今大会最初の集団スプリントを制したヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)は「マチューのリードアウトには誰も並べない」と褒め称えた。前日に続き勝利を逃したファンアールトなど、第3ステージを終えた選手のコメントを紹介します。



区間優勝 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)

インタビューゾーンで正式な勝利の報告を待つヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:A.S.O.

正直、(斜行により降格処分が下るのではないかと)疑っていた。彼ら(レース主催者)はレースを最後の最後まで楽しませてくれるよね。

ツールで楽なスプリントなどなく、皆が全力で勝利を狙いにいく緊張感の高い争いだった。ヨナス(リカールト)のリードアウトは素晴らしく、続くマチュー(ファンデルプール)も完璧だった。彼をスピードに乗せるスペースさえ与えれば、他のリードアウトが彼を追い抜けるわけないのだからね。最後はトリッキーなS字コーナーだったけれど、最短距離を狙い踏み込んだ。1位でフィニッシュできて本当に嬉しいよ。

大会最初のスプリントでは皆のモチベーションが高いので争いは難しくなる。そのため残り70km辺りから既にプロトンは、位置取り争いで緊張感に包まれていた。

もちろんマイヨヴェール(ポイント賞ジャージ)は狙いに行くが、重要なのは次なる勝利。でもこの瞬間はこの勝利を喜びたい。そしてマイヨヴェールを手に入れた際には、全力を尽くして守りたい。

区間2位 フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)

先頭に立ったヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:So Isobe

時速60km/hを余裕で超える、とても緊張感の高いスプリントだった。僕のために良い走りを見せてくれたチームに感謝している。彼らがいなければ僕は勝利を争うことすらできなかった。もちろんツールで区間2位は良い結果だが、スプリンターならば勝利が欲しいに決まっている。この後もスプリンターのためのステージがいくつかあるので、夢のステージ優勝を目指して頑張りたい。

区間3位 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・デスティニー)

集団後方から追い上げ、3位に入ったカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・デスティニー) photo:CorVos

とてもナーバスなスプリントだったが、チームとして良い走りができた。世界トップスプリンターがほぼ全員集結したレベルの高い争いのなか、ボジション争いは熾烈を極めた。もちろん最後はヤスペル(フィリプセン)に持っていかれてしまったが、急遽戦術を変更した中で皆柔軟に対応することができた。

スプリントを開始する位置が後方になってしまったが、次に繋がる良い感覚を得た。自信が持てるステージとなったよ。

区間5位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)

スタートを待つワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:A.S.O.

レース後インタビュー

クリストフの働きは素晴らしく、結果的に良い位置からスプリントすることができた。フィリプセンをコース右側から追い抜こうとしたのだが、残念ながらヤスペルと接触し、同時に沿道の観客とぶつかってしまったんだ。結果的に最後までスプリントすることができず、5位という結果に終わった。だが幸運にも落車することなくレースを終えることができた。それが最も重要なことだからね。

コンディションは良く、明日も集団スプリントの可能性があるステージ。そうなればもちろんまた、勝利を狙いに行く。

レース前インタビュー

前日ステージでフィニッシュ直後、悔しさのあまりボトルを地面に叩きつけたことについて

―昨日顕にした怒りはヴィンゲゴーがリードアウトに加わってくれなかったからか?

全く違う。単純に目の前で勝利を逃して悔しかったから。(登りを含むステージで)僕みたいな選手は先頭集団に食らいつくために相当な力を使わなければならないからね。それまでして掴んだチャンスを逃してしまった悔しさからだ。

―メディアが君とヴィンゲゴーの仲を悪く仕立てるのは、先日公開されたNetflixのドキュメンタリーで対立するシーンが流された影響もあるのだろうか?

そうかもね。今年のシーズンが楽しみだよ(笑)。チームバスの中の雰囲気は良く、チーム内ではヨナス(ヴィンゲゴー)の総合優勝とステージ優勝を狙う僕がいる。それだけのこと。そこに何の対立もないよ。

区間6位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)

大会最初のスプリントで勝利を狙うマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン) photo:So Isobe

チームとしてのプランは、残り2km地点のUターンで僕を良い位置に運ぶこと。それをチームメイトは遂行してくれたので、後は僕が良い選手の背後につくだけだった。残り500mほどで前方に10名以上の選手がいるなか、6位まで順位を上げることができた。もちろん勝ちたかったが、スピードが十分ではなかった。

それに今日のような下り基調のフィニッシュは、ジョナサン・ミランやワウト・ファンアールト、フィリプセンといった56Tのチェーンリングを軽々と回すことのできる大柄な選手が有利だ。だから(小柄な)僕には適したレイアウトではなかった。だが、来るスプリントステージに向けて自信に繋がったよ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:So Isobe, CorVos

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