2023/09/25(月) - 08:30
オランダで開催されたロードヨーロッパ選手権の最終日である9月24日、男子エリートロードレースが行われた。残り12kmでアタックしたクリストフ・ラポルト(フランス)がファンアールトらベルギー勢の猛追を振り切り、第8代ヨーロッパ王者に輝いた。
白地に3種類の青色ストライプ、そして3つの星が胸元に入った欧州王者ジャージを賭けたロードヨーロッパ選手権は最終日を迎えた。9月24日(日)に行われたのは今年で8回目となる男子エリートロードレース。その舞台はオランダのアッセンから真南にあるヴァムの丘を目指す199.8kmで、コース後半は登坂距離僅か300mのヴァムの丘を含む13.7mコースを6周する。歴代優勝者にスプリンターやクラシックレーサーの名が並ぶように今年も平坦基調のレイアウトとなった。
前回覇者ファビオ・ヤコブセン(オランダ)や現世界王者のマチュー・ファンデルプール(オランダ)が揃って不在のなか、欧州王者を目指し集ったのはワウト・ファンアールト(ベルギー)やマッズ・ピーダスン(デンマーク)、オラフ・コーイ(オランダ)などスピードに長けた選手たち。気温18度の晴天に恵まれたレースは、午後12時31分にスタートが切られた。
アクチュアルスタートの直後に飛び出したのはトルコのアメット・オルケン。それを呼び水として5名の逃げ集団が形成され、その中には4日前の個人タイムトライアルを制したジョシュア・ターリング(イギリス)と2位のシュテファン・ビッセガー(スイス)が揃う。それをベルギーとデンマークが先導するメイン集団が2分差で追いかけた。
来年スーダル・クイックステップからリドル・トレックへの移籍が噂されているティム・デクレルク(ベルギー)が牽引するプロトンでは、レース前半に複数の落車が発生。そこにはフィリッポ・ガンナ(イタリア)やルーク・ロウ(イギリス)が巻き込まれ、両者がレースに復帰した一方でバウケ・モレマ(オランダ)は途中棄権を選んだ。
合計6周回するコースに突入すると、逃げとメイン集団の差は一気に45秒まで縮小。しかしターリングらが遅れ、ビッセガーとローリー・タウンセンド(アイルランド)、マティアス・ヴァチェク(チェコ)という3名は粘りを見せ、残り50km地点でも30秒のリードを保つ。しかしイタリアがプロトンのスピードアップを敢行したため、逃げは残り31km地点で飲み込まれた。
残り2周回に入る手前のヴァムの丘に入ると、それまで高速牽引していたイタリアのトレインからガンナがアタックする。その動きにはファンアールトやピーダスンが追従し、一度落ち着いた集団からマイク・トゥーニッセン(オランダ)、続いてクリストフ・ラポルト(フランス)が加速。その集団後方ではガンナやキム・ハイドゥク(ドイツ)が落車して勝負から脱落した。
ラポルトを引き戻した先頭集団は10名。その中にジョン・デゲンコルプ(ドイツ)が単独で入るなか、ファンアールトはアルノー・デリー(ベルギー)を、欧州ロード男女優勝をもたらしたいオランダはトゥーニッセンとコーイを揃える。そして最終回に手前の丘の10名で越え、下りでラポルトが再びアタックを仕掛けた。
一瞬牽制に入った追走の9名に対し、ラポルトは一気に15秒のリードを得る。デリーのスプリントに備えてファンアールトを中心にラポルトを追いかけたものの、その差はなかなか縮まらず、ラポルトは後続と11秒差でフラムルージュ(残り1km)を通過。すると今度はファンアールトのためにデリーがハイスピードで追いかけた。
デリーがラポルトとの差を徐々に詰め、その後ろにはファンアールトとコーイの2人がつく。そして緩斜面のラスト500mでファンアールトがラポルトに追いつくも、ラポルトが加速して先頭でフィニッシュラインを通過。同じユンボ・ヴィスマに所属するファンアールトとコーイを振り切り、ラポルトが劇的な勝利を飾った。
「信じがたい勝利。体力を使い果たすほど厳しくも劇的なフィニッシュだった。集団から飛び出すのが最も勝利に近づく方法だと分かっていた。だがまさかワウト(ファンアールト)とオラフ(コーイ)をスプリントで下すとは思ってもいなかった。あのアタックは本能的なもの。1年間このヨーロッパ王者ジャージを着ることができて本当に嬉しいよ」と勝利を喜ぶラポルト。また「この勝利は僕の家族とナータン(ファンホーイドンク)に捧ぐ。このジャージを着て走る姿は、彼も誇りに思ってくれるはず」とも。
一方、惜しくも敗れたファンアールトは「クリストフが強すぎた。彼を捕まえたと思ったのだが、まだ彼は力を残していた。しかし僕らユンボ・ヴィスマとして強さを見せつけた」と、悔しがりながらもチームメイトの勝利を称えた。
ファンアールトの語る通り自身は2位に、そして3位にはコーイが入ったため、ユンボ・ヴィスマが表彰台を独占することとなった。
白地に3種類の青色ストライプ、そして3つの星が胸元に入った欧州王者ジャージを賭けたロードヨーロッパ選手権は最終日を迎えた。9月24日(日)に行われたのは今年で8回目となる男子エリートロードレース。その舞台はオランダのアッセンから真南にあるヴァムの丘を目指す199.8kmで、コース後半は登坂距離僅か300mのヴァムの丘を含む13.7mコースを6周する。歴代優勝者にスプリンターやクラシックレーサーの名が並ぶように今年も平坦基調のレイアウトとなった。
前回覇者ファビオ・ヤコブセン(オランダ)や現世界王者のマチュー・ファンデルプール(オランダ)が揃って不在のなか、欧州王者を目指し集ったのはワウト・ファンアールト(ベルギー)やマッズ・ピーダスン(デンマーク)、オラフ・コーイ(オランダ)などスピードに長けた選手たち。気温18度の晴天に恵まれたレースは、午後12時31分にスタートが切られた。
アクチュアルスタートの直後に飛び出したのはトルコのアメット・オルケン。それを呼び水として5名の逃げ集団が形成され、その中には4日前の個人タイムトライアルを制したジョシュア・ターリング(イギリス)と2位のシュテファン・ビッセガー(スイス)が揃う。それをベルギーとデンマークが先導するメイン集団が2分差で追いかけた。
来年スーダル・クイックステップからリドル・トレックへの移籍が噂されているティム・デクレルク(ベルギー)が牽引するプロトンでは、レース前半に複数の落車が発生。そこにはフィリッポ・ガンナ(イタリア)やルーク・ロウ(イギリス)が巻き込まれ、両者がレースに復帰した一方でバウケ・モレマ(オランダ)は途中棄権を選んだ。
合計6周回するコースに突入すると、逃げとメイン集団の差は一気に45秒まで縮小。しかしターリングらが遅れ、ビッセガーとローリー・タウンセンド(アイルランド)、マティアス・ヴァチェク(チェコ)という3名は粘りを見せ、残り50km地点でも30秒のリードを保つ。しかしイタリアがプロトンのスピードアップを敢行したため、逃げは残り31km地点で飲み込まれた。
残り2周回に入る手前のヴァムの丘に入ると、それまで高速牽引していたイタリアのトレインからガンナがアタックする。その動きにはファンアールトやピーダスンが追従し、一度落ち着いた集団からマイク・トゥーニッセン(オランダ)、続いてクリストフ・ラポルト(フランス)が加速。その集団後方ではガンナやキム・ハイドゥク(ドイツ)が落車して勝負から脱落した。
ラポルトを引き戻した先頭集団は10名。その中にジョン・デゲンコルプ(ドイツ)が単独で入るなか、ファンアールトはアルノー・デリー(ベルギー)を、欧州ロード男女優勝をもたらしたいオランダはトゥーニッセンとコーイを揃える。そして最終回に手前の丘の10名で越え、下りでラポルトが再びアタックを仕掛けた。
一瞬牽制に入った追走の9名に対し、ラポルトは一気に15秒のリードを得る。デリーのスプリントに備えてファンアールトを中心にラポルトを追いかけたものの、その差はなかなか縮まらず、ラポルトは後続と11秒差でフラムルージュ(残り1km)を通過。すると今度はファンアールトのためにデリーがハイスピードで追いかけた。
デリーがラポルトとの差を徐々に詰め、その後ろにはファンアールトとコーイの2人がつく。そして緩斜面のラスト500mでファンアールトがラポルトに追いつくも、ラポルトが加速して先頭でフィニッシュラインを通過。同じユンボ・ヴィスマに所属するファンアールトとコーイを振り切り、ラポルトが劇的な勝利を飾った。
「信じがたい勝利。体力を使い果たすほど厳しくも劇的なフィニッシュだった。集団から飛び出すのが最も勝利に近づく方法だと分かっていた。だがまさかワウト(ファンアールト)とオラフ(コーイ)をスプリントで下すとは思ってもいなかった。あのアタックは本能的なもの。1年間このヨーロッパ王者ジャージを着ることができて本当に嬉しいよ」と勝利を喜ぶラポルト。また「この勝利は僕の家族とナータン(ファンホーイドンク)に捧ぐ。このジャージを着て走る姿は、彼も誇りに思ってくれるはず」とも。
一方、惜しくも敗れたファンアールトは「クリストフが強すぎた。彼を捕まえたと思ったのだが、まだ彼は力を残していた。しかし僕らユンボ・ヴィスマとして強さを見せつけた」と、悔しがりながらもチームメイトの勝利を称えた。
ファンアールトの語る通り自身は2位に、そして3位にはコーイが入ったため、ユンボ・ヴィスマが表彰台を独占することとなった。
ロードヨーロッパ選手権2023男子エリートロードレース結果
1位 | クリストフ・ラポルト(フランス) | 4:15:51 |
2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー) | |
3位 | オラフ・コーイ(オランダ) | |
4位 | アルノー・デリー(ベルギー) | +0:01 |
5位 | マイク・トゥーニッセン(オランダ) | +0:09 |
6位 | ラスムス・ティレル(ノルウェー) | |
7位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク) | +0:13 |
8位 | ジョン・デゲンコルプ(ドイツ) | +0:15 |
9位 | アンドレアス・クロン(デンマーク) | +0:39 |
10位 | フロリアン・セネシャル(フランス) | +0:41 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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