雨の集団スプリント　ハンガリー2日目で欧州王者ヤコブセンが白星挙げる

2日連続で集団スプリントに持ち込まれたツール・ド・ハンガリー2日目。完全ウェットな集団スプリントで、ファビオ・ヤコブセン（オランダ、スーダル・クイックステップ）が豪華スプリンター相手に勝利した。

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ジロ・デ・イタリアと同時期に開催中のツール・ド・ハンガリー（UCI.Pro）は2日目を迎えた。コースはザラエゲルセグから、国際的な保養地としても知られるバラトン湖の辺りの街ケストヘイまでの175.3km。2つの3級山岳を越えるものの、それ以外は平坦路のため2日連続の集団スプリントが予想された。

序盤からフィリッポ・リドルフォ（イタリア、ノボノルディスク）らが形成した逃げグループは4名。それをエーススプリンターのアルバロホセ・ホッジ（コロンビア）を擁するUAEチームエミレーツが中心にメイン集団を牽引し、5分以内のタイトなコントロールを見せた。

徐々に雲が空を覆い始めるなか、残り25kmで大規模落車が発生。その中にはサム・ベネット（アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ）のリードアウト役であるマチュー・ウォールス（イギリス）や有力クライマーのダミアン・ホーゾン（オーストラリア、Q36.5プロサイクリングチーム）ら10名ほどの選手たちが巻き込まれ、ホーゾンは肘を打ちつけ途中リタイアとなった。

雨が降り始め、濡れた路面により残り18km地点でも落車が発生したプロトンは逃げを飲み込む。そして完全ウェットのなかチームDSMを先頭に最終ストレートに突入し、2日連続の集団スプリントが幕開けた。

残り300mからカスペル・ファンウーデン（オランダ、チームDSM）がアーリースプリントを仕掛け、その背後についたカレブ・ユアン（オーストラリア、ロット・デスティニー）が残り150mからスプリントを開始する。しかしスルスルと番手を上げ、他を圧倒するトップスピードに達したファビオ・ヤコブセン（オランダ、スーダル・クイックステップ）を確認したファンウーデンとユアンは踏みを緩めた。

そしてフィル・バウハウス（ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス）に並ぶことすら許さなかったヤコブセンが、雨のスプリントで勝利を飾った。

「チーム一丸となりレースをコントロールし、最後は少し後方からのスプリントを強いられた。しかし隙間を見つけて勝利した。なんとか明日、明後日の登りステージをクリアし、ブタペストの最終日に向けて集中したい」と、ボーナスタイムを加算して総合リーダジャージを着用したヤコブセンは語っている。

翌第3ステージは5つの2級山岳を越える丘陵ステージ。それぞれの登坂距離5km程度と難易度は高くないものの、フィニッシュラインが引かれた2級山岳ペクスは距離2.3km/平均勾配8.6%とスプリンターを退ける急坂だ。