女子エリートのタイムトライアルが行われた8月10日、女子ジュニアのTTが開催された。13.4kmコースを平均41km/hで駆け抜けたフェリシティ・ウィルソンハフェンデン(オーストラリア)がアルカンシエルを獲得した。



19分31秒のトップタイムで優勝したフェリシティ・ウィルソンハフェンデン(オーストラリア) photo:CorVos

同日に行われた女子エリートのタイムトライアルや、翌日に控える男子エリートのコースと序盤と終盤と重なる13.4kmで争われた女子ジュニア個人タイムトライアル。コース前半は平坦路で、フィニッシュ手前750mからスターリング城を目指して平均勾配6%の石畳を駆け上がるレイアウトだ。

スタート地点に集ったのは2005年以降に生まれた26カ国、42名の選手たち。まずは7番手出走のマルティナ・シュチェスナ(ポーランド)が国内TTジュニア王者に相応しい20分47秒の好タイムをマークする。しかし直後に出走したフェリシティ・ウィルソンハフェンデン(オーストラリア)が、1分16秒と大きく更新する19分31秒の暫定トップタイムを叩き出した。

3位:フェデリカ・ヴェントゥレッリ(イタリア) photo:CorVos

7位:ピア・グリューネヴァルト(ドイツ) photo:CorVos

平均スピード41.503km/hで駆け抜けたウィルソンハフェンデンのタイムには、5日前のロードレースで4位だったフェデリカ・ヴェントゥレッリ(イタリア)は29秒及ばない。また17番手スタートのイジー・シャープ(イギリス)も17秒遅れの19分48秒と届かず暫定2位となり、後半組が続々とスタートを切った。

ロードを制したジュリー・ベゴ(フランス)やAGインシュランス・スーダル・クイックステップの下部チームに所属するフィー・ナーヴェン(オランダ)も好走を披露。しかしウィルソンハフェンデンはおろか、シャープやヴェントゥレッリにも届かない。そして最終出走者かつ優勝候補筆頭のキャット・フェルグソン(イギリス)もトップから1分遅れでフィニッシュしたため、ウィルソンハフェンデンの優勝が決定した。

ロードで優勝したジュリー・ベゴ(フランス)は9位 photo:CorVos

最終出走者のキャット・フェルグソン(イギリス)は10位 photo:CorVos

ロード世界選手権2023女子ジュニアタイムトライアル表彰台:2位シャープ、1位ウィルソンハフェンデン、3位ヴェントゥレッリ photo:CorVos

「ロードレースの後、調子が良かったので今日は表彰台に上がれると思っていた。他も選手たちは強かったので、その中で勝つことができて本当に嬉しい。最後の丘に向けて力を温存しなければならず、息を整えて登りに入った。ラスト1kmは全力で苦しかったが、優勝に繋げることができた」と、アルカンシエルに袖を通したウィルソンハフェンデンは喜ぶ。

ウィルソンハフェンデンは同国の元スター選手であるリッチー・ポートを輩出したオーストラリア・タスマニア島出身の18歳。元々ホッケーと陸上競技に打ち込んでいたものの、コロナ禍をきっかけに始めた自転車競技の才能が開花。今年はオーストラリア選手権で女子ジュニアと個人TTで優勝し、更にオセアニア選手権でもTTの女子ジュニア王者に輝いた逸材だ。
ロード世界選手権2023女子ジュニアタイムトライアル結果
1位 フェリシティ・ウィルソンハフェンデン(オーストラリア) 19:31
2位 イジー・シャープ(イギリス) +0:17
3位 フェデリカ・ヴェントゥレッリ(イタリア) +0:29
4位 ルーシー・ベネゼットミンス(アイルランド) +0:36
5位 マッケンジー・クープランド(オーストラリア) +0:42
6位 ハンナ・クンツ(ドイツ) +0:50
7位 ピア・グリューネヴァルト(ドイツ) +0:52
8位 フィー・ナーヴェン(オランダ) +0:59
9位 ジュリー・ベゴ(フランス) +1:00
10位 キャット・フェルグソン(イギリス)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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