初出場ヨルディ・メーウスのスプリント勝利によって閉幕したツール・ド・フランス。敗れながらもマイヨヴェールを獲得したフィリプセンや2度目の総合優勝を飾ったヴィンゲゴー、最後のツールを終えたサガンなど、第110回大会を戦い抜いた選手たちのコメントを紹介します。



区間優勝 ヨルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)

初出場のツールでパリ決戦を制したヨルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

キャリア最良の日となった。1つ前のスプリントステージで脚に力を感じており、今日はこれまで見せることができなかった力を発揮することができた。全てが上手くいった結果だよ。

今日は一日を通して調子が良く、マルコ・ハラーが完璧な走りで僕を良い位置まで導いてくれた。その後マッズ(ピーダスン)の背後を取り、そのスリップストリームから飛び出した。これが僕にとって初めてのツール。最終日に勝利を挙げることができ、嬉しくて言葉がないよ。

区間2位&マイヨヴェール(ポイント賞ジャージ)ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)

大差でマイヨヴェールを獲得したヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:So Isobe

ヨルディ(メーウス)の勝利は僕にとっても嬉しいこと。彼は他のスプリンター同様、山岳を越え、3週間を苦しみ抜いて掴んだ勝利だ。本当に素晴らしい。僕自身、脚の調子は良かったのだが、厳しいツールの疲れが蓄積されていたのだろう。惜しかったが、今日はヨルディが力強いスプリントを見せた。

マイヨヴェールを獲得することができ、まるで夢のようだ。アスグリーンが勝ったステージやその翌日も勝利のチャンスはあったが、区間4勝という結果には多いに満足しているよ。

マイヨジョーヌ ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)

家族と共に総合優勝を喜ぶヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

レース後インタビュー

総合優勝することができた自分を誇りに思うし、とても嬉しい。沿道にいたデンマーク人ファンによる応援は素晴らしく、チームや家族へはもちろん、デンマークに感謝を伝えたい。彼ら、彼女たちの支えが力となったよ。

この3週間は長く、また一瞬のようにも感じた。僕たちは一日一日を懸命に走り、厳しいレースの連続だった。またタデイ(ポガチャル)とは良い戦いができた。最後までとても楽しかったよ。

もちろん来年、3度目の総合優勝を掴むべく戻ってくる。その結果がどうなるかは分からないがトライはする。

大会連覇を決め、表彰式で愛車を掲げるヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:So Isobe

表彰式でのスピーチ

この優勝により素晴らしい年、素晴らしいツール・ド・フランスになった。この瞬間を目指して早い時期から準備を進めてきた。この優勝はユンボ・ヴィスマというチームがなければ不可能で、今夜は皆と素敵なディナーで祝いたい。

出場した選手たちやスタッフ、また3週間戦いを繰り広げたライバルたちにも感謝を伝えたい。また来年ここで戦おう。そして最後に、僕を支えてくれた2人の家族(ガールフレンドと娘)に感謝したい。2人がいなければこの結果もなかった。ありがとう。

総合2位&マイヨブラン(ヤングライダー賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

自身最後となるマイヨブランを獲得したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:So Isobe

山あり谷ありのツール・ド・フランスだったが、とてもハッピーだったと言う事ができる。この素晴らしい結果はもちろん、今朝のチームバスの中の雰囲気は特別で、このツールを一層特別なものにしてくれた。TVで観戦していたファンにとっても、面白いレースになったんじゃないかな。大会をステージ優勝で締めくくることができ、大きな自信を得ることができた。僕は来年も戻ってくるよ。

現役最後のツールを終えたペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)

古巣であるボーラ・ハンスグローエのスタッフから祝福を受けるペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) photo:So Isobe

12年前に初めてここパリを走った時の方が良かったね。あの時の興奮と比べれば、いまは「ようやく終わった」という気持ちだよ。これで最後だということが何より嬉しい。

ロードレースでは良いキャリアを築くことができた。この後は最後となるロード世界選手権に向けて準備を進め、その後は楽しみなマウンテンバイクが待っている。来年はマウンテンバイクに集中するよ。

―応援しているファンにメッセージを。

みんなありがとう。だがこれは僕の最後レースではない。来年もロードではないにせよ、僕は走り続ける。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, So Isobe

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