2023/06/03(土) - 19:26
ツール・ド・熊野第1ステージは、前日までの悪天候の影響でコースを短縮して行われ、登りで抜け出た山本大喜と岡篤志(JCLチーム右京)が逃げ切ってワン・ツーフィニッシュ。山本がリーダージャージに袖を通した。
「熊野インターナショナル・ロードレースフェスタ2023」として行われる今年のツール・ド・熊野は、2日間2ステージのレースに改められての開催。昨年まで第2ステージとなっていた三重県熊野市を舞台とする「熊野山岳コース」が第1ステージとして行われる。1級山岳の札立峠と、ツール・ド・熊野を象徴する丸山千枚田を2回登る104.5kmのクイーンステージとなるが、前日までの大雨による影響で札立峠の前後約40kmが通行止めとなり、レース当日朝の時点で解除されない状況となってしまった。このため通行止め区間を除き、丸山千枚田を2回登る63.7kmに短縮して行われた。
朝から晴れて気温が上がり始めた午前10時にスタートしたレースは、約20kmに渡るアタック合戦で始まる。主導権を握るチームがないまま1回目の千枚田への登りに入ると、山本大喜(JCLチーム右京)が先頭に出て2級山岳に指定される頂上を通過する。その後の下りで岡篤志が追いつき、JCLチーム右京の2名が先行して40kmを経過する。
2回目の千枚田への登りに向けて、メイン集団は悲願の地元優勝を目指すキナンレーシングチームがコントロール。登りに入ると各チームが前に出てペースアップを図る。しかし先行する山本と岡との差は30秒前後のままで、縮まる気配がない。ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)が追走に出るも差を縮めるほどにはならない。その後もメイン集団は追走の動きがまとまらず、20秒差まで迫る場面もあったものの、再び差が開く。
山本と岡は2人揃って残り100mに現れ、山本を先頭にフィニッシュ。メイン集団に36秒差をつけて逃げ切り、ワン・ツーフィニッシュを決めた。
山本大喜コメント
「今日は前前で積極的に走るつもりでスタートした。1回目の山岳賞を取ろうと思って、全開で踏んだわけではないけれど後ろが離れたので、他のメンバーが後ろの集団にいるなら独走しても良いなと思った。下りもよく知っているコースなので攻めて行けばタイム差がつくと考えていたら、下り切ったところで岡が合流してきた。その時点で40秒ほど差がついていたので、全開で回して逃げ切りを考えた。
終盤に20秒差まで縮まった時は捕まるかなと思ったけれど、岡も良いペースで回してくれていたので逃げ切るしかないと思った。今回は自分がエースで走りたいとチームとも話していたので、最後は岡から前でフィニッシュしてと言われたので先頭で入った。
このコースのことは昨年まで所属していたキナンレーシングチームで走って良く知っているし、どこで仕掛ければ勝負が決まるかも判っていた。沿道からの応援もずっと自分の名前を呼んでいてくれて、それが嬉しくて力になった。
これまでチームを支える側で走ってきて、直前のツアー・オブ・ジャパンでは自分の調子が良いと判っていたので、チャンスが来た時に勝てるように調整してきた。だからここでは何としても勝ちたかった。
明日の太地町はキツいコースだが、今日タイム差をつけることが出来たし、チームメイトも強いメンバーが揃っているので、レースをコントロールして首位を守り切れると思っている」
明日6月4日は、和歌山県太地町での第2ステージが行われる。個人総合成績は1分差以内に20名がひしめく僅差となっている。山本はコメントにもあるように首位を守り切ることに自信を見せるが、明日は中間スプリントとフィニッシュでボーナスタイムが付与されるため、まだ逆転の可能性が残る。最終日も神経質な展開となるか?
「熊野インターナショナル・ロードレースフェスタ2023」として行われる今年のツール・ド・熊野は、2日間2ステージのレースに改められての開催。昨年まで第2ステージとなっていた三重県熊野市を舞台とする「熊野山岳コース」が第1ステージとして行われる。1級山岳の札立峠と、ツール・ド・熊野を象徴する丸山千枚田を2回登る104.5kmのクイーンステージとなるが、前日までの大雨による影響で札立峠の前後約40kmが通行止めとなり、レース当日朝の時点で解除されない状況となってしまった。このため通行止め区間を除き、丸山千枚田を2回登る63.7kmに短縮して行われた。
朝から晴れて気温が上がり始めた午前10時にスタートしたレースは、約20kmに渡るアタック合戦で始まる。主導権を握るチームがないまま1回目の千枚田への登りに入ると、山本大喜(JCLチーム右京)が先頭に出て2級山岳に指定される頂上を通過する。その後の下りで岡篤志が追いつき、JCLチーム右京の2名が先行して40kmを経過する。
2回目の千枚田への登りに向けて、メイン集団は悲願の地元優勝を目指すキナンレーシングチームがコントロール。登りに入ると各チームが前に出てペースアップを図る。しかし先行する山本と岡との差は30秒前後のままで、縮まる気配がない。ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)が追走に出るも差を縮めるほどにはならない。その後もメイン集団は追走の動きがまとまらず、20秒差まで迫る場面もあったものの、再び差が開く。
山本と岡は2人揃って残り100mに現れ、山本を先頭にフィニッシュ。メイン集団に36秒差をつけて逃げ切り、ワン・ツーフィニッシュを決めた。
山本大喜コメント
「今日は前前で積極的に走るつもりでスタートした。1回目の山岳賞を取ろうと思って、全開で踏んだわけではないけれど後ろが離れたので、他のメンバーが後ろの集団にいるなら独走しても良いなと思った。下りもよく知っているコースなので攻めて行けばタイム差がつくと考えていたら、下り切ったところで岡が合流してきた。その時点で40秒ほど差がついていたので、全開で回して逃げ切りを考えた。
終盤に20秒差まで縮まった時は捕まるかなと思ったけれど、岡も良いペースで回してくれていたので逃げ切るしかないと思った。今回は自分がエースで走りたいとチームとも話していたので、最後は岡から前でフィニッシュしてと言われたので先頭で入った。
このコースのことは昨年まで所属していたキナンレーシングチームで走って良く知っているし、どこで仕掛ければ勝負が決まるかも判っていた。沿道からの応援もずっと自分の名前を呼んでいてくれて、それが嬉しくて力になった。
これまでチームを支える側で走ってきて、直前のツアー・オブ・ジャパンでは自分の調子が良いと判っていたので、チャンスが来た時に勝てるように調整してきた。だからここでは何としても勝ちたかった。
明日の太地町はキツいコースだが、今日タイム差をつけることが出来たし、チームメイトも強いメンバーが揃っているので、レースをコントロールして首位を守り切れると思っている」
明日6月4日は、和歌山県太地町での第2ステージが行われる。個人総合成績は1分差以内に20名がひしめく僅差となっている。山本はコメントにもあるように首位を守り切ることに自信を見せるが、明日は中間スプリントとフィニッシュでボーナスタイムが付与されるため、まだ逆転の可能性が残る。最終日も神経質な展開となるか?
ツール・ド・熊野 第1ステージ/熊野山岳コース 結果(63.7km)
1位 | 山本大喜(JCLチーム右京) | 1時間28分58秒 |
2位 | 岡 篤志(JCLチーム右京 | +0秒 |
3位 | ジャンバルジャムツ・セインベヤール(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム、モンゴル) | +36秒 |
4位 | 中井唯晶(シマノレーシング) | |
5位 | ベンジャミ・プラデス(JCLチーム右京、スペイン) | |
6位 | 谷 順成(宇都宮ブリッツェン) | |
7位 | ダニエル・グルド(レバンテフジ静岡、デンマーク) | |
8位 | 石原悠希(シマノレーシング) | |
9位 | バトムンク・マラル・エルデン(レバンテフジ静岡、モンゴル) | |
10位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックスパワータグ、スペイン) | |
個人総合成績(第1ステージ終了時) | ||
1位 | 山本大喜(JCLチーム右京) | 1時間28分58秒 |
2位 | 岡 篤志(JCLチーム右京 | +0秒 |
3位 | ジャンバルジャムツ・セインベヤール(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム、モンゴル) | +36秒 |
4位 | 中井唯晶(シマノレーシング) | |
5位 | ベンジャミ・プラデス(JCLチーム右京、スペイン) | |
6位 | 谷 順成(宇都宮ブリッツェン) | |
山岳賞(第1ステージ終了時) | ||
1位 | 山本大喜(日本、JCLチーム右京) | 19p |
2位 | 岡篤志(JCLチーム右京) | 13p |
3位 | ジャンバルジャムツ・セインベヤール(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム、モンゴル) | 5p |
チーム順位(第1ステージ終了時) | ||
1位 | JCLチーム右京 | 4時間27分30秒 |
2位 | EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム | +1分36秒 |
3位 | レバンテフジ静岡 | +1分43秒 |
text&photo:Satoru Kato
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