DT Swissやマキシス、トピークなど様々なブランドを展開するマルイが、2023年の展示会を開催した。各ブランドから登場した新型ホイールやタイヤ、アクセサリーを紹介するとともに、サポート選手である池田祐樹さんの新型タイヤをテスト使用したコメントとともにお届けしよう。



DT Swissはアルミホイールのラインアップを一気に刷新した

手頃なプライスレンジで手を伸ばしたことのある方も多いだろうトピークやフィニッシュライン、タイオガを取り扱うマルイ。兵庫県に拠点を構えるマルイは非常に多くの海外ブランドを国内に紹介するだけでなく、近年では!CYCLES、ADEPTなどオリジナルブランドも手がける老舗だ。そんなマルイが東京でプロショップ向けの展示会を開催。シクロワイアードも浅草橋の一角で開かれているディーラーショーに足を運んだ。

まず紹介したいのは、エアロダイナミクスに優れるロードホイールARCシリーズなどでお馴染みのDT Swissから。カーボンのハイエンドホイールには変更がないものの、アルミ製のロード系ホイールにアップデート版が多数登場しており、完成車のホイールからグレードアップを検討している方や、トレーニングで使うためのホイールを探している方、ガンガン使い倒したいホビーレーサーにぴったりなラインアップにブラッシュアップされている。

エアロ系ホイールに定評のあるDT SwissのARC1400DICUT

ロードライディングを主に楽しむ方向けのPR 1600 Splineも時代のニーズに合わせて調整されている。注目のポイントは2点。リムの内幅が20mmへと拡幅しており、レース現場でポピュラーになっている28Cや、今年新型バイクが続々リリースされ盛り上がっているエンデュランスロードにぴったりな30Cに適したリムとなっている。

またフリーハブボディに組み込まれるラチェットが、DT Swissが誇る36Tのスターラチェット(面ラチェットギア)にアップグレードされたことがニュース。従来の18Tよりも嵌合ポイントが2倍となったことで、ペダリングに対して細かく反応するホイールへと進化している。

DT Swiss 1800グレードは3ポールからラチェットシステムへとグレードアップ

他にもリムの内幅が22mmのERシリーズにも1400、1600の新製品が登場している。これは32mm幅、35mm幅タイヤに適合する設計が採用されており、PRシリーズよりも太いタイヤを履かせたいサイクリストにおすすめのモデルだ。1400グレードは36TのラチェットEXP(軽量モデル)、1600グレードでは36Tのスターラチェットが採用されたホイールのため、予算や使用シチュエーションに合わせて選べるようになっている。

エントリーグレードの面ラチェットシステムのLNを採用したC 1800(リム内幅22mm、シクロクロス用)、G 1800(リム内幅24mm、グラベル用)も展開されており、定着しつつあるグラベルバイクの完成車からホイールをアップデートするのにうってつけだ。

30C以上のタイヤにマッチするER1400

続いてピックアップするのはオフロードタイヤに定評のあるマキシス。今回の展示会で登場した主な新製品はグラベルレース向けタイヤのReaverと、マッドコンディション向けMTB XCレース用タイヤのSevereの2種類。

Reaverは転がり抵抗を低減させつつも、トラクション性能を確保するために、センター部分はダイヤモンドパターンとパドルノブを組み合わせていることが特徴。サイド部分はコーナリンググリップを発揮するために張り出したノブが備えられており、さらにサイピングによって荷重が加わった時も路面を捉え続けてくれる性能を実現した。

マキシスからグラベルレースタイヤのREAVERがローンチされた

グラベルレース向けにトレッドが設計されている

Severeは転がり抵抗の低減とルーズな路面でのグリップ力、泥はけ性能をバランスさせたレースタイヤ。これらの性能を実現するためにノブは小さすぎず、低すぎない形状に作られつつ、配置をアレンジすることでグリップ力などを実現している。またセンター部分はノブの距離を詰めながら、互い違いに置くことで性能を整えている。

Severeのトピックは新型コンパウンドのMaxxSpeedが採用されていることで、が採用されていることで、XCタイヤのAspenやIkonも2024モデルからコンパウンドが新型に置き換えられる。サポートライダーの池田祐樹さんは既に新型Aspenをテスト導入しており、セルフディスカバリーアドベンチャー王滝の100kmも勝利している。

新型のマッドコンディション用タイヤSevere

マッドコンディションのMTB XCレース用のタイヤSevereが登場した

「走破性の高さにびっくりしました。今回チョイスしたタイヤが2.4インチとこれまでよりも太くなったので、リム幅も同時に合わせなければならず、足回りの重量が増えてしまうのは"どうかな?"と思っていました。100kmという長丁場かつアップダウンしかない王滝で使うにはテスト期間が必要でした。従来の足回りと比較するために、平均パワーを揃えた状態で舗装路を走ってみたんですが、タイムは変わらないにも関わらず、太さによる安定感と乗り心地が良く、王滝で使用することを決めました」と池田さんは言う。

気になるレースでの使用感については「今まで以上に重い物を使っていることから疲労感が出ると思っていたんですけど、蓋を開けてみたら、快適性が上がったことで疲労感が少なくなっていて体力をセーブできたと実感できました。走破性も上がっているので、岩に弾かれることなく安定して走り続けられました。体に染み付いていた細さと軽さが正義のような概念が変わりました」と語る。

新型Aspenを王滝に投入した池田祐樹さん

海外レースも走る池田さんは2.4インチのタイヤがポピュラーになりつつある状況を目の当たりにしており、今回のテストでその理由を体感できたのだとか。耐パンク性能についても王滝ではパンクする気配もなく、走行後のタイヤチェックでも深い傷などは確認できなかったと言う。

「細い幅のAspenではライドスキルも要求されるタイヤだと思いますが、2.4インチと太いサイズを使うことで走破性を味方にできる人は幅広いと思います。新しいMaxx SpeedコンパウンドはRekon RaceやIKON、Severeに採用されているため、組み合わせ次第でトレイルライドを楽しめると思います」と池田さんは教えてくれた。来期のタイヤを検討するときは選択肢に入れても良さそうだ。

池田さんがSDA王滝で携行する荷物。CO2インフレーターは2つ持ち運ぶという
SDA王滝で使用したバイクが展示された


SDA王滝とOSJ王滝ダートマラソンで優勝し、キング・オブ・王滝に輝いた

そして、トピークは非常に多くの新製品をローンチしている。クランプ部が2箇所のアルミ製サイクルコンピューターマウント"UTF Multi-Mount Pro"は、コンピューターだけではなくアダプターを使うことでライトやアクションカメラも装備できるモデルで、混み合いやすいハンドルバー周りをすっきりと整理することが可能。

他にもスマートフォンを収納できる防水ケース"Phone Drybag"の新モデルが登場した。新型はスマホのカメラをケースに入れたまま使えるように透明窓を大きくしたことがポイントで、雨天でもライドの思い出を撮り逃しにくくなっている。また携帯工具も非常にコンパクトなモデルが用意されたり、ラチェットレンチの小型モデルなども揃えられているため、携行する工具類を洗練させたい方はぜひチェックしてもらいたい。

アルミ製のUTF Multi-Mount Pro
TUBULAR BARBAGは非常にコンパクトでドロップハンドルでもマッチする


カメラ用のクリア窓が大きくなった
自転車を反転させて置くときにハンドルに装着することで、ブラケットの傷つきを防ぐスタンドが登場した


非常にコンパクトなNanoシリーズ
コンパクトなラチェットレンチがリリースされた



今回トピークから登場した新製品の中でユニークな存在だったのが、Up-Up Strandというトライポッド式のスタンド。これはメンテナンスや輪行作業時に自転車を反転させた時に、デュアルコントロールレバーが地面に着かないようにするためのもの。これによってブラケットフードを傷つけずに作業ができるため、輪行作業を頻繁に行う方にはおすすめだ。

エルゴンからはクッション性に優れるサドルの新型や、様々な握り方ができる新型グリップ、プロダウンヒルライダーと共に作り上げたプロスペックのグリップなどが登場。握り心地や快適性に定評のあるエルゴンの新製品だけあり、グリップ周りの快適性を高めたい方はチェックしてみてほしい。

ロードバイクにマッチする快適性に優れたサドルも登場した
様々な持ち方ができるグリップが登場した


プロDH選手の要望から生まれたGDH Team
マーブルカラーのレーシンググリップGXR LAVA



今回の展示会ではケミカルブランドのシュアラスターもブースを展開していた。筆者の個人的なオススメは消臭抗菌スプレーのZaroBarrierの200mlボトル。携帯性に優れる30mlボトルも用意されているが、ZeroBarrierを使い始めると自転車用品だけではなく日用品までに使いたくなるため、大容量品が良さそう。

またショップ向けの展示会ということもあり、ショップで施工を行うコーティング「シャイニーシールド」の説明を行なっていた。シュアラスターのスタッフで、スパークルおおいたの選手でもある半田子竜さんの愛車も展示会に持ち込んでおり、その輝きをチェックすることができた。防汚効果はもちろん、3年間の耐久性や、マット塗装にも施工可能という汎用性も魅力。ぜひシャイニーシールド実施店をチェックしてみてもらいたい。

消臭抗菌スプレーのZeroBarrierはオススメ
シュアラスターのケミカル類は使いやすいことが特徴


半田子竜さんの愛車もシャイニーシールドでピカピカ

Report:Gakuto Fujiwara
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