIVRO) | |
7位 | 高岡亮寛(Roppongi Express) | +1分34秒 |
8位 | 渡邉和貴(アヴニールサイクリング山梨) | |
9位 | 木村裕己(RoppongiExpress) | |
10位 | 小林 亮(soleil de lest) |
男子スプリント賞 | ||
3周回完了時 | 6周回完了時 | |
1位 | ⻑谷川 大(イナーメ信濃山形) | 横矢 峻(アヴニールサイクリング山梨) |
2位 | 渡邉和貴(アヴニールサイクリング山梨) | 岩島啓太(MIVRO) |
3位 | 豊田勝徳(TREK MINIBUS RACING TEAM) | 米谷隆志(ベルマーレレーシングチーム) |
チャレンジレース
例年2クラスに分けて開催されることが多いチャレンジレースだが今年は1クラスにまとめた1レースで開催。地元ブラウブリッツェンの選手が多勢、しかし元気のいい選手が登りで積極的に仕掛けていく。
集団は登りを経るごとに小さくなるが、小集団にまではならず。田野町交差点から折り返しての長いアップダウン区間でブラウブリッツェンの選手が単独逃げを試みるがホームストレートに入る直前に吸収、勝負はゴールスプリントに。
伸びを見せたのは2019年にもこのレースを制しているスプリンターの白鳥興寛(ARCC)だった。2位に佐藤寛朗(あうとばーんごてんば!)、3位に笹木仁一郎(バルバクラブカナザワ)が入った。
text&photo:Satoru Kato(OPEN race)、Makoto AYANO(Challenge race)
例年2クラスに分けて開催されることが多いチャレンジレースだが今年は1クラスにまとめた1レースで開催。地元ブラウブリッツェンの選手が多勢、しかし元気のいい選手が登りで積極的に仕掛けていく。
集団は登りを経るごとに小さくなるが、小集団にまではならず。田野町交差点から折り返しての長いアップダウン区間でブラウブリッツェンの選手が単独逃げを試みるがホームストレートに入る直前に吸収、勝負はゴールスプリントに。
伸びを見せたのは2019年にもこのレースを制しているスプリンターの白鳥興寛(ARCC)だった。2位に佐藤寛朗(あうとばーんごてんば!)、3位に笹木仁一郎(バルバクラブカナザワ)が入った。
text&photo:Satoru Kato(OPEN race)、Makoto AYANO(Challenge race)
フォトギャラリー
Amazon.co.jp
栃木の味 レモン入り牛乳 タルトクッキー 21個入り 栃木限定 旅行土産
¥1,822 (¥87 / 個)
栃木の味 レモン入牛乳 ラングドシャ 1個 (x 1)
¥1,240 (¥124 / 個)