2023/05/22(月) - 15:15
フランス北部を舞台に「ダンケルク4日間レース」が行われ、オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が区間2勝をマーク。2日目を制したフランス期待のクライマー、ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)が総合優勝に輝いた。
ジロ・デ・イタリアが裏で開催中の5月16日から21日にかけて、フランス北部で「ダンケルク4日間レース(UCI.Pro)」が行われた。4日間レースという名称であるものの、同エリアでの伝統レース「ツール・ド・ピカデリー」と合併したことから2017年に6日間に拡大。そして昨年の5月上旬から、時期を2週間ほど後ろ倒しにして開催された。
レースの舞台となるのはフランス本土最北端、ベルギーとの国境に近いダンケルク。パリ〜ルーベのような石畳や細かなアップダウン、強い海風などが名物となっており、雰囲気はクラシックレースそのもの。そのためクラシックレースに長けたペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)や現役ラストイヤーのグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン)らが集い、ピュアスプリンターのティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)なども出場した。
集団スプリントに持ち込まれた大会初日は、最終ストレートで優勝候補の一人であるアルノー・デリー(ベルギー、ロット・デスティニー)を巻き込む大規模落車が発生。それを免れたマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、コフィディス)らコーイが退け、初日勝者に輝いた。
デリーはこの落車により左の鎖骨と肋骨、胸骨を骨折。その後の手術は成功し、レース復帰まで最低でも6週間がかかるとチームは発表している。
大会2日目は前日のコピーのような断面図をするコースを進み、フィニッシュ手前600mから平均9.8%の坂を駆け上がるステージ。順調にフィニッシュを目指した逃げグループに、メイン集団から飛び出したヴィクトル・ラフェ(フランス、コフィディス)が合流する。そのまま3名での勝負と思われたものの、AG2Rシトロエンの猛追により最後の登りでプロトンが3名を飲み込む。
そして直後にコーナーを巧みに利用して前に出た20歳のロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)が、キャリアハイとなる勝利を手に入れた。
15.9kmの個人タイムトライアルで争われた第3ステージはバンジャマン・トマ(フランス、コフィディス)がニクラス・ラーセン(デンマーク、ウノエックス・プロサイクリングチーム)に9秒差をつけて優勝。トマはそのまま総合首位に立ち、翌日の第4ステージを再びコーイが制した。
5日目はパリ〜ルーベの終着地点であるルーベを出発し、15箇所の石畳区間と短い急坂を超える187.6kmで争われた。序盤にできた逃げをスーダル・クイックステップが先導するプロトンが捉え、飛び出したヴァランタン・ルタイヨー(フランス、AG2Rシトロエン)とロイック・ヴリーヘン(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)も残り3kmで吸収される。
AG2Rの高速牽引から残り1.5kmで総合リードを得たいグレゴワールの飛び出しに、ペールストランド・ハーゲネス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ)が追従。2人は後続と差を拡げ、ハーゲネスが勝利し、グレゴワールが狙い通り総合首位に返り咲いた。
最終日の第6ステージは、今大会3度目となる集団スプリントに持ち込まれた。各チームがトレインを組むことができず、スプリンターが入り乱れるなか、アーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)が圧巻のスピードを披露。しかし、その加速を巧みに利用したメルリールが勝利を掴み取った。
そして総合優勝は地元フランスのネオプロ(プロ1年目)であるグレゴワールの手に。オフシーズンは毎年シクロクロスにも参戦し、2021-22年シーズンはU23フランス選手権王者に輝いたグレゴワールはフランス出身のクライマー。176cmながらも持ち前のバイクハンドリングで石畳も巧みにこなす、フランス注目の若手が現れた。
ジロ・デ・イタリアが裏で開催中の5月16日から21日にかけて、フランス北部で「ダンケルク4日間レース(UCI.Pro)」が行われた。4日間レースという名称であるものの、同エリアでの伝統レース「ツール・ド・ピカデリー」と合併したことから2017年に6日間に拡大。そして昨年の5月上旬から、時期を2週間ほど後ろ倒しにして開催された。
レースの舞台となるのはフランス本土最北端、ベルギーとの国境に近いダンケルク。パリ〜ルーベのような石畳や細かなアップダウン、強い海風などが名物となっており、雰囲気はクラシックレースそのもの。そのためクラシックレースに長けたペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)や現役ラストイヤーのグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン)らが集い、ピュアスプリンターのティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)なども出場した。
集団スプリントに持ち込まれた大会初日は、最終ストレートで優勝候補の一人であるアルノー・デリー(ベルギー、ロット・デスティニー)を巻き込む大規模落車が発生。それを免れたマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、コフィディス)らコーイが退け、初日勝者に輝いた。
デリーはこの落車により左の鎖骨と肋骨、胸骨を骨折。その後の手術は成功し、レース復帰まで最低でも6週間がかかるとチームは発表している。
大会2日目は前日のコピーのような断面図をするコースを進み、フィニッシュ手前600mから平均9.8%の坂を駆け上がるステージ。順調にフィニッシュを目指した逃げグループに、メイン集団から飛び出したヴィクトル・ラフェ(フランス、コフィディス)が合流する。そのまま3名での勝負と思われたものの、AG2Rシトロエンの猛追により最後の登りでプロトンが3名を飲み込む。
そして直後にコーナーを巧みに利用して前に出た20歳のロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)が、キャリアハイとなる勝利を手に入れた。
15.9kmの個人タイムトライアルで争われた第3ステージはバンジャマン・トマ(フランス、コフィディス)がニクラス・ラーセン(デンマーク、ウノエックス・プロサイクリングチーム)に9秒差をつけて優勝。トマはそのまま総合首位に立ち、翌日の第4ステージを再びコーイが制した。
5日目はパリ〜ルーベの終着地点であるルーベを出発し、15箇所の石畳区間と短い急坂を超える187.6kmで争われた。序盤にできた逃げをスーダル・クイックステップが先導するプロトンが捉え、飛び出したヴァランタン・ルタイヨー(フランス、AG2Rシトロエン)とロイック・ヴリーヘン(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)も残り3kmで吸収される。
AG2Rの高速牽引から残り1.5kmで総合リードを得たいグレゴワールの飛び出しに、ペールストランド・ハーゲネス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ)が追従。2人は後続と差を拡げ、ハーゲネスが勝利し、グレゴワールが狙い通り総合首位に返り咲いた。
最終日の第6ステージは、今大会3度目となる集団スプリントに持ち込まれた。各チームがトレインを組むことができず、スプリンターが入り乱れるなか、アーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)が圧巻のスピードを披露。しかし、その加速を巧みに利用したメルリールが勝利を掴み取った。
そして総合優勝は地元フランスのネオプロ(プロ1年目)であるグレゴワールの手に。オフシーズンは毎年シクロクロスにも参戦し、2021-22年シーズンはU23フランス選手権王者に輝いたグレゴワールはフランス出身のクライマー。176cmながらも持ち前のバイクハンドリングで石畳も巧みにこなす、フランス注目の若手が現れた。
第1ステージ(5月16日)結果
1位 | オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 4:31:38 |
2位 | マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、コフィディス) | |
3位 | ポール・ペンウェット(フランス、グルパマFDJ) |
第2ステージ(5月17日)結果
1位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | 3:59:05 |
2位 | イーサン・ヴァーノン(イギリス、スーダル・クイックステップ) | |
3位 | ブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン) |
第3ステージ(5月18日)結果
1位 | バンジャマン・トマ(フランス、コフィディス) | 19:21 |
2位 | ニクラス・ラーセン(デンマーク、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | +0:09 |
3位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、スーダル・クイックステップ) | +0:14 |
第4ステージ(5月19日)結果
1位 | オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 3:44:42 |
2位 | ヘルベン・テイッセン(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | |
3位 | ミラン・フレティン(ベルギー、フランダース・バロワーズ) |
第5ステージ(5月20日)結果
1位 | ペールストランド・ハーゲネス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ) | 4:42:29 |
2位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | |
3位 | アレクシー・ルナール(フランス、コフィディス) |
第6ステージ(5月21日)結果
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 3:56:38 |
2位 | アーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | |
3位 | ケース・ボル(オランダ、アスタナ・カザフスタン) | +0:05 |
個人総合成績
1位 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) | 21:14:08 |
2位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、スーダル・クイックステップ) | +0:13 |
3位 | ケース・ボル(オランダ、アスタナ・カザフスタン) | +0:15 |
その他の特別賞
ポイント賞 | オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | アレックス・コールマン(ベルギー、フランダース・バロワーズ) |
ヤングライダー賞 | ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) |
チーム総合成績 | ユンボ・ヴィスマ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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