2023/07/28(金) - 08:50
マイヨヴェール候補であるロレーナ・ウィーベスがレースを去ったツール・ファム第5ステージ。リカルダ・バウエルンファイント(ドイツ、キャニオン・スラム)が大会最年少となる23歳で区間優勝を飾り、集団復帰の際にチームカーを利用したとしてデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)に20秒のペナルティが課された。
第2回ツール・ド・フランス・ファム・アヴェク・ズイフトも後半戦に突入。第5ステージの舞台はオネ・ル・シャトーからアルビに至る126.1kmで、残り約50kmから2つの3級山岳と4級山岳を越える。しかしいずれも低難易度であり最終山岳からフィニッシュまで距離があるため、集団スプリントが大方の予想となった。
この日は第3ステージで勝利を挙げたロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)が胃腸の不調のため未出走となった。また他2名もスタートしなかったため、5日目にして154名から140名に減った選手たちがオネ・ル・シャトーを出発。すると序盤から11名が逃げグループを形成され、その中には今年1月のカデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレースで優勝したルース・アドヘースツ(オランダ、FDJ・スエズ)が入り、リーダーチームのSDワークス・プロタイムは23歳の若手ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ)を送った。
比較的大きな逃げグループだったものの、SDワークスやキャニオン・スラムなどが牽引するメイン集団からは1分以上のリードを得ることはできない。そのハイペースにはこの日の優勝候補の1人であったエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)が早々と遅れ、残り64km地点でデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)がパンクで遅れる。チームメイトの力を借りず単独で集団復帰を果たしたフォレリングだったが、その際にチームカーを風よけに使ったとして200スイスフランの罰金と、+20秒のペナルティが下された。
プロトンは最初の3級山岳で逃げを吸収し、イスラエル・プレミアテック・ローランドの作るペースにスプリンターのマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)やマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を着るアヌースカ・コステル(オランダ、ウノエックス・プロサイクリングチーム)らが遅れていく。すると第2ステージで水玉ジャージを獲得し、山岳ランキングで2位につけるヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が先頭で3級山岳を通過した。
カステレインは続く3級山岳ラゲピー(距離1.5km/平均9%)もトップで通過し、マイヨアポワの権利を獲得する。そして残り34.8km地点に設定されたボーナスタイムポイントの頂上手前でリカルダ・バウエルンファイント(ドイツ、キャニオン・スラム)がアタック。これに反応したクレア・スティールス(イギリス、イスラエル・プレミアテック・ローランド)を引き離し、バウエルンファイントが独走体勢を築いた。
ロードと個人タイムトライアルの前U23ドイツ王者であるバウエルンファイントは、僅か10kmで1分20秒までリードを拡大。最終4級山岳も難なく越え、フィニッシュラインまで続く平坦路を元パリ〜ルーベ覇者でマニュス・バクステット監督の激励を受けながら突き進む。
残り5kmを過ぎた時点でその差は36秒。するとプロトンを牽引していたマーレン・ローセル(スイス、SDワークス・プロタイム)が飛び出し、第2ステージで勝利を挙げたリアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)が追従する。順調にバウエルンファイントとのタイム差を縮めていく2人だったが、残り2.5kmを過ぎた地点でローセルがローテーションを拒否した。
そのためリードを保ったバウエルンファイントが単独でフィニッシュラインを通過。ガッツポーズではなく、信じられないと手を口に当てたバウエルンファイントが、ツール・ファム史上最年少となる23歳で区間優勝を果たした。
「正直、この勝利が信じられない。チームメイトやチームカーなど全ての人の助けがあったおかげで勝つことができた。逃げに選手を乗せることができなかったので、チームメイトがプロトンを牽引して逃げを引き戻してくれた。その後は私に託され、アタックが実った。チームとしてツールでの勝利を一年に渡り願い続けてきた。それが達成できたいま、素晴らしい気持ち」と、バウエルンファイントは喜びを語った。
22秒遅れでやってきた2位争いはローセルが先着し、リッパートは3位。その更に10秒遅れでフィニッシュしたプロトンの先頭はコペッキーが取り、マイヨジョーヌのキープに成功している。
またコペッキーと同タイムの20位でレースを終えたフォレリングには前述した通り20秒のペナルティが課されたため、総合2位から7位(1分3秒遅れ)に順位を下げている。
第2回ツール・ド・フランス・ファム・アヴェク・ズイフトも後半戦に突入。第5ステージの舞台はオネ・ル・シャトーからアルビに至る126.1kmで、残り約50kmから2つの3級山岳と4級山岳を越える。しかしいずれも低難易度であり最終山岳からフィニッシュまで距離があるため、集団スプリントが大方の予想となった。
この日は第3ステージで勝利を挙げたロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)が胃腸の不調のため未出走となった。また他2名もスタートしなかったため、5日目にして154名から140名に減った選手たちがオネ・ル・シャトーを出発。すると序盤から11名が逃げグループを形成され、その中には今年1月のカデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレースで優勝したルース・アドヘースツ(オランダ、FDJ・スエズ)が入り、リーダーチームのSDワークス・プロタイムは23歳の若手ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ)を送った。
比較的大きな逃げグループだったものの、SDワークスやキャニオン・スラムなどが牽引するメイン集団からは1分以上のリードを得ることはできない。そのハイペースにはこの日の優勝候補の1人であったエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)が早々と遅れ、残り64km地点でデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)がパンクで遅れる。チームメイトの力を借りず単独で集団復帰を果たしたフォレリングだったが、その際にチームカーを風よけに使ったとして200スイスフランの罰金と、+20秒のペナルティが下された。
プロトンは最初の3級山岳で逃げを吸収し、イスラエル・プレミアテック・ローランドの作るペースにスプリンターのマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)やマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を着るアヌースカ・コステル(オランダ、ウノエックス・プロサイクリングチーム)らが遅れていく。すると第2ステージで水玉ジャージを獲得し、山岳ランキングで2位につけるヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が先頭で3級山岳を通過した。
カステレインは続く3級山岳ラゲピー(距離1.5km/平均9%)もトップで通過し、マイヨアポワの権利を獲得する。そして残り34.8km地点に設定されたボーナスタイムポイントの頂上手前でリカルダ・バウエルンファイント(ドイツ、キャニオン・スラム)がアタック。これに反応したクレア・スティールス(イギリス、イスラエル・プレミアテック・ローランド)を引き離し、バウエルンファイントが独走体勢を築いた。
ロードと個人タイムトライアルの前U23ドイツ王者であるバウエルンファイントは、僅か10kmで1分20秒までリードを拡大。最終4級山岳も難なく越え、フィニッシュラインまで続く平坦路を元パリ〜ルーベ覇者でマニュス・バクステット監督の激励を受けながら突き進む。
残り5kmを過ぎた時点でその差は36秒。するとプロトンを牽引していたマーレン・ローセル(スイス、SDワークス・プロタイム)が飛び出し、第2ステージで勝利を挙げたリアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)が追従する。順調にバウエルンファイントとのタイム差を縮めていく2人だったが、残り2.5kmを過ぎた地点でローセルがローテーションを拒否した。
そのためリードを保ったバウエルンファイントが単独でフィニッシュラインを通過。ガッツポーズではなく、信じられないと手を口に当てたバウエルンファイントが、ツール・ファム史上最年少となる23歳で区間優勝を果たした。
「正直、この勝利が信じられない。チームメイトやチームカーなど全ての人の助けがあったおかげで勝つことができた。逃げに選手を乗せることができなかったので、チームメイトがプロトンを牽引して逃げを引き戻してくれた。その後は私に託され、アタックが実った。チームとしてツールでの勝利を一年に渡り願い続けてきた。それが達成できたいま、素晴らしい気持ち」と、バウエルンファイントは喜びを語った。
22秒遅れでやってきた2位争いはローセルが先着し、リッパートは3位。その更に10秒遅れでフィニッシュしたプロトンの先頭はコペッキーが取り、マイヨジョーヌのキープに成功している。
またコペッキーと同タイムの20位でレースを終えたフォレリングには前述した通り20秒のペナルティが課されたため、総合2位から7位(1分3秒遅れ)に順位を下げている。
ツール・ド・フランス ファム2023第5ステージ結果
1位 | リカルダ・バウエルンファイント(ドイツ、キャニオン・スラム) | 3:07:20 |
2位 | マーレン・ローセル(スイス、SDワークス・プロタイム) | 0:22 |
3位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) | |
4位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | 0:32 |
5位 | ソラヤ・パラディン(イタリア、キャニオン・スラム) | |
6位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
7位 | アネ・サンテステバン(スペイン、ジェイコ・アルウラー) | |
8位 | アシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル・クイックステップ) | |
9位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | |
10位 | コラリー・ドゥメー(フランス、サンミッシェル・オーベル93) | |
20位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
26位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | |
113位 | 與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス) | +17:18 |
個人総合成績
1位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | 18:55:17 |
2位 | アシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル・クイックステップ) | 0:49 |
3位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | 0:51 |
4位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
5位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | |
6位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | 1:00 |
7位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 1:03 |
8位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) | 1:25 |
9位 | リカルダ・バウエルンファイント(ドイツ、キャニオン・スラム) | 1:38 |
10位 | ジュリエット・ラブー(フランス、DSM・フィルメニッヒ) | 1:48 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) |
山岳賞 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) |
ヤングライダー賞 | セドリーヌ・ケルバオール(フランス、セラティツィット・WNTプロサイクリング) |
チーム総合成績 | SDワークス・プロタイム |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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