2023/04/29(土) - 18:30
4月22~23日に長野県で開催されたアルプスあづみのセンチュリーライド。昨年から引き続きCW編集部の高木が桜のAACRを取材し、イベントレポートを前編と後編で紹介。前編はスタートからAACR名物の「ねぎみそおにぎり」がある青木湖までをレポートしていく。
春のサイクリングイベントとして人気がある「アルプスあづみのセンチュリーライド」。通称"AACR"は桜が咲いている4月に"桜のAACR"と緑豊かな5月に"緑のAACR"の2大会が開催されている。
昨年の"桜のAACR"は直前までコロナウィルス感染症のまん延防止等重点措置が発令されていたこともあり、参加者が少なかったが、日本全国からサイクリストが集結し、今年の参加者は約1,200人エントリーがあった。
関東では桜は散り、30℃近くまで気温が上昇する夏日になったこともあり、長野県でも桜が散っているのではないかと不安であった。前日に大会場付近には桜が咲いていた。
イベント前日には、前日受付の他、ブランドブースが多く立ち並ぶ。大会の冠スポンサーであるミズタニ自転車が取り扱う、リドレーのバイク試乗会やDMTのシューズ試着会、iRC、パナレーサー、オーストリッチをはじめ、AACRジャージを手掛けるウエイブワン、マヴィック、東京サンエスなど多くのブランドブースが出展。
大会当日は最低気温2℃、最高気温16℃と関東に比べてかなり寒かったため、駐車場では参加者同士がウェア選びに迷っている様子だった。160kmコースのスタートゴールである長野県松本市の梓川の近くに位置する「梓水苑」の頭上には青空が広がり、絶好のサイクリング日和となった。
今回、桜のAACRを取材するのはCW編集部員の高木。昨年の5月に開催された"緑のAACR"の取材を担当し、今回でAACRに参加するのは2回目だ。長野県には大学生時代に自転車競技部に所属していたため、毎年ようにレースやトレーニング合宿で訪れていたこともあり、思い出の地である。
そんな私が取材したのは今回もAACRでは最長カテゴリーとなる160kmのクラス。7つのエイドを巡りながら総距離160kmを走破するコースだ。スタート地点となる梓水苑前の道路は交通規制がかかり、160kmクラスの1組目の参加者が、4名ずつに並ぶ。
スタート前にはイベントをプロデュースしている鈴木雷太さんによる開会のあいさつが行われた。集合写真を撮影し、スタートを今か今かと待つ。参加者は皆が笑顔で、高まる鼓動が伝わってきた。
そしてスタート時刻の6時、"桜のAACR"が開幕した。機材サポートをするマヴィックカーを先頭に、4名ずつ間隔を空けて参加者が続々とスタートしていく。スタートゲートをくぐると北アルプスが向かって、八重桜が咲き誇る景色が広がっていた。
最初の休憩地点である第一エイドはスタートから23kmの堀金・穂高地区にあるアルプスあづみの公園。松本市内の平坦な田んぼ道を参加者が走り抜けていく。安曇野市に入ると小刻みにアップダウンを繰り返していく。
最初の穂高エイドでは、色とりどりな「やさいぱん」と「米粉とポロネギのポタージュスープ」がお出迎え。やさいぱんはにんじん、ホウレンソウ、トマト、カボチャ、むらさき芋と5種類の中から2つ選べるのだが、どれも美味しそうで参加者の皆さんはどれにするか頭を悩ませていた。
玄米エッセンスが配合されたやさいぱんは、野菜の風味を感じられ、もちもちとした食感でお腹を満たしてくれる。ちなみに、むらさき芋が一番に完売していました。また、米粉とポロネギのポタージュスープはとても温かく、冷えた身体を温めてくれる。
アルプスあづみの公園には色とりどりのチューリップが咲き誇り、まるでカラフルな絨毯が広がるようにも見える。参加者はチューリップ畑を背景に、自慢の愛車と記念撮影をいていた。さらに、チューリップ型の椅子やどこでもドアなどが用意され、SNS映えするスポットもあり、雷太さんとMCアケも楽しんでいた。
次なる目的地の第二エイドは20km先にある大町市にあるあづみの公園。この区間は緩やかに長いアップダウンが続く区間であるが、北アルプス山々を横目に走れるので、景色を楽しみながら走れる区間である。
安曇野アートラインを走っているとレトロな電車が展示されている公園が見えてくる。気になったため立ち寄ってみる。「トットちゃん広場」には、長野電鉄ら譲り受けた昭和2年(1927年)に製造されたモハ604と、大正15年(1926年)に製造されたデニハ201の2両が展示されていた。特に、デニハ201は運転席の後ろに荷物室があるという貴重な列車である。コース沿いにあるため、緑のAACRに参加する方や鉄道マニアは立ち寄ってみては。
第二エイドがあるあづみの公園に到着。ただ、エイドステーションまではまだ走ることになる。左右に高々と聳え立つ木々、太陽の日が降り注ぐ木漏れ日の自然豊かな中をサイクリングをしていると非常にリラックスできた。そして、園路を抜けた先に第二エイドが見えてくる。
大町エイドでは栗林豆腐店製の「豆腐汁」とライド中に嬉しい甘い物「よもぎ大福」が用意されていた。さらに、大町エイドでは毎回恒例の猫耳を付けた綺麗な女性スタッフさんが手渡してくれる。ここでは、自身のボトルに水を汲める給水所が用意され、多くの参加者が喉を潤していた。
そして、スタートの時、第一エイド、第二エイドで度々遭遇していたミズタニ自転車の広報の佐々木さん。筆者の高木と佐々木さんはドラマ好きで、この先のコース脇にあるドラマの聖地を見るために、一緒に行動することになった。
休憩を終え、次の目的地へ。第三エイドはスタートから63km地点にある青木湖を目指していく。青木湖に向かう道中、右手に見えてきたのが、木崎湖だ。山間を走ってきたため、目の前に綺麗な湖が出現するとついつい立ち止まってしまう。
因みに、木崎湖は長野県大町市にある、仁科三湖のうち最も南側に位置する湖である。サップやカヌーなどの水上スポーツができるほか、ワカサギ、 コクチバス、 ニゴイ、 オオクチバス、 サクラマスなどが釣れるため、多くの釣り人が訪れるアウトドアアクティビティを楽しむことができるスポットだ。
筆者の高木と佐々木さんが見ていた今年の冬ドラマ「星降る夜に」の第一話の冒頭に登場している。さらに、映画の「男はつらいよ」シリーズやアニメ『おねがい☆ティーチャー』といった様々な作品の舞台になっており、多くの映画・ドラマ・アニメファンが聖地巡礼のため訪れていると木崎湖キャンプ場のスタッフさんが教えてくれた。個人的なお気に入りは、桟橋から見える山と湖の景色が控えめに言っても最高です!
木崎湖の西岸を進んでいく。そして、長野県松本市の松本駅から新潟県糸魚川市の糸魚川駅までを運航しているJR大糸線の踏切を渡り、残りの仁科三湖である中綱湖と青木湖方面へ国道148号を北上していく。ここからは緩やかな登りが続く。
中綱湖を横目に上り続けていくと、青木湖の看板が見えてきた。そこで、前に突如として、前半戦の難関である激坂が出現。青木湖エイドにたどり着くためにはこの激坂をクリアしなければならない。ダンシングで軽々とクリアする方もいれば、バイクから降りて押しながらクリアする方もいたが、その先にAACR名物の「ネギ味噌おにぎり」が待っていると思えば自然と頑張ることができた。
エイドステーションに近づくにつれて、何やら全身真っ赤な人影が見えてくる。真っ赤なママチャリと三叉槍を持った「悪魔おじさん」が参加者全員にエールを送っていた。日本全国のロングライドの激坂で待ち構えていることでも知られているが、筆者自身は久しぶりに会うことができた。
青木湖エイドにたどり着く。「一年ぶりに”ねぎみそおにぎり”との再会」かと思いながら、さっそく一口。一粒一粒に艶があるおにぎりに甘辛いねぎ味噌をつけて食べると、やっぱり美味しすぎる!また、添えられているお漬物も、運動時の塩分チャージにぴったりだ。
緑のAACRのイベントレポート前編はスタートから第三エイド青木湖までお届けしました!
次回の後編は長野オリンピックの会場ともなった白馬に向かい、ゴールを目指す後編に続きます。こうご期待!
photo & text : Michinari TAKAGI
春のサイクリングイベントとして人気がある「アルプスあづみのセンチュリーライド」。通称"AACR"は桜が咲いている4月に"桜のAACR"と緑豊かな5月に"緑のAACR"の2大会が開催されている。
昨年の"桜のAACR"は直前までコロナウィルス感染症のまん延防止等重点措置が発令されていたこともあり、参加者が少なかったが、日本全国からサイクリストが集結し、今年の参加者は約1,200人エントリーがあった。
関東では桜は散り、30℃近くまで気温が上昇する夏日になったこともあり、長野県でも桜が散っているのではないかと不安であった。前日に大会場付近には桜が咲いていた。
イベント前日には、前日受付の他、ブランドブースが多く立ち並ぶ。大会の冠スポンサーであるミズタニ自転車が取り扱う、リドレーのバイク試乗会やDMTのシューズ試着会、iRC、パナレーサー、オーストリッチをはじめ、AACRジャージを手掛けるウエイブワン、マヴィック、東京サンエスなど多くのブランドブースが出展。
大会当日は最低気温2℃、最高気温16℃と関東に比べてかなり寒かったため、駐車場では参加者同士がウェア選びに迷っている様子だった。160kmコースのスタートゴールである長野県松本市の梓川の近くに位置する「梓水苑」の頭上には青空が広がり、絶好のサイクリング日和となった。
今回、桜のAACRを取材するのはCW編集部員の高木。昨年の5月に開催された"緑のAACR"の取材を担当し、今回でAACRに参加するのは2回目だ。長野県には大学生時代に自転車競技部に所属していたため、毎年ようにレースやトレーニング合宿で訪れていたこともあり、思い出の地である。
そんな私が取材したのは今回もAACRでは最長カテゴリーとなる160kmのクラス。7つのエイドを巡りながら総距離160kmを走破するコースだ。スタート地点となる梓水苑前の道路は交通規制がかかり、160kmクラスの1組目の参加者が、4名ずつに並ぶ。
スタート前にはイベントをプロデュースしている鈴木雷太さんによる開会のあいさつが行われた。集合写真を撮影し、スタートを今か今かと待つ。参加者は皆が笑顔で、高まる鼓動が伝わってきた。
そしてスタート時刻の6時、"桜のAACR"が開幕した。機材サポートをするマヴィックカーを先頭に、4名ずつ間隔を空けて参加者が続々とスタートしていく。スタートゲートをくぐると北アルプスが向かって、八重桜が咲き誇る景色が広がっていた。
最初の休憩地点である第一エイドはスタートから23kmの堀金・穂高地区にあるアルプスあづみの公園。松本市内の平坦な田んぼ道を参加者が走り抜けていく。安曇野市に入ると小刻みにアップダウンを繰り返していく。
最初の穂高エイドでは、色とりどりな「やさいぱん」と「米粉とポロネギのポタージュスープ」がお出迎え。やさいぱんはにんじん、ホウレンソウ、トマト、カボチャ、むらさき芋と5種類の中から2つ選べるのだが、どれも美味しそうで参加者の皆さんはどれにするか頭を悩ませていた。
玄米エッセンスが配合されたやさいぱんは、野菜の風味を感じられ、もちもちとした食感でお腹を満たしてくれる。ちなみに、むらさき芋が一番に完売していました。また、米粉とポロネギのポタージュスープはとても温かく、冷えた身体を温めてくれる。
アルプスあづみの公園には色とりどりのチューリップが咲き誇り、まるでカラフルな絨毯が広がるようにも見える。参加者はチューリップ畑を背景に、自慢の愛車と記念撮影をいていた。さらに、チューリップ型の椅子やどこでもドアなどが用意され、SNS映えするスポットもあり、雷太さんとMCアケも楽しんでいた。
次なる目的地の第二エイドは20km先にある大町市にあるあづみの公園。この区間は緩やかに長いアップダウンが続く区間であるが、北アルプス山々を横目に走れるので、景色を楽しみながら走れる区間である。
安曇野アートラインを走っているとレトロな電車が展示されている公園が見えてくる。気になったため立ち寄ってみる。「トットちゃん広場」には、長野電鉄ら譲り受けた昭和2年(1927年)に製造されたモハ604と、大正15年(1926年)に製造されたデニハ201の2両が展示されていた。特に、デニハ201は運転席の後ろに荷物室があるという貴重な列車である。コース沿いにあるため、緑のAACRに参加する方や鉄道マニアは立ち寄ってみては。
第二エイドがあるあづみの公園に到着。ただ、エイドステーションまではまだ走ることになる。左右に高々と聳え立つ木々、太陽の日が降り注ぐ木漏れ日の自然豊かな中をサイクリングをしていると非常にリラックスできた。そして、園路を抜けた先に第二エイドが見えてくる。
大町エイドでは栗林豆腐店製の「豆腐汁」とライド中に嬉しい甘い物「よもぎ大福」が用意されていた。さらに、大町エイドでは毎回恒例の猫耳を付けた綺麗な女性スタッフさんが手渡してくれる。ここでは、自身のボトルに水を汲める給水所が用意され、多くの参加者が喉を潤していた。
そして、スタートの時、第一エイド、第二エイドで度々遭遇していたミズタニ自転車の広報の佐々木さん。筆者の高木と佐々木さんはドラマ好きで、この先のコース脇にあるドラマの聖地を見るために、一緒に行動することになった。
休憩を終え、次の目的地へ。第三エイドはスタートから63km地点にある青木湖を目指していく。青木湖に向かう道中、右手に見えてきたのが、木崎湖だ。山間を走ってきたため、目の前に綺麗な湖が出現するとついつい立ち止まってしまう。
因みに、木崎湖は長野県大町市にある、仁科三湖のうち最も南側に位置する湖である。サップやカヌーなどの水上スポーツができるほか、ワカサギ、 コクチバス、 ニゴイ、 オオクチバス、 サクラマスなどが釣れるため、多くの釣り人が訪れるアウトドアアクティビティを楽しむことができるスポットだ。
筆者の高木と佐々木さんが見ていた今年の冬ドラマ「星降る夜に」の第一話の冒頭に登場している。さらに、映画の「男はつらいよ」シリーズやアニメ『おねがい☆ティーチャー』といった様々な作品の舞台になっており、多くの映画・ドラマ・アニメファンが聖地巡礼のため訪れていると木崎湖キャンプ場のスタッフさんが教えてくれた。個人的なお気に入りは、桟橋から見える山と湖の景色が控えめに言っても最高です!
木崎湖の西岸を進んでいく。そして、長野県松本市の松本駅から新潟県糸魚川市の糸魚川駅までを運航しているJR大糸線の踏切を渡り、残りの仁科三湖である中綱湖と青木湖方面へ国道148号を北上していく。ここからは緩やかな登りが続く。
中綱湖を横目に上り続けていくと、青木湖の看板が見えてきた。そこで、前に突如として、前半戦の難関である激坂が出現。青木湖エイドにたどり着くためにはこの激坂をクリアしなければならない。ダンシングで軽々とクリアする方もいれば、バイクから降りて押しながらクリアする方もいたが、その先にAACR名物の「ネギ味噌おにぎり」が待っていると思えば自然と頑張ることができた。
エイドステーションに近づくにつれて、何やら全身真っ赤な人影が見えてくる。真っ赤なママチャリと三叉槍を持った「悪魔おじさん」が参加者全員にエールを送っていた。日本全国のロングライドの激坂で待ち構えていることでも知られているが、筆者自身は久しぶりに会うことができた。
青木湖エイドにたどり着く。「一年ぶりに”ねぎみそおにぎり”との再会」かと思いながら、さっそく一口。一粒一粒に艶があるおにぎりに甘辛いねぎ味噌をつけて食べると、やっぱり美味しすぎる!また、添えられているお漬物も、運動時の塩分チャージにぴったりだ。
緑のAACRのイベントレポート前編はスタートから第三エイド青木湖までお届けしました!
次回の後編は長野オリンピックの会場ともなった白馬に向かい、ゴールを目指す後編に続きます。こうご期待!
photo & text : Michinari TAKAGI
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