2023/08/11(金) - 09:30
ロード世界選手権女子エリート個人タイムトライアルで、今年5月に競技復帰したクロエ・ダイガート(アメリカ)が2度目の制覇。史上最年少の22歳で優勝した2019年大会後、怪我や病気でレースを離れていたアメリカ王者が完全復活を果たした。
前日の男子U23と共通である、スターリングを発着地点とする36.2kmコースで行われた女子エリートタイムトライアル。スタートから続く平坦路を約24km進み、フィニッシュ手前750mからスターリング城を目指して6%の勾配を駆け上がる。
獲得標高差242mとパワーが求められるコースに挑んだのは、U23カテゴリーである23名を含む計86名。2021、22年と大会連覇を達成したエレン・ファンダイク(オランダ)が一時的に競技を離れているため、誰が優勝しても新王者誕生となる戦いが幕を開けた。
1分15秒毎にスタートを切っていく選手の中で、9番手出走のエウジェニア・ブヤーク(スロベニア)が49分28秒の暫定トップタイムをマークする。しかしすぐさまクロエ・ダイガート(アメリカ)がそれを2分29秒と大幅に更新し、46分59秒という驚異的なタイムを叩き出す。その後も有力選手たちが続々とコースへと飛び出したものの、誰もダイガートのタイムを上回ることはできなかった。
ダイガートが長らくホットシートに座るなか、共に今季好調のアンナ・ヘンダーソン(イギリス)やクリスティーナ・シュヴァインバーガー(オーストリア)が好タイムをマーク。しかし平均スピード46.229km/hで駆け抜けたダイガートのタイムには1分以上及ばず、71番目に優勝候補の一人であるデミ・フォレリング(オランダ)がスタートした。
ツール・ド・フランス・ファムで総合優勝を挙げ、勢いに乗るフォレリングだったが、第1計測地点(12.6km)でダイガートから42秒遅れで通過。第2計測(23.1km)でも1分20秒遅れと挽回することはできず、最終的に48分27秒(1分28秒遅れ)の6位でフィニッシュとなった。
そしてツール・ファムの個人TTを制し、2日前のミックスリレーで大会連覇を達成したマーレン・ローセル(スイス)がスタート。第1計測地点をダイガートから33秒遅れで通過したローセルだったが、第2計測を前に突然バイクを降りてコース脇に座り込む。出走選手の中で唯一の途中棄権となったローセルは「メカニカルなトラブルではなく、私自身の問題。ツール・ファムからの連戦の影響もあり、これ以上踏み続けることが困難となった。このレースに臨む心の準備ができておらず、勝利への欲望がなかった」と、その理由を説明した。
ローセルの直後にコースに飛び出したグレース・ブラウン(オーストラリア)は第2計測こそダイガートから31秒遅れで通過。フィニッシュに向けて尻上がりにスピードを上げて47分5秒でフィニッシュしたものの、ダイガートには僅か6秒届かず2年連続の銀メダルに終わった。
最終出走となったリーアンヌ・マルクス(オランダ)も全体の9位でレースを終えたため、ダイガートが2019年以来2度目となるアルカンシエルに袖を通した。「これ以上の喜びはない。この勝利の裏には多くの人によるサポートがあり、感謝の気持ちでいっぱいだ。3年という厳しい期間を乗り越え、キャニオン・スラムやアメリカ自転車競技連盟、家族、友人が助けてくれた。スタートして30分を越えた後からが勝負だと思い、エアロポジションと速度のことだけに集中した。第1計測地点で既に限界に達していたが、全力で踏み続けた。それが勝利という形で実り本当に嬉しい」とダイガートは喜んだ。
ダイガートはリオ五輪のトラック競技(チームパシュート)で銀メダルを獲得した26歳。ロードでも2015年に女子ジュニアでロードとTTの2冠を達成し、2019年には22歳の若さで女子エリートTTで優勝した。しかし大会連覇を目指し出場した翌年の世界選手権で落車し左脚を負傷し、その後も伝染性単核症や心臓の手術などにより長らく競技から離れていた。
そして今年5月に本格的なレース復帰を果たしたダイガートは、ワールドツアーでシングルリザルトを連発。5月のライドロンドン・クラシック(UCIワールドツアー)では久々の勝利を挙げ、その勢いのままアメリカ選手権でロードとTTの2冠を達成。そして再び世界一の座に返り咲き、完全復活を果たした。
また女子エリートと同時に行われた女子U23カテゴリーでは、ダイガートと同じキャニオン・スラムのアントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ)が優勝。銀メダルはセドリーヌ・ケルバオール(フランス)、銅メダルはジュリー・デウィルデ(ベルギー)とそれぞれワールドツアーで活躍する選手が獲得している。
前日の男子U23と共通である、スターリングを発着地点とする36.2kmコースで行われた女子エリートタイムトライアル。スタートから続く平坦路を約24km進み、フィニッシュ手前750mからスターリング城を目指して6%の勾配を駆け上がる。
獲得標高差242mとパワーが求められるコースに挑んだのは、U23カテゴリーである23名を含む計86名。2021、22年と大会連覇を達成したエレン・ファンダイク(オランダ)が一時的に競技を離れているため、誰が優勝しても新王者誕生となる戦いが幕を開けた。
1分15秒毎にスタートを切っていく選手の中で、9番手出走のエウジェニア・ブヤーク(スロベニア)が49分28秒の暫定トップタイムをマークする。しかしすぐさまクロエ・ダイガート(アメリカ)がそれを2分29秒と大幅に更新し、46分59秒という驚異的なタイムを叩き出す。その後も有力選手たちが続々とコースへと飛び出したものの、誰もダイガートのタイムを上回ることはできなかった。
ダイガートが長らくホットシートに座るなか、共に今季好調のアンナ・ヘンダーソン(イギリス)やクリスティーナ・シュヴァインバーガー(オーストリア)が好タイムをマーク。しかし平均スピード46.229km/hで駆け抜けたダイガートのタイムには1分以上及ばず、71番目に優勝候補の一人であるデミ・フォレリング(オランダ)がスタートした。
ツール・ド・フランス・ファムで総合優勝を挙げ、勢いに乗るフォレリングだったが、第1計測地点(12.6km)でダイガートから42秒遅れで通過。第2計測(23.1km)でも1分20秒遅れと挽回することはできず、最終的に48分27秒(1分28秒遅れ)の6位でフィニッシュとなった。
そしてツール・ファムの個人TTを制し、2日前のミックスリレーで大会連覇を達成したマーレン・ローセル(スイス)がスタート。第1計測地点をダイガートから33秒遅れで通過したローセルだったが、第2計測を前に突然バイクを降りてコース脇に座り込む。出走選手の中で唯一の途中棄権となったローセルは「メカニカルなトラブルではなく、私自身の問題。ツール・ファムからの連戦の影響もあり、これ以上踏み続けることが困難となった。このレースに臨む心の準備ができておらず、勝利への欲望がなかった」と、その理由を説明した。
ローセルの直後にコースに飛び出したグレース・ブラウン(オーストラリア)は第2計測こそダイガートから31秒遅れで通過。フィニッシュに向けて尻上がりにスピードを上げて47分5秒でフィニッシュしたものの、ダイガートには僅か6秒届かず2年連続の銀メダルに終わった。
最終出走となったリーアンヌ・マルクス(オランダ)も全体の9位でレースを終えたため、ダイガートが2019年以来2度目となるアルカンシエルに袖を通した。「これ以上の喜びはない。この勝利の裏には多くの人によるサポートがあり、感謝の気持ちでいっぱいだ。3年という厳しい期間を乗り越え、キャニオン・スラムやアメリカ自転車競技連盟、家族、友人が助けてくれた。スタートして30分を越えた後からが勝負だと思い、エアロポジションと速度のことだけに集中した。第1計測地点で既に限界に達していたが、全力で踏み続けた。それが勝利という形で実り本当に嬉しい」とダイガートは喜んだ。
ダイガートはリオ五輪のトラック競技(チームパシュート)で銀メダルを獲得した26歳。ロードでも2015年に女子ジュニアでロードとTTの2冠を達成し、2019年には22歳の若さで女子エリートTTで優勝した。しかし大会連覇を目指し出場した翌年の世界選手権で落車し左脚を負傷し、その後も伝染性単核症や心臓の手術などにより長らく競技から離れていた。
そして今年5月に本格的なレース復帰を果たしたダイガートは、ワールドツアーでシングルリザルトを連発。5月のライドロンドン・クラシック(UCIワールドツアー)では久々の勝利を挙げ、その勢いのままアメリカ選手権でロードとTTの2冠を達成。そして再び世界一の座に返り咲き、完全復活を果たした。
また女子エリートと同時に行われた女子U23カテゴリーでは、ダイガートと同じキャニオン・スラムのアントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ)が優勝。銀メダルはセドリーヌ・ケルバオール(フランス)、銅メダルはジュリー・デウィルデ(ベルギー)とそれぞれワールドツアーで活躍する選手が獲得している。
ロード世界選手権2023女子エリートタイムトライアル結果
1位 | クロエ・ダイガート(アメリカ) | 46:59 |
2位 | グレース・ブラウン(オーストラリア) | +0:06 |
3位 | クリスティーナ・シュヴァインバーガー(オーストリア) | +1:13 |
4位 | アンナ・ヘンダーソン(イギリス) | +1:15 |
5位 | ジュリエット・ラブー(フランス) | +1:23 |
6位 | デミ・フォレリング(オランダ) | +1:28 |
7位 | アグニエシュカ・スカルニアクソイカ(ポーランド) | +1:38 |
8位 | アンバー・ニーベン(アメリカ) | +1:52 |
9位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ) | +2:08 |
10位 | ジョージ・ハウ(オーストラリア) | +2:26 |
ロード世界選手権2023女子U23タイムトライアル結果
1位 | アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ) | 49:27 |
2位 | セドリーヌ・ケルバオール(フランス) | +0:08 |
3位 | ジュリー・デウィルデ(ベルギー) | +0:39 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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