2023/04/14(金) - 09:30
フィニッシュ手前に平均6.3%の登りが登場したジロ・デ・シチリア3日目。6名の逃げ集団から飛び出したスイスTT王者ジョエル・ズーター(チューダー・プロサイクリングチーム)がワールドチームの追走を振り切り、金星を挙げた。
内陸部からシチリア島北部のティレニア海沿岸を目指すジロ・デ・シチリア(UCI2.1)第3ステージ。コース中盤に設定された距離8.1km(平均勾配3.6%)の登りを除きほぼ平坦路だが、フィニッシュ手前1.2kmから平均6.3%の登坂が登場。単純な集団スプリントとはならないレイアウトだ。
今大会の最短距離である150kmのレースで逃げたのは6名。ジョエル・ズーター(スイス、チューダー・プロサイクリングチーム)以外はコンチネンタルチームの選手で構成され、2連勝を目論むアンテルマルシェ・サーカス・ワンティやジェイコ・アルウラーが牽引するメイン集団に最大4分差のリードを築いた。
この日1つずつ設定された中間スプリントと山岳ポイントが付与される山岳を、ジャコモ・ガラヴァグリア(イタリア、ワークサービス・バイタルケア・ダイナテック)が共にトップ通過。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)が自らプロトンを牽引するシーンもありながら、逃げとのタイム差は順調に縮小していった。
2日連続の集団フィニッシュで決着と思われたレースは、ズーターのアタックにより逆方向に動き出す。プロトンとのタイム差が1分を切った残り16km地点でズーターが加速すると、この動きを逃げ集団は静観。現スイスタイムトライアル王者であるズーターが単独走に持ち込んだ。
逃げの5名を飲み込んだメイン集団だったが、アシストを使って懸命に追走するチームが現れない。ズーターは190cmの身長から出力されるハイパワーで12秒リードを保ちフィニッシュまで続く1.2kmの登坂に突入。前日勝者のニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が自ら牽引したものの届かず、ズーターがプロ初勝利を掴み取った。
「レース途中では正直、逃げ切りは難しいと感じていた。しかし調子自体がとてもよく、タイム差が1分を切ったのでチャレンジしたんだ。本当に嬉しくて言葉がない。チームとしても良い結果を積み重ねることは大事だから嬉しいよ」とズーターは語っている。
ズーターはスイス出身の24歳。2020年に現ビンゴール・パウェルスソースWBでプロキャリアをスタートさせ、UAEチームエミレーツに所属していた昨年にマウロ・シュミット(スイス、スーダル・クイックステップ)らを下してスイスTT選手権で優勝。今年ファビアン・カンチェラーラがオーナーを務めるチューダー・プロサイクリングチームに加入した期待の若手選手だ。
また、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が最終盤で落車したものの怪我はなく、救済措置が適応されたため2位集団と同タイムフィニッシュで大会3日目を終えている。
大会最終日の翌第4ステージはエトナ火山を含む3つの超級山岳を越えるクイーンステージ。フィニッシュ地点は最終山岳クルミネ・ディ・スコルシアバッカ(距離10.2km/平均6.4%)の頂上から22km下った先にある。
内陸部からシチリア島北部のティレニア海沿岸を目指すジロ・デ・シチリア(UCI2.1)第3ステージ。コース中盤に設定された距離8.1km(平均勾配3.6%)の登りを除きほぼ平坦路だが、フィニッシュ手前1.2kmから平均6.3%の登坂が登場。単純な集団スプリントとはならないレイアウトだ。
今大会の最短距離である150kmのレースで逃げたのは6名。ジョエル・ズーター(スイス、チューダー・プロサイクリングチーム)以外はコンチネンタルチームの選手で構成され、2連勝を目論むアンテルマルシェ・サーカス・ワンティやジェイコ・アルウラーが牽引するメイン集団に最大4分差のリードを築いた。
この日1つずつ設定された中間スプリントと山岳ポイントが付与される山岳を、ジャコモ・ガラヴァグリア(イタリア、ワークサービス・バイタルケア・ダイナテック)が共にトップ通過。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)が自らプロトンを牽引するシーンもありながら、逃げとのタイム差は順調に縮小していった。
2日連続の集団フィニッシュで決着と思われたレースは、ズーターのアタックにより逆方向に動き出す。プロトンとのタイム差が1分を切った残り16km地点でズーターが加速すると、この動きを逃げ集団は静観。現スイスタイムトライアル王者であるズーターが単独走に持ち込んだ。
逃げの5名を飲み込んだメイン集団だったが、アシストを使って懸命に追走するチームが現れない。ズーターは190cmの身長から出力されるハイパワーで12秒リードを保ちフィニッシュまで続く1.2kmの登坂に突入。前日勝者のニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が自ら牽引したものの届かず、ズーターがプロ初勝利を掴み取った。
「レース途中では正直、逃げ切りは難しいと感じていた。しかし調子自体がとてもよく、タイム差が1分を切ったのでチャレンジしたんだ。本当に嬉しくて言葉がない。チームとしても良い結果を積み重ねることは大事だから嬉しいよ」とズーターは語っている。
ズーターはスイス出身の24歳。2020年に現ビンゴール・パウェルスソースWBでプロキャリアをスタートさせ、UAEチームエミレーツに所属していた昨年にマウロ・シュミット(スイス、スーダル・クイックステップ)らを下してスイスTT選手権で優勝。今年ファビアン・カンチェラーラがオーナーを務めるチューダー・プロサイクリングチームに加入した期待の若手選手だ。
また、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が最終盤で落車したものの怪我はなく、救済措置が適応されたため2位集団と同タイムフィニッシュで大会3日目を終えている。
大会最終日の翌第4ステージはエトナ火山を含む3つの超級山岳を越えるクイーンステージ。フィニッシュ地点は最終山岳クルミネ・ディ・スコルシアバッカ(距離10.2km/平均6.4%)の頂上から22km下った先にある。
ジロ・デ・シチリア2023第3ステージ結果
1位 | ジョエル・ズーター(スイス、チューダー・プロサイクリングチーム) | 3:33:14 |
2位 | フィリッポ・フィオレッリ(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ) | |
3位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリアナショナルチーム) | |
4位 | ジオスエ・エピス(イタリア、ザルフ・ユーロモビル・デジレ・フィオール) | |
5位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) |
個人総合成績
1位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) | 11:25:52 |
2位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) | +0:06 |
3位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | +0:14 |
4位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン) | +0:18 |
5位 | ワルテル・カルツォーニ(イタリア、Q36.5プロサイクリングチーム) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) |
山岳賞 | ミカエル・ベリッリ(イタリア、ビエッセ・カレッラ) |
ヤングライダー賞 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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