2023/10/01(日) - 09:20
イル・ロンバルディアを1週間後に控えた9月30日、その前哨戦に位置づけられるジロ・デッレミリアが開催された。激坂サンルーカでポガチャルの加速に耐え、残り300mで仕掛けたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が3度目の優勝を飾った。
2023年のワールドツアーレースも残すところあと2つ。毎年秋のビッグレースであるイル・ロンバルディアを1週間後に控えた9月30日(土)、同じイタリアを舞台とした第106回目ジロ・デッレミリア(UCI.Pro)が行われた。
1909年に初開催された歴史深いワンデーレースの舞台は、イタリア中部のエミリア=ロマーニャ州ボローニャ近郊。中盤に2つの山岳を越え、サンルーカに設定された登坂距離2km/平均勾配10%の「サンルーカ」を含むコースを5周。最大勾配20%の激坂がイル・ロンバルディアに向かう各選手の脚色を明らかにした。
スタート地点であるカルピに集ったのは前回覇者エンリク・マス(スペイン、モビスター)や昨年2位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)たち。また過去に大会を2度制し、イル・ロンバルディアでの初優勝を目指すプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)もティシュ・ベノート (ベルギー)ら強力なメンバーと共に顔を揃えた。
出走直前のインタビューでログリッチが今季限りでのチーム退団を明らかにするサプライズもありながら、レースは午前11時10分にスタート。序盤からジャコポ・モスカ(リドル・トレック)やクリスティアン・スカローニ(アスタナ・カザフスタン)ら5名のイタリア人を含む、計8名の逃げ集団が形成される。それに対しフアン・アユソ(スペイン)やアダム・イェーツ(イギリス)などユンボ・ヴィスマを上回るチーム力を誇るUAEチームエミレーツがメイン集団を牽引した。
サンルーカの周回コースに入る前、最後の山岳で逃げ集団からスカローニとマッティア・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)が飛び出す。今年のジロ・デ・イタリアでは何度も逃げに乗ったバイスとスカローニは順調にローテーションを回したものの、1度目のサンルーカ(残り38km地点)でプロトンに吸収。そのカウンターでコロンビア籍のコンチネンタルチーム、GWシマノ・シデルメックに所属するアレハンドロ・オソリオ(コロンビア)が飛び出し、その後クリス・ハーパー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)とカンタン・パシェ(フランス、グルパマFDJ)の2人が先頭に立った。
パシェが遅れ、ハーパーが単独で2度目のサンルーカの頂上を通過する。プロトンからはファウスト・マスナダ(イタリア、スーダル・クイックステップ)が追いかけ、次にジョヴァンニ・アレオッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)も合流を目指したがパンクの不運に見舞われ断念。3度目のサンルーカもトップ通過したハーパーだったが、4度目の登坂でメイン集団に引き戻された。
プロトンの先頭をアダム・イェーツが牽引し、ライバルたちのアタックを抑制すると共に集団の人数を10名まで絞り込む。その中にポガチャルはもちろん、前回覇者のマスやログリッチ、リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)など豪華メンバーが揃った。
そしてアダム・イェーツが作るペースで最後のサンルーカに入り、フラムルージュ(残り1km)の手前でポガチャルがハイケイデンスのダンシングで加速。それに激坂を得意とするマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)が並んだものの、スピードを一段階上げたポガチャルに引き離される。しかしポガチャルにはログリッチとカラパス、マスの3名がピッタリとついたため、一度先頭集団は牽制に入った。
そのため最大勾配区間で遅れたサイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)やウッズらも追いつき、ひと塊となった集団の後方からログリッチが仕掛けた。残り300mでのアタックにポガチャルが反応したものの、それを引き離す圧巻のスピードを披露したログリッチが先頭でフィニッシュラインを通過した。
今年初出場となったワンデーレースで優勝を掴んだログリッチ。「勝利の秘訣は苦しむこと。最後は脚に力が残っていたので適切なタイミングを待っていた。アタックを仕掛け、後ろを振り返ったら後続との差ができていた。この勝利は嬉しく、リラックスして次戦(イル・ロンバルディア)に臨みたい」と2019、21年に続く3度目の優勝をログリッチはそう喜んだ。
「ログリッチは僕より遥かに速かった」と語るポガチャルは2年連続の2位に入り、サイモン・イェーツが3位で表彰台に上がっている。
2023年のワールドツアーレースも残すところあと2つ。毎年秋のビッグレースであるイル・ロンバルディアを1週間後に控えた9月30日(土)、同じイタリアを舞台とした第106回目ジロ・デッレミリア(UCI.Pro)が行われた。
1909年に初開催された歴史深いワンデーレースの舞台は、イタリア中部のエミリア=ロマーニャ州ボローニャ近郊。中盤に2つの山岳を越え、サンルーカに設定された登坂距離2km/平均勾配10%の「サンルーカ」を含むコースを5周。最大勾配20%の激坂がイル・ロンバルディアに向かう各選手の脚色を明らかにした。
スタート地点であるカルピに集ったのは前回覇者エンリク・マス(スペイン、モビスター)や昨年2位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)たち。また過去に大会を2度制し、イル・ロンバルディアでの初優勝を目指すプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)もティシュ・ベノート (ベルギー)ら強力なメンバーと共に顔を揃えた。
出走直前のインタビューでログリッチが今季限りでのチーム退団を明らかにするサプライズもありながら、レースは午前11時10分にスタート。序盤からジャコポ・モスカ(リドル・トレック)やクリスティアン・スカローニ(アスタナ・カザフスタン)ら5名のイタリア人を含む、計8名の逃げ集団が形成される。それに対しフアン・アユソ(スペイン)やアダム・イェーツ(イギリス)などユンボ・ヴィスマを上回るチーム力を誇るUAEチームエミレーツがメイン集団を牽引した。
サンルーカの周回コースに入る前、最後の山岳で逃げ集団からスカローニとマッティア・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)が飛び出す。今年のジロ・デ・イタリアでは何度も逃げに乗ったバイスとスカローニは順調にローテーションを回したものの、1度目のサンルーカ(残り38km地点)でプロトンに吸収。そのカウンターでコロンビア籍のコンチネンタルチーム、GWシマノ・シデルメックに所属するアレハンドロ・オソリオ(コロンビア)が飛び出し、その後クリス・ハーパー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)とカンタン・パシェ(フランス、グルパマFDJ)の2人が先頭に立った。
パシェが遅れ、ハーパーが単独で2度目のサンルーカの頂上を通過する。プロトンからはファウスト・マスナダ(イタリア、スーダル・クイックステップ)が追いかけ、次にジョヴァンニ・アレオッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)も合流を目指したがパンクの不運に見舞われ断念。3度目のサンルーカもトップ通過したハーパーだったが、4度目の登坂でメイン集団に引き戻された。
プロトンの先頭をアダム・イェーツが牽引し、ライバルたちのアタックを抑制すると共に集団の人数を10名まで絞り込む。その中にポガチャルはもちろん、前回覇者のマスやログリッチ、リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)など豪華メンバーが揃った。
そしてアダム・イェーツが作るペースで最後のサンルーカに入り、フラムルージュ(残り1km)の手前でポガチャルがハイケイデンスのダンシングで加速。それに激坂を得意とするマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)が並んだものの、スピードを一段階上げたポガチャルに引き離される。しかしポガチャルにはログリッチとカラパス、マスの3名がピッタリとついたため、一度先頭集団は牽制に入った。
そのため最大勾配区間で遅れたサイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)やウッズらも追いつき、ひと塊となった集団の後方からログリッチが仕掛けた。残り300mでのアタックにポガチャルが反応したものの、それを引き離す圧巻のスピードを披露したログリッチが先頭でフィニッシュラインを通過した。
今年初出場となったワンデーレースで優勝を掴んだログリッチ。「勝利の秘訣は苦しむこと。最後は脚に力が残っていたので適切なタイミングを待っていた。アタックを仕掛け、後ろを振り返ったら後続との差ができていた。この勝利は嬉しく、リラックスして次戦(イル・ロンバルディア)に臨みたい」と2019、21年に続く3度目の優勝をログリッチはそう喜んだ。
「ログリッチは僕より遥かに速かった」と語るポガチャルは2年連続の2位に入り、サイモン・イェーツが3位で表彰台に上がっている。
ジロ・デッレミリア2023結果
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 4:49:44 |
2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | +0:01 |
3位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー) | |
4位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +0:04 |
5位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | |
6位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:06 |
7位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:09 |
8位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | +0:15 |
9位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | +0:42 |
10位 | ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) | +0:58 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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