2023/08/20(日) - 14:16
ドイツのタイヤブランドであるコンチネンタルからロード用ハイエンドチューブレスレディタイヤ「GRAND PRIX 5000TT TR」が登場。GP5000シリーズ史上最軽量モデルで、TTスペシャリストのフィリッポ・ガンナがアワーレコードで世界記録を達成した決戦タイヤをテストした。
UAEチームエミレーツやイネオス・グレナディアーズら名だたるUCIワールドチームをサポートするドイツの総合タイヤブランドのコンチネンタル。フラッグシップモデルのGRAND PRIXシリーズには幾つものタイプが存在し、様々なサイクリストから愛されてきた定番モデルだ。
現在のトップエンドGRAND PRIX 5000にはクリンチャーとチューブレスレディという2タイプ、そして通常モデルに加えてロングライフモデルなどが揃っている。今回はその中からGRAND PRIX 5000シリーズ史上最軽量モデルのGRAND PRIX 5000TT TRをピックアップ。
タイヤコンパウンドにはコンチネンタル独自の「ブラックチリコンパウンド」を採用し、高いグリップ性能と軽い転がり性能を両立した高性能なタイヤに仕上がっている。トレッドのサイドにはGRAND PRIX 5000シリーズで統一デザインのレーザーグリップが刻まれ、コーナーリング時に更なるグリップ力を発揮してくれる。3層の330TPIでタイヤのしなやかさも兼ね備える。
更にベクトランブレイカーを採用し、耐パンク性にも優れているのが特徴。液晶ポリマーにも使用されているハイテク化学繊維であるベクトランは、防弾ベストなどに用いられるケブラーよりも硬く、鉄のおよそ5倍という高い引っ張り強度を持っているという。
また、ナイロンの耐パンクブレイカーと比較しても軽量で柔軟性があり、引き裂き抵抗に優れたテキスタイルでもある。それをコンチネンタルでは耐パンクシートとしてロード用ハイパフォーマンスタイヤに使用している。
フックレスリムのホイールが増えている昨今だが、トレンドに合わせたフックレスリム対応チューブレスレディタイヤとなっている。サイズは700×25Cと28Cの2サイズ展開。価格は17,000円(税込)で、取り扱いはミズタニ自転車。それでは編集部インプレッションに移っていこう。
―編集部インプレッション
GRAND PRIX 5000TT TRのインプレッションを担当するのは、ロードレースやシクロクロス、トレーニング、自転車通勤でチューブレスタイヤを愛用し、コンチネンタルのタイヤはチューブラータイヤの"COMPETITION"やチューブレスモデル"GRAND PRIX 5000S TR"などフラッグシップモデルを使用してきたCW編集部員の高木(身長175cm、体重59kg)だ。
TTスペシャリストのフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)がアワーレコードで56.792kmの世界記録を樹立したときにも使用され、今年のツール・ド・フランスでもイネオス・グレナディアーズの選手たちが使用しており、気になっていたロードタイヤである。
タイヤを手に取ってみるとコンチネンタルらしく、しっかりとした作りという印象を受けた。タイヤのトレッド面やタイヤのサイドはしなやかな作りで、ビード部分はフックレス対応ということもあり厚みがあるしっかりとした作りになっていた。タイヤのサイドにあるレーザーグリップの部分は路面を捉えてくれそうだ。
今回はシマノ ULTEGRA TLホイールにGRAND PRIX 5000TT TRを装着した。タイヤ自体はしっかりとはまっていく。チューブレスタイヤはブースターやコンプレッサーを使用しないとビードが上がらないタイヤもあるが、このGRAND PRIX 5000TT TRはフロアポンプでスムーズにビードが上がり装着が完了した。
漕ぎ出し直後の転がりの軽さは非常に印象的だ。スムーズにスピードが加速していき、平地の巡行でもタイヤが抵抗となる感覚もない。ゼロ発進から加速していく時も非常にスムーズで、平地の巡行を助けてくれる。走り慣れたコースでテストを行ったため、長い下りでの加速感や登り返しでの惰性走行で走れる距離の伸び方など、優れていることを強く確認することができた。
転がりが軽いからと言って、グリップ感が損なわれているわけではなく、コンチネンタル独自のブラックチリコンパウンドがグリップ力を高めてくれている。コーナーリングもグリップ感は強く、コンパウンドが路面をしっかりと捉えてくれる。さらにコーナーでバイクを倒し、タイヤサイドにあるレーザーグリップの部分が路面と接すると、タイヤが更に路面に食らいつく感覚がある。コーナーリングの最中でも微調整できるようなハンドリングができるため、ダウンヒルの安心感を増してくれる。
また、以前テストしたGRAND PRIX 5000S TRが220TPIだったのに対し、GRAND PRIX 5000TT TRは330TPIとより細い繊維でケーシングが構成されているため、タイヤ全体のしなやかさが強化されており、ソフトな乗り味をライダーに与えてくれる。
このケーシングのしなやかさに加えて、ブラックチリコンパウンド自体も柔軟のため、タイヤ全体で路面の細かな凹凸に対して柔軟に変化する。それがコンパウンドだけのグリップ力だけではなく、タイヤ全体でのグリップ、トラクション性能を引き出してくれる。
タイヤの推奨空気圧は5.0~6.5bar(73-94PSI)のため、その範囲内であらゆる空気圧を試してみた。その結果、体重が59kgの私にとって5.0~5.5barの空気圧が、グリップ感と乗り心地の良さのバランスが取れているように感じた。
GP5000S TRと比較しても、25Cでは25g、28Cでは40gも軽量になっている。そのため加速やコーナリング時に軽さが際立った。富士ヒル、乗鞍などのヒルクライムやTT、クリテリウムなど、タイヤの軽さが活かせるシーンでこの性能はメリットとなるだろう。価格が高価なため常用しにくいが、目標のレースのために使用する決戦用としておすすめしたいタイヤだった。
コンチネンタル GRAND PRIX 5000TT TR
カラー:ブラック
サイズ:700×25C、28C
重量:225g(25C)、240g(28C)
価格:17,000円(税込)
impression:Michinari TAKAGI
photo:Gakuto Fujiwara、Michinari TAKAGI
UAEチームエミレーツやイネオス・グレナディアーズら名だたるUCIワールドチームをサポートするドイツの総合タイヤブランドのコンチネンタル。フラッグシップモデルのGRAND PRIXシリーズには幾つものタイプが存在し、様々なサイクリストから愛されてきた定番モデルだ。
現在のトップエンドGRAND PRIX 5000にはクリンチャーとチューブレスレディという2タイプ、そして通常モデルに加えてロングライフモデルなどが揃っている。今回はその中からGRAND PRIX 5000シリーズ史上最軽量モデルのGRAND PRIX 5000TT TRをピックアップ。
タイヤコンパウンドにはコンチネンタル独自の「ブラックチリコンパウンド」を採用し、高いグリップ性能と軽い転がり性能を両立した高性能なタイヤに仕上がっている。トレッドのサイドにはGRAND PRIX 5000シリーズで統一デザインのレーザーグリップが刻まれ、コーナーリング時に更なるグリップ力を発揮してくれる。3層の330TPIでタイヤのしなやかさも兼ね備える。
更にベクトランブレイカーを採用し、耐パンク性にも優れているのが特徴。液晶ポリマーにも使用されているハイテク化学繊維であるベクトランは、防弾ベストなどに用いられるケブラーよりも硬く、鉄のおよそ5倍という高い引っ張り強度を持っているという。
また、ナイロンの耐パンクブレイカーと比較しても軽量で柔軟性があり、引き裂き抵抗に優れたテキスタイルでもある。それをコンチネンタルでは耐パンクシートとしてロード用ハイパフォーマンスタイヤに使用している。
フックレスリムのホイールが増えている昨今だが、トレンドに合わせたフックレスリム対応チューブレスレディタイヤとなっている。サイズは700×25Cと28Cの2サイズ展開。価格は17,000円(税込)で、取り扱いはミズタニ自転車。それでは編集部インプレッションに移っていこう。
―編集部インプレッション
GRAND PRIX 5000TT TRのインプレッションを担当するのは、ロードレースやシクロクロス、トレーニング、自転車通勤でチューブレスタイヤを愛用し、コンチネンタルのタイヤはチューブラータイヤの"COMPETITION"やチューブレスモデル"GRAND PRIX 5000S TR"などフラッグシップモデルを使用してきたCW編集部員の高木(身長175cm、体重59kg)だ。
TTスペシャリストのフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)がアワーレコードで56.792kmの世界記録を樹立したときにも使用され、今年のツール・ド・フランスでもイネオス・グレナディアーズの選手たちが使用しており、気になっていたロードタイヤである。
タイヤを手に取ってみるとコンチネンタルらしく、しっかりとした作りという印象を受けた。タイヤのトレッド面やタイヤのサイドはしなやかな作りで、ビード部分はフックレス対応ということもあり厚みがあるしっかりとした作りになっていた。タイヤのサイドにあるレーザーグリップの部分は路面を捉えてくれそうだ。
今回はシマノ ULTEGRA TLホイールにGRAND PRIX 5000TT TRを装着した。タイヤ自体はしっかりとはまっていく。チューブレスタイヤはブースターやコンプレッサーを使用しないとビードが上がらないタイヤもあるが、このGRAND PRIX 5000TT TRはフロアポンプでスムーズにビードが上がり装着が完了した。
漕ぎ出し直後の転がりの軽さは非常に印象的だ。スムーズにスピードが加速していき、平地の巡行でもタイヤが抵抗となる感覚もない。ゼロ発進から加速していく時も非常にスムーズで、平地の巡行を助けてくれる。走り慣れたコースでテストを行ったため、長い下りでの加速感や登り返しでの惰性走行で走れる距離の伸び方など、優れていることを強く確認することができた。
転がりが軽いからと言って、グリップ感が損なわれているわけではなく、コンチネンタル独自のブラックチリコンパウンドがグリップ力を高めてくれている。コーナーリングもグリップ感は強く、コンパウンドが路面をしっかりと捉えてくれる。さらにコーナーでバイクを倒し、タイヤサイドにあるレーザーグリップの部分が路面と接すると、タイヤが更に路面に食らいつく感覚がある。コーナーリングの最中でも微調整できるようなハンドリングができるため、ダウンヒルの安心感を増してくれる。
また、以前テストしたGRAND PRIX 5000S TRが220TPIだったのに対し、GRAND PRIX 5000TT TRは330TPIとより細い繊維でケーシングが構成されているため、タイヤ全体のしなやかさが強化されており、ソフトな乗り味をライダーに与えてくれる。
このケーシングのしなやかさに加えて、ブラックチリコンパウンド自体も柔軟のため、タイヤ全体で路面の細かな凹凸に対して柔軟に変化する。それがコンパウンドだけのグリップ力だけではなく、タイヤ全体でのグリップ、トラクション性能を引き出してくれる。
タイヤの推奨空気圧は5.0~6.5bar(73-94PSI)のため、その範囲内であらゆる空気圧を試してみた。その結果、体重が59kgの私にとって5.0~5.5barの空気圧が、グリップ感と乗り心地の良さのバランスが取れているように感じた。
GP5000S TRと比較しても、25Cでは25g、28Cでは40gも軽量になっている。そのため加速やコーナリング時に軽さが際立った。富士ヒル、乗鞍などのヒルクライムやTT、クリテリウムなど、タイヤの軽さが活かせるシーンでこの性能はメリットとなるだろう。価格が高価なため常用しにくいが、目標のレースのために使用する決戦用としておすすめしたいタイヤだった。
コンチネンタル GRAND PRIX 5000TT TR
カラー:ブラック
サイズ:700×25C、28C
重量:225g(25C)、240g(28C)
価格:17,000円(税込)
impression:Michinari TAKAGI
photo:Gakuto Fujiwara、Michinari TAKAGI
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