2023/09/04(月) - 12:10
全グランツールでの区間優勝を達成したレナード・ケムナは「心から嬉しい」と笑顔で語る。「時速5km/hでも滑るような路面だったので、変更は賢明な判断」とタイム計測地点の変更を支持するエヴェネプールやログリッチなど、ブエルタ第1週目を終えた選手たちのコメントを紹介します。
区間優勝 レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
レース直後インタビュー
勝利できて本当に嬉しいよ。ジロ・デ・イタリアの後は心を悩ます出来事があり、ここ2ヶ月は辛い時期を過ごした。そこから表彰台(勝利)に戻ってくることができた。
レース序盤にエシュロン(横風分断)が発生し、あまり力を使わずに乗り越えようと考えた。どうせ登りの前に合流すると思っていたからね。その後、脚に力を感じたので逃げに乗ったんだ。最後の山岳はアップダウンを繰り返すトリッキーなコースだった。だから他の選手たちを引き離すタイミングを見つけるのが難しかった。
―そのタイミングをどうやって図ったのか?
自然とやってきた。状況を見ながら走り、左コーナーの前に差をつけることができたので「このコーナーを抜けたら全力で踏み込もう」と力を込めた。上手く差を拡げることができたので、限界値を超えパワーで2分間踏み続けた。それが勝利に繋がり、本当によかったよ。
表彰式後インタビュー
僕はスプリントが強くないので、常に単独フィニッシュに持ち込もうと試みているんだ。おそらくいままでスプリントで勝ったことがないからね(笑)。ジロでは最終週に体調を崩し、厳しい戦いを強いられた。だから完走することに必死だった。だからもっと良いコンディションで(ジロに)再挑戦したいと思っている。
区間2位 マッテオ・ソブレロ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)
エシュロンで幕を開ける混沌のステージでも、ベストを尽くすことができた。とてもストレスの多いレースのなか、最初の山岳で第1目標である逃げに乗ることができた。
走りながら逃げ集団にいる選手を確かめ、ケムナに目をつけた。彼が今日のような登りに強いことを知っていたからね。そして最終山岳の麓から駆け引きが始まった。自分の脚の状態は分からず、9日間を走ってきた皆の脚を確かめたかった。
ケムナがアタックして、彼との差を詰めることができなかった。僕らは約50mの距離を保ちながらフィニッシュまで辿り着いた。厳しいステージなった今日の結果には概ね満足している。まだブエルタは2週間もあるので、チャンスがあればまた狙っていきたい。
マイヨロホ セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)
風が強く吹き付けることは分かっていたので、レース序盤から僕らはなるべく集団先頭にいようと心がけた。そして後ろを振り返ったら先頭は比較的小さな集団となっていた。力を使わなければならなかったが、幸運にもローテーションに加われるだけの力はあった。風が吹くナーバスな一日を僕らは上手く切り抜けることができた。
最後のコースは滑りやすくぬかるんでいる場所もあったので、タイム計測地点の変更は賢明だったと言える。最後の登りは傾斜が厳しく、そこまでに既に力を使っていたので脚は疲れ切っていた。
総合4位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
風による分断の中でも常にマティア(カッタネオ)やセリーと共に先頭集団に位置することができた。その後は僕らがエシュロンを起こしたりもした。その後は(タイム計測地点まで)残り1.5kmまで集団をコントロールした。だから良き日になったと言える。ただ最後の路面でタイヤを滑らせてしまい、プリモシュ(ログリッチ)とのスプリントに持ち込むことができなかった。
時速5km/hでも滑ってしまうような左コーナーもあったので(タイム計測地点の変更は)正しい判断だと思う。それによってレース展開がかなり変わった。なぜならレース時間がそれだけ5分短縮されるのだからね。僕が聞いた話だと新しく敷いたアスファルトが原因らしいね。それはバイクの上からでも十分感じられたよ。おかげでダンシングしてアタックすることができなかったからね。アタックが決まったとしても得られたタイムは1〜2秒だから些細なことだ。
総合6位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
0kmから踏まなければならない難しいステージとなった。僕らは自転車選手なので、あれほど強い風が吹けばレースの難易度を上げることは容易い。最後の(タイム計測地点の)変更は賢い判断だと思う。なぜなら路面が荒れ、とてもテクニカルだったから。本来のフィニッシュ地点で争うことは不可能だっただろう。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
区間優勝 レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
レース直後インタビュー
勝利できて本当に嬉しいよ。ジロ・デ・イタリアの後は心を悩ます出来事があり、ここ2ヶ月は辛い時期を過ごした。そこから表彰台(勝利)に戻ってくることができた。
レース序盤にエシュロン(横風分断)が発生し、あまり力を使わずに乗り越えようと考えた。どうせ登りの前に合流すると思っていたからね。その後、脚に力を感じたので逃げに乗ったんだ。最後の山岳はアップダウンを繰り返すトリッキーなコースだった。だから他の選手たちを引き離すタイミングを見つけるのが難しかった。
―そのタイミングをどうやって図ったのか?
自然とやってきた。状況を見ながら走り、左コーナーの前に差をつけることができたので「このコーナーを抜けたら全力で踏み込もう」と力を込めた。上手く差を拡げることができたので、限界値を超えパワーで2分間踏み続けた。それが勝利に繋がり、本当によかったよ。
表彰式後インタビュー
僕はスプリントが強くないので、常に単独フィニッシュに持ち込もうと試みているんだ。おそらくいままでスプリントで勝ったことがないからね(笑)。ジロでは最終週に体調を崩し、厳しい戦いを強いられた。だから完走することに必死だった。だからもっと良いコンディションで(ジロに)再挑戦したいと思っている。
区間2位 マッテオ・ソブレロ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)
エシュロンで幕を開ける混沌のステージでも、ベストを尽くすことができた。とてもストレスの多いレースのなか、最初の山岳で第1目標である逃げに乗ることができた。
走りながら逃げ集団にいる選手を確かめ、ケムナに目をつけた。彼が今日のような登りに強いことを知っていたからね。そして最終山岳の麓から駆け引きが始まった。自分の脚の状態は分からず、9日間を走ってきた皆の脚を確かめたかった。
ケムナがアタックして、彼との差を詰めることができなかった。僕らは約50mの距離を保ちながらフィニッシュまで辿り着いた。厳しいステージなった今日の結果には概ね満足している。まだブエルタは2週間もあるので、チャンスがあればまた狙っていきたい。
マイヨロホ セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)
風が強く吹き付けることは分かっていたので、レース序盤から僕らはなるべく集団先頭にいようと心がけた。そして後ろを振り返ったら先頭は比較的小さな集団となっていた。力を使わなければならなかったが、幸運にもローテーションに加われるだけの力はあった。風が吹くナーバスな一日を僕らは上手く切り抜けることができた。
最後のコースは滑りやすくぬかるんでいる場所もあったので、タイム計測地点の変更は賢明だったと言える。最後の登りは傾斜が厳しく、そこまでに既に力を使っていたので脚は疲れ切っていた。
総合4位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
風による分断の中でも常にマティア(カッタネオ)やセリーと共に先頭集団に位置することができた。その後は僕らがエシュロンを起こしたりもした。その後は(タイム計測地点まで)残り1.5kmまで集団をコントロールした。だから良き日になったと言える。ただ最後の路面でタイヤを滑らせてしまい、プリモシュ(ログリッチ)とのスプリントに持ち込むことができなかった。
時速5km/hでも滑ってしまうような左コーナーもあったので(タイム計測地点の変更は)正しい判断だと思う。それによってレース展開がかなり変わった。なぜならレース時間がそれだけ5分短縮されるのだからね。僕が聞いた話だと新しく敷いたアスファルトが原因らしいね。それはバイクの上からでも十分感じられたよ。おかげでダンシングしてアタックすることができなかったからね。アタックが決まったとしても得られたタイムは1〜2秒だから些細なことだ。
総合6位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
0kmから踏まなければならない難しいステージとなった。僕らは自転車選手なので、あれほど強い風が吹けばレースの難易度を上げることは容易い。最後の(タイム計測地点の)変更は賢い判断だと思う。なぜなら路面が荒れ、とてもテクニカルだったから。本来のフィニッシュ地点で争うことは不可能だっただろう。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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