2023/08/16(水) - 06:25
ブエルタ・ア・ブルゴスが開幕。初日の集団スプリントでフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が圧勝し、リーダージャージを手にしている。
ブエルタ・ア・エスパーニャの前哨戦として知られるブエルタ・ア・ブルゴス(UCI2.Pro)が開幕。第二次世界大戦直後の1946年に産声をあげ、1981年に復活して以降毎年開催されている同大会は今年で合計45回目の開催だ。その名の通りカスティーリャ・イ・レオン州のブルゴス県を舞台とし、5日間の会期中には平坦と丘陵、山岳ステージ、さらにはタイムトライアルステージがバランス良く詰め込まれている。
ユニークなのは、大会2日目に13.1kmのチームタイムトライアルが用意されていること。世界中を見回しても貴重になったチームTTは短距離ながら、最終区間に平均5%/登坂距離2kmの登りをこなす必要がある。翌第3ステージは終盤に超級山岳ピコン・ブランコが控え、最終日には大会名物の超級山岳ラグナス・デ・ネイラ(登坂距離11.9km/平均勾配6.2%)が用意されている。
2023年大会を賑やかすのは、なんと言っても史上稀に見る逆転劇で今年のジロ・デ・イタリアを制し、ブエルタとのダブル優勝を目指すプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)の存在だ。共にブエルタを戦うヤン・トラトニク(スロベニア)やアッティラ・バルテル(ハンガリー)を伴っての出場であり、ジロ以降レースを走らず続けてきたトレーニングの仕上がり具合は注目の的となる。
UAEチームエミレーツはアダム・イェーツ(イギリス)を主軸にジョージ・ベネット(ニュージーランド)とジェイ・ヴァイン(オーストラリア)を揃え、バーレーン・ヴィクトリアスはブエルタを目指すダミアーノ・カルーゾ(イタリア)らクライマー重視の構え。昨年覇者アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)も強力なアシストに支えられてブエルタへの助走に意欲を燃やす。
細かいアップダウンを繰り返す開幕ステージであっさりと逃げを決めたのは5名。地元最大のレースであるブルゴスBHはアンヘル・フエンテス(スペイン)を送り、カハルラルとエウスカルテル、エオーロ、そしてコンチネンタルチームとして唯一出場するエレクトロ・ハイパー・エウロパも1人ずつ逃げに乗せる。しかしフアン・モラノ(コロンビア)のスプリントを狙うUAEががっちりとコントロールしたため、リードタイムは3分台に入ることはなかった。
途中の吹き晒し区間でエキポ・ケルンファルマがチームごとアタックしたものの功を奏さず、それ以外は平穏にタイム差を削りとりながら距離を縮めていく。最後まで逃げたマッティア・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)を残り12.5km地点で捕まえ、残るは集団スプリント。残り9km地点の180度ターンではレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がアタックしたものの、現ドイツTT王者の力を持ってしてもフレッシュな集団を引き離すには至らなかった。
散発的なアタックを全て捉え、今大会最年長のルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ・カザフスタン)らを先頭にラスト1kmを通過する。どのチームもトレインを組めずに臨んだスプリントで、他を圧倒する加速力を披露したのはモラノだった。
誰も寄せ付けずに先頭に立ち、追い込むイバン・ガルシア(スペイン、モビスター)らを抑えて勝利。ブエルタ出場を目指す28歳が「今年は序盤の落車で随分苦しい時期を過ごした。支えてくれた家族やガールフレンド、チームに感謝したい」という言葉と共に、自身22度目のUCIレース勝利、そしてリーダージャージを獲得した。
なおこの日、今年からボーラ・ハンスグローエに所属するMTB兼業選手ヴィクトール・コレツキー(フランス)が4位入賞。先の世界選手権でXCC(ショートトラック)2位銀メダル、XCO4位という結果を残していた。
ブエルタ・ア・エスパーニャの前哨戦として知られるブエルタ・ア・ブルゴス(UCI2.Pro)が開幕。第二次世界大戦直後の1946年に産声をあげ、1981年に復活して以降毎年開催されている同大会は今年で合計45回目の開催だ。その名の通りカスティーリャ・イ・レオン州のブルゴス県を舞台とし、5日間の会期中には平坦と丘陵、山岳ステージ、さらにはタイムトライアルステージがバランス良く詰め込まれている。
ユニークなのは、大会2日目に13.1kmのチームタイムトライアルが用意されていること。世界中を見回しても貴重になったチームTTは短距離ながら、最終区間に平均5%/登坂距離2kmの登りをこなす必要がある。翌第3ステージは終盤に超級山岳ピコン・ブランコが控え、最終日には大会名物の超級山岳ラグナス・デ・ネイラ(登坂距離11.9km/平均勾配6.2%)が用意されている。
2023年大会を賑やかすのは、なんと言っても史上稀に見る逆転劇で今年のジロ・デ・イタリアを制し、ブエルタとのダブル優勝を目指すプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)の存在だ。共にブエルタを戦うヤン・トラトニク(スロベニア)やアッティラ・バルテル(ハンガリー)を伴っての出場であり、ジロ以降レースを走らず続けてきたトレーニングの仕上がり具合は注目の的となる。
UAEチームエミレーツはアダム・イェーツ(イギリス)を主軸にジョージ・ベネット(ニュージーランド)とジェイ・ヴァイン(オーストラリア)を揃え、バーレーン・ヴィクトリアスはブエルタを目指すダミアーノ・カルーゾ(イタリア)らクライマー重視の構え。昨年覇者アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)も強力なアシストに支えられてブエルタへの助走に意欲を燃やす。
細かいアップダウンを繰り返す開幕ステージであっさりと逃げを決めたのは5名。地元最大のレースであるブルゴスBHはアンヘル・フエンテス(スペイン)を送り、カハルラルとエウスカルテル、エオーロ、そしてコンチネンタルチームとして唯一出場するエレクトロ・ハイパー・エウロパも1人ずつ逃げに乗せる。しかしフアン・モラノ(コロンビア)のスプリントを狙うUAEががっちりとコントロールしたため、リードタイムは3分台に入ることはなかった。
途中の吹き晒し区間でエキポ・ケルンファルマがチームごとアタックしたものの功を奏さず、それ以外は平穏にタイム差を削りとりながら距離を縮めていく。最後まで逃げたマッティア・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ)を残り12.5km地点で捕まえ、残るは集団スプリント。残り9km地点の180度ターンではレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)がアタックしたものの、現ドイツTT王者の力を持ってしてもフレッシュな集団を引き離すには至らなかった。
散発的なアタックを全て捉え、今大会最年長のルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ・カザフスタン)らを先頭にラスト1kmを通過する。どのチームもトレインを組めずに臨んだスプリントで、他を圧倒する加速力を披露したのはモラノだった。
誰も寄せ付けずに先頭に立ち、追い込むイバン・ガルシア(スペイン、モビスター)らを抑えて勝利。ブエルタ出場を目指す28歳が「今年は序盤の落車で随分苦しい時期を過ごした。支えてくれた家族やガールフレンド、チームに感謝したい」という言葉と共に、自身22度目のUCIレース勝利、そしてリーダージャージを獲得した。
なおこの日、今年からボーラ・ハンスグローエに所属するMTB兼業選手ヴィクトール・コレツキー(フランス)が4位入賞。先の世界選手権でXCC(ショートトラック)2位銀メダル、XCO4位という結果を残していた。
ブエルタ・ア・ブルゴス2023第1ステージ結果
1位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 3:38:58 |
2位 | イバン・ガルシア(スペイン、モビスター) | |
3位 | エドアルド・アッフィニ(イタリア、ユンボ・ヴィスマ) | |
4位 | ヴィクトール・コレツキー(フランス、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | ユーリ・レイタオン(ポルトガル、カハルラル・セグロスRGA) |
個人総合成績
1位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 3:38:48 |
2位 | イバン・ガルシア(スペイン、モビスター) | +0:04 |
3位 | エドアルド・アッフィニ(イタリア、ユンボ・ヴィスマ) | +0:06 |
4位 | シャビエル・ベラサテギ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) | +0:08 |
5位 | マッティア・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ) | +0:10 |
その他の特別賞
山岳賞 | シャビエル・ベラサテギ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) |
ポイント賞 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) |
ヤングライダー賞 | ショーン・クイン(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) |
チーム総合成績 | ボーラ・ハンスグローエ |
text:So Isobe
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