2023/10/06(金) - 11:20
毎年コースが変わることで知られるグラン・ピエモンテは、4名によるスプリントで決着。来年リドル・トレックに移籍するアンドレア・バジオーリ(イタリア)がヒルシらを退け、合併問題に揺れるスーダル・クイックステップに勝利をもたらした。
モニュメントの一つであるイル・ロンバルディアの2日前、同じイタリアで最後の前哨戦とも言われるグラン・ピエモンテが開催された。舞台となったのはボルゴフランコ・ディヴレーアからファヴリアに向かう比較的距離の短い152kmだ。
1906年に初開催され、今年で107回目を数える歴史深いレースは毎年そのコースが変わることで知られている。そのため過去の優勝者にはスプリンターのソンニ・コルブレッリ(イタリア)やクライマーのエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)など様々な脚質の選手が並び、昨年は登りでクライマーに食らいついたイバン・ガルシア(スペイン、モビスター)が制した。そして今年はコース後半から4つの山岳が登場するパンチャー向きのレイアウトとなった。
スタート地点に集ったのは10月8日(日)の第2回グラベル世界選手権に臨むワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)やイル・ロンバルディアを控えるマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)たち。序盤にマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)を含む14名の逃げ集団が形成され、それをユンボ・ヴィスマが中心となるメイン集団が追いかけた。
この日3つ目にして最高難度のアルペッテ(距離5km/平均8.8%)に入り、逃げとプロトンの差は1分15秒。その頂上を越え、続く山岳を越える頃に先頭はダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)やルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)ら4名となり、ファンアールトが遅れたプロトンはスーダル・クイックステップが中心の牽引。そして残り18kmで逃げを吸収し、集団が再び一つになった。
相変わらずクイックステップがコントロールする集団から、マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)がアタック。それにアンドレア・バジオーリ(イタリア、スーダル・クイックステップ)が反応し、今年もジャパンカップに参戦予定のギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)とアレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター)の4名が先頭集団を形成する。
最終ストレート手前で集団落車の発生した追走集団は先頭4名を引き戻すことができず、勝負はスプリントへ。ヒルシが先んじて腰を上げ、それを横目に見たバジオーリが反応。マルタンとアランブルがスプリントを諦めるなか、ヒルシとの争いを地元イタリア出身のバジオーリが制した。
イラン・ファンウィルデル(ベルギー)が優勝した10月3日のトレ・ヴァッリ・ヴァレジーネに続き、イタリアのワンデーレースを制したスーダル・クイックステップ。ユンボ・ヴィスマとの合併問題に揺れるチームに勝利をもたらしたバジオーリは、「このチームには良い選手が揃っている。その選手たちが一丸となれば、ワンデーレースで勝利を量産した数年前のような活躍ができるはず。大きな問題(チーム合併)の行方は不透明だが、僕らの気持ちはトレ・ヴァッリ・ヴァレジーネで勝利したイラン(ファンウィルデル)が代弁してくれた。僕らは前に進みたいだけだ」と複雑な胸中を言葉にした。
なお、4着でフィニッシュしたマルタンにはレース中に規則違反のポジションで走行したとして、失格処分が下されている。
モニュメントの一つであるイル・ロンバルディアの2日前、同じイタリアで最後の前哨戦とも言われるグラン・ピエモンテが開催された。舞台となったのはボルゴフランコ・ディヴレーアからファヴリアに向かう比較的距離の短い152kmだ。
1906年に初開催され、今年で107回目を数える歴史深いレースは毎年そのコースが変わることで知られている。そのため過去の優勝者にはスプリンターのソンニ・コルブレッリ(イタリア)やクライマーのエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)など様々な脚質の選手が並び、昨年は登りでクライマーに食らいついたイバン・ガルシア(スペイン、モビスター)が制した。そして今年はコース後半から4つの山岳が登場するパンチャー向きのレイアウトとなった。
スタート地点に集ったのは10月8日(日)の第2回グラベル世界選手権に臨むワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)やイル・ロンバルディアを控えるマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)たち。序盤にマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)を含む14名の逃げ集団が形成され、それをユンボ・ヴィスマが中心となるメイン集団が追いかけた。
この日3つ目にして最高難度のアルペッテ(距離5km/平均8.8%)に入り、逃げとプロトンの差は1分15秒。その頂上を越え、続く山岳を越える頃に先頭はダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAEチームエミレーツ)やルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)ら4名となり、ファンアールトが遅れたプロトンはスーダル・クイックステップが中心の牽引。そして残り18kmで逃げを吸収し、集団が再び一つになった。
相変わらずクイックステップがコントロールする集団から、マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)がアタック。それにアンドレア・バジオーリ(イタリア、スーダル・クイックステップ)が反応し、今年もジャパンカップに参戦予定のギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)とアレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター)の4名が先頭集団を形成する。
最終ストレート手前で集団落車の発生した追走集団は先頭4名を引き戻すことができず、勝負はスプリントへ。ヒルシが先んじて腰を上げ、それを横目に見たバジオーリが反応。マルタンとアランブルがスプリントを諦めるなか、ヒルシとの争いを地元イタリア出身のバジオーリが制した。
イラン・ファンウィルデル(ベルギー)が優勝した10月3日のトレ・ヴァッリ・ヴァレジーネに続き、イタリアのワンデーレースを制したスーダル・クイックステップ。ユンボ・ヴィスマとの合併問題に揺れるチームに勝利をもたらしたバジオーリは、「このチームには良い選手が揃っている。その選手たちが一丸となれば、ワンデーレースで勝利を量産した数年前のような活躍ができるはず。大きな問題(チーム合併)の行方は不透明だが、僕らの気持ちはトレ・ヴァッリ・ヴァレジーネで勝利したイラン(ファンウィルデル)が代弁してくれた。僕らは前に進みたいだけだ」と複雑な胸中を言葉にした。
なお、4着でフィニッシュしたマルタンにはレース中に規則違反のポジションで走行したとして、失格処分が下されている。
グラン・ピエモンテ2023結果
1位 | アンドレア・バジオーリ(イタリア、スーダル・クイックステップ) | 3:20:25 |
2位 | マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | アレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター) | |
4位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | +0:11 |
5位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | |
6位 | ゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | |
7位 | マルティン・マルチェルージ(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ) | +0:16 |
8位 | アロルド・テハダ(コロンビア、アスタナ・カザフスタン) | |
9位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | ニック・シュルツ(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック) | |
52位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | +3:37 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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