2023/06/11(日) - 08:30
1級山岳クロワ・ド・フェール峠を駆け上がる147.9kmで争われたクリテリウム・デュ・ドーフィネ第7ステージ。ライバルたちを蹴散らしたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)が区間2勝目を挙げ、自身初の総合優勝を大きく引き寄せた。
147.9kmという距離に、標高2,000m前後の山岳が詰め込まれたクリテリウム・デュ・ドーフィネ第7ステージ。コース中盤に超級山岳マドレーヌ(距離25.1km/平均6.2%)を越え、下りと平坦路を挟んでから超級山岳アルビエ・ル・ジュンヌ(距離18.5km/平均5.8%)をクリア。そして最後は1級山岳クロワ・ド・フェール峠(距離13.1km/平均6.2%)を駆け上がるため、その獲得標高差は4,000mに達する。
過酷極まりないクイーンステージの序盤、最初の平坦区間でヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)やレミ・カヴァニャ(フランス、スーダル・クイックステップ)を含む4名が逃げ集団を形成する。それを今大会ワールドチームを凌ぐ走り見せているウノエックス・プロサイクリングチームからアントン・チャーム(デンマーク)やトビアス・バイヤー(オーストリア、アルペシン・ドゥクーニンク)ら4名がメイン集団から飛び出し、追いかけた。
この日最初のカテゴリー山岳である超級マドレーヌに入り、カヴァニャらを振り落としたカンペナールツがトップ通過して山岳ポイントを15点加算する。一方で追走するチャームたちが先頭に届くことはなく、アントニー・ペレス(フランス、コフィディス)も置き去りにするハイスピードでカンペナールツは超級山岳アルビエ・ル・ジュンヌを単独でクリア。マチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー)を抜き、狙い通り山岳賞ジャージを手に入れた。
メイン集団では序盤からイネオス・グレナディアーズが牽引し、アルビエ・ル・ジュンヌの登坂に入りようやくユンボ・ヴィスマの牽引がスタート。プロトンは次々と逃げた選手を飲み込み、1級山岳クロワ・ド・フェール峠(距離13.1km/平均6.2%)の登り始めでカンペナールツを吸収。パリ〜ルーベで負った手と肩の骨折から復帰したディラン・ファンバーレ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)の牽引から、登坂勝負がその幕を開けた。
ティシュ・ベノート (ベルギー)からアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー)に引き継がれた牽引は強烈で、クレモン・シャンプッサン(アルケア・サムシック)やダヴィド・ゴデュ(グルパマFDJ)など地元フランス期待のクライマーが遅れていく。更にツールで総合エースを予定するミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)も脱落し、アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)以外を振り落とした強力トレインからヴィンゲゴーがアタックした。
フィニッシュまで残り5.4km地点で加速したヴィンゲゴーに反応できるライバルはおらず、イェーツは「自分のペースを守り、後ろから協力者が現れると思ったが誰も上がってこなかった」とレース後語ったように淡々と踏み続ける。わずか1km進んだだけでイェーツと15秒差をつけたヴィンゲゴーは、総合2位のベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン)やジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)ら有力選手を含む追走集団とのリードを35秒まで拡げた。
2日前の丘陵ステージでも15.7km独走を披露したヴィンゲゴーのペースは突然降り出した雨によって落ちることはなく、ハイケイデンスのシッティングと時折ダンシングを織り交ぜながらフラムルージュ(残り1km地点)を通過。単独で追うイェーツの後方ではヒンドレーが追走集団から飛び出し、それをオコーナーが追いかける展開。しかしいずれもヴィンゲゴーのペースを乱すには至らず、マイヨジョーヌを着たヴィンゲゴーが今大会2つ目となるステージ優勝を掴み取った。
「どうしても今日のステージ優勝が欲しかった。脚の調子は良く、チームメイトの素晴らしい走りに応えたかった。ティシュ(ベノート)とアッティラ(ヴァルテル)の牽引から”次は僕の番だ”と思いアタックした。幸運にもすべてが計画通りに進んだ。もちろん苦しかったが、勝利による喜びが遥かに勝っているよ」とヴィンゲゴー。総合2位とのタイム差を1分10秒から2分11秒まで拡大することに成功し、自身初となるドーフィネ総合優勝を大きく引き寄せた。
区間2位には41秒遅れでイェーツが入り、総合で4位から2位にジャンプアップ。前日も遅れを喫したリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)は2分10秒遅れと総合争いから脱落した一方で、エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)が1分27秒遅れと復調の兆しを見せている。
大会最終日の翌日も超級山岳や1級山岳が連なるタフなステージ。特に最後は超級、2級、1級と続き、約16kmのテクニカルな下りから最後は1級山岳ラ・バスティーユ(距離1.8km/平均14.2%)を駆け上がる。アシスト陣を含め隙のないヴィンゲゴーを打倒するチームは現れるのかが注目される。
147.9kmという距離に、標高2,000m前後の山岳が詰め込まれたクリテリウム・デュ・ドーフィネ第7ステージ。コース中盤に超級山岳マドレーヌ(距離25.1km/平均6.2%)を越え、下りと平坦路を挟んでから超級山岳アルビエ・ル・ジュンヌ(距離18.5km/平均5.8%)をクリア。そして最後は1級山岳クロワ・ド・フェール峠(距離13.1km/平均6.2%)を駆け上がるため、その獲得標高差は4,000mに達する。
過酷極まりないクイーンステージの序盤、最初の平坦区間でヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)やレミ・カヴァニャ(フランス、スーダル・クイックステップ)を含む4名が逃げ集団を形成する。それを今大会ワールドチームを凌ぐ走り見せているウノエックス・プロサイクリングチームからアントン・チャーム(デンマーク)やトビアス・バイヤー(オーストリア、アルペシン・ドゥクーニンク)ら4名がメイン集団から飛び出し、追いかけた。
この日最初のカテゴリー山岳である超級マドレーヌに入り、カヴァニャらを振り落としたカンペナールツがトップ通過して山岳ポイントを15点加算する。一方で追走するチャームたちが先頭に届くことはなく、アントニー・ペレス(フランス、コフィディス)も置き去りにするハイスピードでカンペナールツは超級山岳アルビエ・ル・ジュンヌを単独でクリア。マチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー)を抜き、狙い通り山岳賞ジャージを手に入れた。
メイン集団では序盤からイネオス・グレナディアーズが牽引し、アルビエ・ル・ジュンヌの登坂に入りようやくユンボ・ヴィスマの牽引がスタート。プロトンは次々と逃げた選手を飲み込み、1級山岳クロワ・ド・フェール峠(距離13.1km/平均6.2%)の登り始めでカンペナールツを吸収。パリ〜ルーベで負った手と肩の骨折から復帰したディラン・ファンバーレ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)の牽引から、登坂勝負がその幕を開けた。
ティシュ・ベノート (ベルギー)からアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー)に引き継がれた牽引は強烈で、クレモン・シャンプッサン(アルケア・サムシック)やダヴィド・ゴデュ(グルパマFDJ)など地元フランス期待のクライマーが遅れていく。更にツールで総合エースを予定するミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)も脱落し、アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)以外を振り落とした強力トレインからヴィンゲゴーがアタックした。
フィニッシュまで残り5.4km地点で加速したヴィンゲゴーに反応できるライバルはおらず、イェーツは「自分のペースを守り、後ろから協力者が現れると思ったが誰も上がってこなかった」とレース後語ったように淡々と踏み続ける。わずか1km進んだだけでイェーツと15秒差をつけたヴィンゲゴーは、総合2位のベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン)やジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)ら有力選手を含む追走集団とのリードを35秒まで拡げた。
2日前の丘陵ステージでも15.7km独走を披露したヴィンゲゴーのペースは突然降り出した雨によって落ちることはなく、ハイケイデンスのシッティングと時折ダンシングを織り交ぜながらフラムルージュ(残り1km地点)を通過。単独で追うイェーツの後方ではヒンドレーが追走集団から飛び出し、それをオコーナーが追いかける展開。しかしいずれもヴィンゲゴーのペースを乱すには至らず、マイヨジョーヌを着たヴィンゲゴーが今大会2つ目となるステージ優勝を掴み取った。
「どうしても今日のステージ優勝が欲しかった。脚の調子は良く、チームメイトの素晴らしい走りに応えたかった。ティシュ(ベノート)とアッティラ(ヴァルテル)の牽引から”次は僕の番だ”と思いアタックした。幸運にもすべてが計画通りに進んだ。もちろん苦しかったが、勝利による喜びが遥かに勝っているよ」とヴィンゲゴー。総合2位とのタイム差を1分10秒から2分11秒まで拡大することに成功し、自身初となるドーフィネ総合優勝を大きく引き寄せた。
区間2位には41秒遅れでイェーツが入り、総合で4位から2位にジャンプアップ。前日も遅れを喫したリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)は2分10秒遅れと総合争いから脱落した一方で、エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)が1分27秒遅れと復調の兆しを見せている。
大会最終日の翌日も超級山岳や1級山岳が連なるタフなステージ。特に最後は超級、2級、1級と続き、約16kmのテクニカルな下りから最後は1級山岳ラ・バスティーユ(距離1.8km/平均14.2%)を駆け上がる。アシスト陣を含め隙のないヴィンゲゴーを打倒するチームは現れるのかが注目される。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2023第7ステージ結果
1位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | 4:15:47 |
2位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | +0:41 |
3位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:53 |
4位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | +1:04 |
5位 | マックス・プール(イギリス、チームDSM) | +1:10 |
6位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) | |
8位 | トースタイン・トレーエン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | |
9位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | ルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | |
14位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | +1:27 |
18位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +2:10 |
個人総合成績
1位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | 25:22:18 |
2位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | +2:11 |
3位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | +2:24 |
4位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +2:36 |
5位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +3:04 |
6位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | +3:27 |
7位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) | +3:48 |
8位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) | +4:14 |
9位 | ルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | +4:19 |
10位 | トースタイン・トレーエン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | +4:21 |
その他の特別賞
ポイント賞 | クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | ヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー) |
ヤングライダー賞 | マックス・プール(イギリス、チームDSM) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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