イタリア北部のヴェネト州で行われたジロ・デル・ヴェネト。ヒルシやヨハンネセンなど有力クラシックレーサーが集ったレースは登坂スプリントに持ち込まれ、ドリアン・ゴドン(フランス、AG2Rシトロエン)が今季2勝目を掴んだ。



ユアン復帰で話題のジェイコ・アルウラーからはマイケル・マシューズ(オーストラリア)をエースに出場 photo:Giro del Veneto

既にシーズンを終える選手がいるなか、10月11日(水)にイタリア北部のヴェネト州でジロ・デル・ヴェネト(UCI1.Pro)が開催された。今年で86回目を迎える本大会は過去にミラノ〜サンレモなどを制したフィリッポ・ポッツァートが主催するワンデーレースで、10月13日のセレニッシマ・グラベルレースと10月15日のヴェネト・クラシック(UCI1.Pro)というレースシリーズの初戦でもある。

コースは短くも急勾配の坂が登場する丘陵レースで、ラストはモンテ・ベリコ(距離0.7km/平均8.1%)がフィニッシュ手前に設定された15kmコースを4周する。そのため登りもこなせるスプリンターにもチャンスがあるため、前回優勝者のマッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)の他、アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー)など有力選手たちが揃った。

逃げ集団を形成したスタン・デウルフ(ベルギー、AG2Rシトロエン)ら6名 photo:Giro del Veneto

フィニッシュに近づくにつれ逃げとの距離を縮めるプロトン photo:Giro del Veneto

170.12kmのレースはスタートして2時間ほど逃げが形成されず、残り100kmの手前でようくスタン・デウルフ(ベルギー、AG2Rシトロエン)ら6名が逃げグループとして先頭に立つ。最大4分差のリードを得た逃げに対し、メイン集団ではヤコブ・フルサン(デンマーク)やコービン・ストロング(ニュージーランド)を擁するイスラエル・プレミアテックが牽引を担当した。

フィニッシュラインの引かれたビチェンツァの周回コースに入り、最終周回まで粘った逃げグループは残り7kmで吸収。その頃までにプロトンは絞られ、クラシックライダーであるフロリアン・フェルミールス(ベルギー、ロット・デスティニー)のアタックにトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)が食らいつく。

最後まで粘った逃げも残り7km地点で引き戻された photo:Giro del Veneto

しかしこの動きは決まらず、引き戻したプロトンはウノエックスからUAEチームエミレーツに牽引が移りながらモンテ・ベリコ(距離0.7km/平均8.1%)に突入。登坂スプリントで先頭に立ったマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)のスピードが伸び悩むなか、ドリアン・ゴドン(フランス、AG2Rシトロエン)が加速。迫るヨハンネセンやフェルミールスを振り切り、ゴドンが勝者に輝いた。

登坂スプリントを制したドリアン・ゴドン(フランス、AG2Rシトロエン) photo:Giro del Veneto

ジロ・デル・ヴェネト2023表彰台:2位ヨハンネセン、1位ゴドン、3位フェルミールス photo:Giro del Veneto

今年4月のブラバンツ・パイルに続き、今シーズン2勝目を飾ったゴドン。「素晴らしい勝利だし、ここ数週間に渡る努力が実った。夏は調子が悪かったものの、ブエルタ・ア・エスパーニャでの3週間によって力がついたのだろう。今シーズンを良い形で終えたかったので、勝利という完璧な結果は嬉しいよ」と喜んだ。

2位には今年のツール・ド・フランスでも勝利に迫ったヨハンネセンが入り、フェルミールスは3位で表彰台に上がっている。
ジロ・デル・ヴェネト2023結果
1位 ドリアン・ゴドン(フランス、AG2Rシトロエン) 3:43:05
2位 トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)
3位 フロリアン・フェルミールス(ベルギー、ロット・デスティニー)
4位 コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)
5位 マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)
6位 ルーカ・モッツァート(イタリア、アルケア・サムシック)
7位 サムエーレ・バティステッラ(イタリア、アスタナ・カザフスタン) +0:03
8位 マティス・ルーヴェル(フランス、アルケア・サムシック)
9位 アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー)
10位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、Q36.5プロサイクリングチーム)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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